かたせ梨乃「極妻」でつかんだ女優の矜持――大先輩・岩下志麻と紡ぐ40年の絆
【役者魂VOL.7 後編】
ドラマ「夫婦と16歳~狂気の隣人~」(毎週木曜 深夜24時30分)で、“自認16歳美少女”という61歳のおばさん・白石美子を熱演しているかたせ梨乃。
デビュー50年目にして挑む新境地――。
【前編】では、「とても難しい役」と語る本作への意気込みなどを聞いたが、【後編】では、7年目を迎えた旅バラエティーの裏側、役者道をまい進する大ベテランのターニングポイント、その原動力を聞く。
![かたせ梨乃 役者魂]()
2019年にスタートした、土曜ゴールデン「あさこ・梨乃の5万円旅」。
東京の超名門校、雙葉出身のかたせといとうあさこ。同窓生ならではのあうんのやりとりや心地よい雰囲気が、好評を博している。
「不思議なんですよね。小中高と12年間、同じ学び舎に通っていたせいか、例えばロケ中に同じものを見ていても、お互いの感想がなんとなく分かっちゃう。以心伝心というか、言う前に“ああ、たぶんそういうことね~”ということが、結構あるんですよ。
私がドラマのお仕事が詰まっていて、大変そうな時はあさこちゃんが自然と前に出てくれて。ロケで海外から戻ってきて、あさこちゃんが少し疲れていそうな時は私がちょっと頑張って。干支が一周するくらい年が違うんだけど、とても相性がいいし、毎回楽しいです」
![かたせ梨乃 役者魂]()
いとうとゲストと3人で、5万円(現在は5万5000円)という厳しい予算を節約しながら、1泊2日の国内旅行を楽しむ。
「5000円アップしてもらったけど、3人旅だとやりくりが大変。途中のゲームに負けると3000円も取られちゃうし(笑)。コンビニに行っても、今は物価高だから、すごく考えて買わなきゃいけない。だからマストは、ゲームで勝つこと! でもそこが面白いし、楽しいところよね。
スタッフも一緒にワイワイ仲良く楽しんで作っている感じが好きだし、そういう雰囲気が番組の良さにつながっているのかなって。
あと、時代もそうだし機材も昔より軽くなったせいか、女性スタッフが本当に増えました。年に4回ロケがあるんだけど、待ち遠しくて仕方がないです。今ではライフワークのようなものですね」
待ち遠しいのは、どうやら本人だけではないらしい。
かたせが29歳の時に出演した名作映画「極道の妻たち」の主演にして憧れの大先輩である岩下志麻も、番組のファンだそう。
「志麻さんは、私が出ている番組は必ず見てくださるんです。中でも『5万円旅』は楽しみにしているみたい。オンタイムに間に合わない時は録画して、全部の番組の感想文をくださって……。いつもとても感謝しています」
岩下とは40年来の付き合い。また“極妻”と呼ばれた大ヒットシリーズは、かたせにとってターニングポイントとなった重要な作品だ。
「志麻さん、十朱幸代さん、三田佳子さんという、日本を代表する女優さんとお仕事をさせていただいたことは、私にとっての財産。
職業欄に“女優”と書けるようになったのも、この作品に出会ってからです。私の中では、志麻さんのような銀幕の中にいる方こそが“女優さん”というイメージでした。初めて女優と名乗れるようになったのは、『極道の妻たち』と出会ったからこそ。
大先輩で銀幕の大スターなのに、失敗ばかりの私と同じ目線、土俵でお芝居をしてくださった志麻さんには感謝しきれません。代表作がなかった自分にとって、大きなターニングポイントになりました。
五社英雄監督との出会いも、50年近い女優人生において、とても大事な時間でした。まず、台本の読み方が違いましたし、セリフの読み方も変わったかな。五社監督には、セリフとセリフの行間を埋めていく作業を教えていただきました。
逆に、お姉ちゃん(岩下)は取り立てて何も言わないんだけど、とにかく生き様がカッコいいから、私はその姿を後ろから見て、学ばせてもらった感じです」
