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アイドルという偶像から抜け出すために。滝口ひかりを支える「ファン至上主義」

エンタメ

テレ東プラス

2019.2.22

(前編はこちら)

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アイドルグループ「drop」を卒業したあと、少しのフリー期間を経て、新生アイドル「ゑんら」として復活した滝口ひかり。そのすべてがセルフプロデュース、2000年に一人の美少女は、DIYで「自分の本当にやりたいこと」を作り上げた。最近の滝口といえば、ブログやTwitterからも見て取れる通り、思考を巡らせた分析、時に毒舌なコメントで、新しいキャラクターを確立。「2000年に一人の美少女」を超えて、これから滝口ひかりはどんな活躍を見せてくれるのか。そんな彼女に訊いた、ファンへの想いと、これからの野望。

自分がアイドルのファンだったら、上っ面の発言なんてつまらない


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――ブログを読んでいて感じたのですが、アイドルや芸能人をとりまく現実や、その本質について真正面から書かれていることが、圧倒的にかっこいいと思いました。それから、「八方美人は最高」「SNSでしか言えない人」など、人間の性質についての分析がなされているエントリも多々あって、日々の問い、思考の軌跡が読み取れます。滝口さんのブログって、みんなが言いたいんだけど言えないことを代弁している、そんな場所だと思うんですよね。世の全員に読んでほしい。こちらです。「滝口ひかり(ゑんら)オフィシャルブログ」

滝口:(笑)。分析が好きなのは、経営者をしている父の影響があるかもしれません。ブログには書きたいことを書いていて、自分の書きたいことが書けなくなった時は、芸能界を引退をするって決めています。

――作家さんのセリフじゃないですか。絶対に書き続けてください。

滝口:ありがとうございます(笑)。自由に書くという意味ではやりたいことをやらせてもらっているので、とてもありがたいですね。

――今回、比較するためにいろいろなアイドルさんのブログを読んでみたんですね。そうすると、やはりポジティブなセリフが散見されるわけです。これって、アイドルという偶像のイメージを壊さないように、自分に枷をかけている状態だと思うんですね。滝口さんの場合は、ここまでの知名度を持つアイドルが、ネガティブなことも言えば「好きは好き、嫌いは嫌い」のようなことも言う。その正直さに救われている人もたくさんいるはずです。

滝口:「自分がファンだったらどう思うだろう?」と考えながら書いています。私がアイドルのファンだったら、上っ面というか、ポジティブなことばかり書かれたものを読んでも、つまらないんですよ。嘘のように感じてしまって。

私は自分の本当の気持ちを知ってほしいので、それを伝える方がファンの人も喜んでくれるんじゃないかって、いつも考えます。

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――アイドルの世界は、例えば彼氏がいない/恋愛をしないなど、いくつかの制約、あるいは建前の上で動いていて、その偶像を求めている人に対して「アイドルをする」という、長年の構図があると思うんですね。今それが少しずつ変化している中で、滝口さんは動き方が斬新だし、Twitterでは「滝口ひかりの裏垢」なんてものもある。もしかするとアイドルの過渡期に生まれた、特別な存在なのかなと思います。

滝口:自分としては、あまり考えずラフにやっているんですね。例えば、裏垢があったら楽だなという意識でやっていたのですが、直接的なアカウント名にしたのは、ファンの知らないところで匿名の裏垢が見つかるのって最悪じゃないですか?という思いから。それってファンを裏切っていることになりますよね。だったらもう言っておこうと。

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――ただ一方で、ブログの話にもつながりますが、基本的にはアイドルのブログってつまらないわけで、そのつまらなさっていうのは今の時代において正しいとも思うんですね。フィクショナルな存在にこそ、人は夢を求めると思うので。なので、当たり障りのないことを発信してイメージを守るのは正しい。それを壊そうとしているように見える滝口さんは、そもそも論として、アイドルという枠組みに縛られていない存在なんじゃないですか?

滝口:正直に言うと、アイドルがそんなに好きじゃないです。実際にはアイドルをやっていますが、そもそもキラキラ系じゃないんですよ。グループ自体も「イン・ダーク」みたいな感じなので、一般的なアイドルがやっていることについて納得がいかないというか、「何、この人......」と思って距離を置いてしまいます。自分もつい、やってしまいますが、大量の告知とか、ブランディングもそうですね。

あと、私は阿部真央さんとback numberさんがすごく好きなんですけど、思ったことをはっきり言うようになったのは、彼女たちのファンとして、普段の顔を知りたいと思ったのが理由です。告知だけじゃなくて、もっと普段考えていることを見たいと思っていたので、まず私にできるのは、素の滝口ひかりを発信していくこと。

実は阿部真央さん、ファンクラブのブログで、裏と表があるんですよ。裏では私ほどではないんですけど、しんみりとした内容なんですけど、素顔を見たいファンにとっては嬉しいと思ったんです。back numberさんは謎が多いです。

すべては自分を信じてくれるファンのため 滝口ひかりの原動力

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――お話を伺って、とても正直な方だなと思ったのですが、Twitterでも思ったことをどんどん言っていますよね。SNSってブログよりも多くの人に見られるので、否定的な意見がたくさん来ることもある。そこは気にせずやっていますか。

滝口:全然気にならないです。それで好きじゃないとか、嫌いって言われるのは全然良いんですよ。嫌いになる人はフォローを外せばいい。フォロワー数も気にしないです。興味がなくなったから減ったんだなって。

グループで言うと、SNSで私は思ったことを発信して、妹はアイドルをちゃんとやっているし、みさとはクリエイター感を出しつつ、フォロワー数を気にしている。だから上手くバランスが取れているんだと思います。

――セルフプロデュースのアイドルをいざ始めようとなった時、一からの準備や心の面で言うと決意が必要だと思うんですけど、ニート期間を挟んで、またやってみようと思った一番のきっかけはなんですか?

