ザ・ドキュメンタリー 「いま助けてほしい~息子介護の時代~」
ナレーション
高橋克実
番組内容
その部屋には、壁一面に富士山とひまわりの絵が描かれていた。
「訪問入浴でばあさんが風呂に入るとき、白い壁だけだとつまらないでしょ」
描いたのは、54歳の男。
男は2年前、8年間自宅で介護してきた母親の首を絞めて殺害した。
「骨の髄まで疲れていたんじゃないですか。」
殺害の動機を言葉少なに、こう語った。
介護をする人のうち、いまや男性は3割超。
介護のため仕事を辞める男性は年間2万5,000人にのぼっている。
少子化や晩婚化で、
独身で働き盛りの息子が親を介護する「息子介護」が増え続けている。
なぜ、息子たちは追い込まれるのか?
「和ちゃんの中で、俺はもう息子じゃなくなったからなぁ。」
10年間、自宅で母親を介護してきたフリーライターの野田明宏さん(56)。
認知症の母を友達のように“和ちゃん”と呼ぶ。
生活は介護一色で仕事はできず、和ちゃんの年金に頼る毎日だ。
今年3月、「息子介護」本の出版を目指して仕事を再開させた野田さんは、
父親を介護する43歳の男性の取材を始めた。
2年前に介護離職した男性は、妥協を許さない“完璧な介護”を目指す。
「父を預かってくれる施設もない。
仕事なんてしていられない。1日でいいから休みたい」と、野田さんに訴えた。
その取材中、一本の電話が…。
それは、野田さんの介護生活の終わりを告げる電話だった。
「俺みたいな人はこれから増える。
俺たちは、介護“後”の人生をどう生きればいいのか。
このまま生活保護になってしまう」――野田さんは危機感をあらわにした。
2008年に放送した「“母”が壊れて~息子介護の時代~」に続く
介護問題のドキュメンタリー第二弾。
今なお「介護する人」を支える仕組みのない日本の制度。その不備を問う。
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