芸歴28年 濱田岳が明かす“後悔”と“師匠への想い”「10年前に戻れるなら、西田さんともっと……」
【役者魂VOL.6】
小学生のときにスカウトされ、芸能界入り。1998年にドラマデビューを果たした“若き大ベテラン”。
シリアスからコメディーまで巧みに演じ分ける濱田岳が、4月17日(金)夜9時にスタートするドラマ9「刑事、ふりだしに戻る」で、人生2周目のアラフォー刑事を演じる。
【動画】ドラマ9「刑事、ふりだしに戻る」
殉職した現場から2016年へとタイムスリップし、1周目の人生で亡くした恋人を救うため、そして警察組織の闇を暴くために奔走する主人公・百武誠。
新感覚のタイムリープサスペンスに臨む、28年目の役者人生――。これまであまたの人物の人生を生きてきた実力派に、その“役者魂”を聞く【前編】。
![濱田]()
あまりに影が薄いことから警察署内で“モブさん”(※モブ=アニメや漫画の背景に出てくる、名前もないその他大勢の無個性なキャラクター)と呼ばれる刑事・百武誠が、2周目となる人生で10年前の未解決事件と恋人の死の真相に迫る――。
いわゆる「タイムリープもの」「転生もの」と呼ばれるSFファンタジーのジャンルだが、本作でその実力を遺憾なく発揮しているのが、30代後半にしてキャリア28年を誇る濱田岳だ。
「百武誠という冴えない刑事が、10年前に逮捕した男の出所をきっかけに、2016年、刑事人生の初日にタイムスリップしてしまう……そんなところから始まるお話ですが、10年前ってそんなに昔の話でもないので、そこらへんの加減が難しいですね。
過去でのリアクションは、現在(令和)の誠でいい。けれども“未来を知っていること”は隠して生きていかなければならない。歴史を変えてはいけないと分かっていながらも、誠の“生き直し”の部分を全うしなければならないわけで…。キャラクターの整合性が取れているか、つじつまが合っているかどうかは、撮影しながら常に確認しています」
タイムスリップした主人公の戸惑い。「未来が分かる」チート能力(※アニメや漫画で言われる規格外の能力)がありながらも、それを上手く使いこなせない歯がゆさ、未来を変えることへの葛藤。「SFファンタジーでありながらもリアル」(濱田)であることが、演じる上でのポイントであり、やりがいとなっているそう。
「みなさんもそうだと思いますが、10年前の出来事って“覚えてはいるんだけど……”って、すごく曖昧じゃないですか? 誠も、ほとんどの事件が“これって何だ?”“誰だっけ?”という感じなので(笑)、そこが生々しい。
タイムスリップしたことで得た能力を使ってヒーローになる道を選ぶのではなく、けんか別れしたまま亡くなってしまった恋人(石井杏奈)との関係を修復させることを一番に考えるところも含めて、すごくリアルなんですよね。僕が出演させていただくからには、そうした人間味みたいなところを上手く出せたらいいなと思っています」
小学生のときにスカウトされ、芸能界入り。1998年にドラマデビューを果たした“若き大ベテラン”。
シリアスからコメディーまで巧みに演じ分ける濱田岳が、4月17日(金)夜9時にスタートするドラマ9「刑事、ふりだしに戻る」で、人生2周目のアラフォー刑事を演じる。
【動画】ドラマ9「刑事、ふりだしに戻る」
殉職した現場から2016年へとタイムスリップし、1周目の人生で亡くした恋人を救うため、そして警察組織の闇を暴くために奔走する主人公・百武誠。
新感覚のタイムリープサスペンスに臨む、28年目の役者人生――。これまであまたの人物の人生を生きてきた実力派に、その“役者魂”を聞く【前編】。