ドラマ「夫婦と16歳~狂気の隣人~」(毎週木曜 深夜24時30分)で、“自認16歳美少女”という61歳のおばさん・白石美子を熱演しているかたせ梨乃。
デビュー50年目にして挑む新境地――。
【前編】では、「とても難しい役」と語る本作への意気込みなどを聞いたが、【後編】では、7年目を迎えた旅バラエティーの裏側、役者道をまい進する大ベテランのターニングポイント、その原動力を聞く。

名作との出会い 五社英雄監督の教え
2019年にスタートした、土曜ゴールデン「あさこ・梨乃の5万円旅」。
東京の超名門校、雙葉出身のかたせといとうあさこ。同窓生ならではのあうんのやりとりや心地よい雰囲気が、好評を博している。
「不思議なんですよね。小中高と12年間、同じ学び舎に通っていたせいか、例えばロケ中に同じものを見ていても、お互いの感想がなんとなく分かっちゃう。以心伝心というか、言う前に“ああ、たぶんそういうことね~”ということが、結構あるんですよ。
私がドラマのお仕事が詰まっていて、大変そうな時はあさこちゃんが自然と前に出てくれて。ロケで海外から戻ってきて、あさこちゃんが少し疲れていそうな時は私がちょっと頑張って。干支が一周するくらい年が違うんだけど、とても相性がいいし、毎回楽しいです」

いとうとゲストと3人で、5万円(現在は5万5000円)という厳しい予算を節約しながら、1泊2日の国内旅行を楽しむ。
「5000円アップしてもらったけど、3人旅だとやりくりが大変。途中のゲームに負けると3000円も取られちゃうし(笑)。コンビニに行っても、今は物価高だから、すごく考えて買わなきゃいけない。だからマストは、ゲームで勝つこと! でもそこが面白いし、楽しいところよね。
スタッフも一緒にワイワイ仲良く楽しんで作っている感じが好きだし、そういう雰囲気が番組の良さにつながっているのかなって。
あと、時代もそうだし機材も昔より軽くなったせいか、女性スタッフが本当に増えました。年に4回ロケがあるんだけど、待ち遠しくて仕方がないです。今ではライフワークのようなものですね」
待ち遠しいのは、どうやら本人だけではないらしい。
かたせが29歳の時に出演した名作映画「極道の妻たち」の主演にして憧れの大先輩である岩下志麻も、番組のファンだそう。
「志麻さんは、私が出ている番組は必ず見てくださるんです。中でも『5万円旅』は楽しみにしているみたい。オンタイムに間に合わない時は録画して、全部の番組の感想文をくださって……。いつもとても感謝しています」
岩下とは40年来の付き合い。また“極妻”と呼ばれた大ヒットシリーズは、かたせにとってターニングポイントとなった重要な作品だ。
「志麻さん、十朱幸代さん、三田佳子さんという、日本を代表する女優さんとお仕事をさせていただいたことは、私にとっての財産。
職業欄に“女優”と書けるようになったのも、この作品に出会ってからです。私の中では、志麻さんのような銀幕の中にいる方こそが“女優さん”というイメージでした。初めて女優と名乗れるようになったのは、『極道の妻たち』と出会ったからこそ。
大先輩で銀幕の大スターなのに、失敗ばかりの私と同じ目線、土俵でお芝居をしてくださった志麻さんには感謝しきれません。代表作がなかった自分にとって、大きなターニングポイントになりました。
五社英雄監督との出会いも、50年近い女優人生において、とても大事な時間でした。まず、台本の読み方が違いましたし、セリフの読み方も変わったかな。五社監督には、セリフとセリフの行間を埋めていく作業を教えていただきました。
逆に、お姉ちゃん(岩下)は取り立てて何も言わないんだけど、とにかく生き様がカッコいいから、私はその姿を後ろから見て、学ばせてもらった感じです」
多忙な日々を支える体力づくり 役に徹するプロの矜持
それにしても、お忙しい。テレ東だけでも、2025年の「日本統一 東京編」や2026年1月クールに放送された「元科捜研の女」。その合間に、「伊集院光・佐久間宣行の勝手にテレ東批評」や「和田明日香とゆる宅飲み」(BSテレ東)など、バラエティー番組にも精力的に出演している。