「ヒーローになれない」刑事の人間味
あまりに影が薄いことから警察署内で“モブさん”(※モブ=アニメや漫画の背景に出てくる、名前もないその他大勢の無個性なキャラクター)と呼ばれる刑事・百武誠が、2周目となる人生で10年前の未解決事件と恋人の死の真相に迫る――。
いわゆる「タイムリープもの」「転生もの」と呼ばれるSFファンタジーのジャンルだが、本作でその実力を遺憾なく発揮しているのが、30代後半にしてキャリア28年を誇る濱田岳だ。
「百武誠という冴えない刑事が、10年前に逮捕した男の出所をきっかけに、2016年、刑事人生の初日にタイムスリップしてしまう……そんなところから始まるお話ですが、10年前ってそんなに昔の話でもないので、そこらへんの加減が難しいですね。
過去でのリアクションは、現在(令和)の誠でいい。けれども“未来を知っていること”は隠して生きていかなければならない。歴史を変えてはいけないと分かっていながらも、誠の“生き直し”の部分を全うしなければならないわけで…。キャラクターの整合性が取れているか、つじつまが合っているかどうかは、撮影しながら常に確認しています」
タイムスリップした主人公の戸惑い。「未来が分かる」チート能力(※アニメや漫画で言われる規格外の能力)がありながらも、それを上手く使いこなせない歯がゆさ、未来を変えることへの葛藤。「SFファンタジーでありながらもリアル」(濱田)であることが、演じる上でのポイントであり、やりがいとなっているそう。
「みなさんもそうだと思いますが、10年前の出来事って“覚えてはいるんだけど……”って、すごく曖昧じゃないですか? 誠も、ほとんどの事件が“これって何だ?”“誰だっけ?”という感じなので(笑)、そこが生々しい。
タイムスリップしたことで得た能力を使ってヒーローになる道を選ぶのではなく、けんか別れしたまま亡くなってしまった恋人(石井杏奈)との関係を修復させることを一番に考えるところも含めて、すごくリアルなんですよね。僕が出演させていただくからには、そうした人間味みたいなところを上手く出せたらいいなと思っています」
「生き直す」のは、決して楽じゃない
濱田いわく「派手さや痛快さはないけれど、どこにでもいるごく普通の男が2周目の人生を懸命に生き直す物語」。
「『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のように現在に戻って来られるわけではなく、一度行ったら戻れないわけで、実は結構しんどいと思うんですよ。言い方を変えると、脳だけが年を取っている状態なので、実際にタイムスリップしたら大変だろうな。演じれば演じるほど、生き直すのはイヤだな、面倒くさいな……って(笑)。
でも、誠はそれを受け入れながら、必死でもがいている。再び自分の人生と戦っているわけで、モブキャラのように見えて本当は心が強い。そんな男が運命に翻弄される姿、成長する姿から何か感じていただければ嬉しいですね」
世界を救うでもなく、天下取りを目論むわけでもなく、目の前にいる(いたはずの)恋人のためだけにひたすら汗する男の“生き直し”が真に迫る。
たった一度の寝坊によって刻一刻と未来が変わるなど、人生は、その時々の細かな選択の一つで決まっていくことがよく分かる緻密な脚本も見事だ。
「物語が進むに連れて、タイムリープものの厳しい側面が描かれますし、誠の一挙手一投足で未来の結果が大きく変わるというスリリングな展開も見どころ。“生き直す=いいことばかりじゃない”という点が、この脚本の面白さだと思いました。そこが演じていて楽しいし、難しくもある。チャレンジしがいがあると感じています」
取材中は丁寧に言葉を選びながら「僕は誠のように、タイムスリップした事実を受け入れる度胸はない……」と、演じる役柄に思いを巡らせる。きっとこれが、彼流の「役作り」なのだろう。
「彼には出世欲がなかったのかな? お人好しがこじれてモブキャラになっちゃったのかな? これまでの人生、答えをはっきりと言えないまま流されて……と想像すると、自分に近いものを感じますが(笑)、そうは言っても長年刑事をやってきた男なので、正義感や犯人に立ち向かう勇気は持っている。それに加えてよこしまな考えを持たず、ちゃんと生き直そうとするところが誠の素晴らしさ。僕にはちょっと、真似できそうにないです」
誠のように「10年前から“生き直し”ができたら?」と問うと、「すぐに、若かりし頃の大谷翔平選手のサインをもらいに行く(笑)」。そんな冗談を交えつつ、役者として「もっと頑張らなきゃ」と背筋を伸ばした。
「10年前は、テレ東さんで『釣りバカ日誌 ~新米社員 浜崎伝助~』(2015年)をやらせていただいた頃に戻るわけで、“西田敏行さんともっとふざけておけばよかったな”と思います。役者としての技術もそうですし、心もそう。僕にとっての大師匠ですから。
27歳の自分を振り返って、もっと頑張らなきゃ、西田さんの教えに恥じない役者人生を歩んでいかなきゃなと、タイムリープもののお話をやりながら気を引き締め直しています」

キャリア28年の賜物に違いない。まるで実在の人物かのように、演じる誠の心情に寄り添う姿が印象的だった。
4月24日(金)昼12時に公開する【後編】では、役者人生に大きく影響を及ぼした大師匠・西田敏行とのエピソードや自身の転機となった作品について話を聞く。
【濱田岳 プロフィール】
1988年6月28日生まれ、東京都出身。1998年にドラマ「ひとりぼっちの君に」(TBS)でデビュー。2004年に出演したドラマ「3年B組金八先生(第7シーズン)」(TBS)で注目を浴びる。映画初主演作「アヒルと鴨のコインロッカー」(2007年)では、「第22回高崎映画祭」最優秀主演男優賞を受賞。映画「ゴールデンスランバー」(2010年)、「永遠の0」(2013年)、NHK大河ドラマ「軍師官兵衛」、「HERO」(フジ)など、数多くの話題作に出演している。
2015年、「釣りバカ日誌~新入社員 浜崎伝助~」(テレ東)で浜崎伝助役に抜擢。
2026年は「刑事、ふりだしに戻る」のほか、映画「教場 Requiem」が公開に。
現在放送中の「BLOOD&SWEAT」(WOWOW)にも出演。7月からは、日曜劇場「VIVANT」 続編(TBS)が放送される。
(取材・文/橋本達典)
【第1話】

その目立たない性格ゆえ、周囲からモブさんと呼ばれている山梨県古田署の刑事・誠(濱田岳)は、退職届を提出していた。背景には恋人・美咲(石井杏奈)を亡くした10年前の悲劇が。同期・吉岡(鈴木伸之)や副署長・黒崎(生瀬勝久)らの慰留も受け入れず、意志は固い。
そんな中、発生した発砲事件をきっかけに、誠の運命を揺るがす予期せぬ出来事が。美咲を殺した犯人・槇村(池内博之)との追跡劇、驚愕の新事実、そして――。
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