「ここ最近、人生の中で3本の指に入るくらい忙しくて、あまり寝てないの。大好きなプールに行く暇もないから、早く泳ぎた~い!」とチャーミングに笑うが、その表情ははつらつとしている。
「現場にいることが幸せだし、どのお仕事も楽しいんですよ。明日香さんとは収録の時に初めてお会いしたんだけど、本当に楽しかった。楽しすぎて、2人でシャンパン1本飲んじゃったんだから(笑)。明日香さんも、収録でこんなに飲んだのは初めてと言っていました」
▲7月9日(木)放送 ドラマ「夫婦と16歳~狂気の隣人~」第2話よりドラマであれば共演者、バラエティーであればMCやゲストを笑顔にする――。
ご本人が一番楽しんでいるからこそ、なせる業なのだろう。
「きっと楽しいから、寝なくても平気なんでしょうね。バラエティーもそうだけど、特にお芝居をしている時はアドレナリンがすごい。翌日が休みだったりすると果てしなく飲んじゃうから、まずいんですよ(笑)。それだけテンションが高いんです、お芝居をしている時は。
昔は毎日飲んでいたけど、今はさすがに休みの前日1日だけと決めています。以前はキャッキャと飲んでいるだけで楽しかったけど、最近は一人でしみじみしていますね。暗くなっているわけじゃなくて、やり遂げた感に浸っているというか。お酒がおいしく体に染みています」
多忙な中でも、体力とメンタルを持続させるために水泳とウォーキングで汗を流し、「お酒がおいしく体に染みる」ご褒美の1日に備える。
「撮影の日数も、昔と比べてタイトになっているじゃないですか。体力がないと本当にやっていけないんですよ。だんだん記憶力も落ちてくるしね(笑)。
だからまずは、健康管理をしっかりしないといけない。連ドラになればなおのこと“絶対に病気しないように、迷惑かけないように”と考えますから。体調が良くないと、自分がやりたいことや伝えたいことが届かないでしょ?
だからプールに行く時間がない時も、撮影の合間に歩くことを心がけています。他にも、できるだけ階段を使うように心がけたり……。やっぱり、何がなくともまずは体力よね!」
水泳が好きすぎるあまり、自分が着たい水着もプロデュース。この日も「いつでも歩けるように」と、スニーカーを履いていた。何事にも真剣に向き合うのが“かたせ流”だ。
「私が水泳を始めたのは、39歳の時。同じ頃、『名探偵キャサリン』シリーズが始まりました。それで言うと、29歳が『極妻』でしょ? 振り返ると、他にも“9 ”がつく年に何かしら変化があったのよね。
かと言って、69歳で特別に何かしようとは思いませんが(笑)、これからも、ご縁や人との出会いを大切にしながら新しい役、幅広い役をやっていきたいです。
若い人たちはドラマを倍速で見るそうだけど、そうはさせないような作品に巡り会えるよう、私自身も精進します」
最後に俳優としてのモットーを聞くと、「役を自分に近づけない」と即答。長年培ってきた矜持を教えてくれた。
「どうやったら役に近づけるのかは考えますが、自分に近づけすぎると、全部私になっちゃうから。最終的に“あ~梨乃さんだったね”となるのはいいけど、はじめから“梨乃さんがやってるのね”となっちゃうのは嫌。私はいろんな役がやりたいの。それをずっと続けていくのが目標かな」
(取材・文/橋本達典)
【第2話】
花屋のバイトを始めた美子(かたせ梨乃)は、採用祝いに“パンケーキデート”を紘(豆原一成)にねだる。渋々ながら、冴(岡田結実)に黙って美子と出かけることにした紘だったが、店に冴が現れ…!?
妻・冴への嫉妬に狂った美子は、特別な御呪いをかけた黄色いバラをプレゼントする。さらに、野村夫婦の喧嘩が再勃発し、美子に最大のチャンスが訪れる…!? 愛にまっすぐな美子の暴走が止まらない!
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