滝口:卒業ライブをしてから、一ヶ月、一度もTwitterを動かさなかった時期があったんですよ。ファンの人泣いてるのかなと思っちゃって。「ステージに立つ姿が見たいです」といったメッセージも来ていて、かわいそうと思ってしまったんです。それが正直なきっかけ(笑)。

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――滝口さんにはあらゆる大切な局面でファンが登場しますよね。偶像であることが先ではなく、ファンのためにアイドルであり続けている感じ。

滝口:それがないと、もう活動を辞めていますからね。ファンのためにやってるので、私たちを受け入れてくれているファンが付いてきてくれればそれで幸せです。

でも私たまにやりすぎてしまってメンバーに怒られるんです、「ファンのために、発言に気を付けて」って。それで「これの何がいけないのか具体的に説明して」って聞くんです。「影響力」って言われるんですけど、「私はやりたいことをやりたいから、それでどう影響するとか関係ないんだよね。影響する人だけに影響すればいいし」と言い返す。

――これを言われると何も言えなくなる(笑)。

滝口:ちょっと過激に見える発言をした時は、みさとから注意されて「確かに」と思うこともありましたし、妹からは「お前イキんじゃねえよ」って言われて(笑)。

滝口姉妹がヤンキー基質に見えるのであれば、それはたぶんお父さんがヤンキーっぽいからだと思うんですよね......。経営者は言いたいことをはっきり言うので、私たちはそれを小さい頃から見ているから。あと、お父さん以外に怖い人がいないんですよ。だから私、世の中を舐めているんだと思う......。

――そんなことないと思いますよ。怖い人だらけでも嫌ですし。

滝口:だから発言したことに対して怒られても、「別に......」ってなっちゃうんですよ。

――ちなみにお父様は滝口さんのTwitter見られているんですか?

滝口:毎日チェックしています。たぶんお父さんは私のキャラがそれで確立されてると知っているので何も言ってこないんですけど、妹が尖った発言をすると怒る。

私にできるのは形として残るものを作ること。例えば本とか。

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――2000年に一人の美少女から、ニート生活、そして現在の本質(毒舌)キャラと紆余曲折を経ていく中で感じることはいろいろあったんだろうなと思うのですか、実際にはどうですか。

滝口:やっぱり、忙しい時期って気が付けないんです。自分が充実していることに気が付けない。こんなことを言ったらあれですけど、昔、テレビがすごく嫌いだったんですよ。それで何も分からないままゴールデンにたくさん出ることになるんですけど、なんのために働いているんだろうって思っちゃって。

――だから、そうではない場所でやっていきたくて、セルフプロデュースを始めようと思ったんですね。

滝口:私はメディア受けするタイプじゃないというのが自分でも分かっているので、Twitterやブログで書いていることを全国の地上波で言っても、面白くないんですよ。

一部の人は面白がってくれるかもしれないけど、盛り上がらない。私の狙うべきところはそこではなくて、たぶん形に残るものを作ることです。本とか。売れて印税生活をしたい。

――貧乏キャラ※から印税キャラに(笑)。
※テレビ番組で「実家が極貧」として取り上げられた。

滝口:ものを書くのは好きなんです。中学生の頃から短編小説を書いていて、それって全部クラスの誰と誰が付き合ったらという妄想なんですけど(笑)、ほかにも日記を書いたりとか。

――現状、アイドルというシステムの中での、亜種のキャラクターなので、これからも正直な言葉でどんどん発信してもらいたいです。一方で、この姿が完成形なのか、こうやって生きていきたい、という野望があるのか気になります。

滝口:窮屈になってしまった時に、芸能界しかないと思うときつくなってくるので、別にこれで食べていく気はないと思ってこの活動をしていて。他に選択肢はあるし、辞めたら学校に戻って保育士を目指そうという感じでやっているんですね。

今は満足しているので、これからも好きなことをやっていくというスタンスなんですけど、上手くいかなくなったら、辞めてもいいやと思っています。誰かに何かをやらされるというのが一番つらいので。よくやっていますよね......みなさん。

私はすぐに動きたいので、外部からの制約があると嫌なんだって前のグループで気付きました。意思決定が遅いとイライラしちゃうんですね。性格上、せっかちなので。

これからはエッセイを出してみたいし、今年は滝口ひかりという個を出していこうと思うので、ロフトでファンの方が私の話を聞きながら、飲み食いをするイベントをやります。マネージャーさんとしては、私が何を言うか、冷や冷やしてると思いますけど(笑)。

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<プロフィール>
滝口ひかり
千葉県出身。芸能界入り前は保育士を目指していたが、男性ファッション雑誌『Samurai ELO』のスタッフに街中で声をかけられ雑誌にスナップが掲載。その後、2014年8月30日より、日本ツインテール協会のアイドルグループ「drop」に加入、同年『週刊プレイボーイ』の読者投票でグランプリを獲得。「2000年に1人の美少女」というキャッチフレーズで人気に。drop卒業後、セルフプロデュースユニット『ゑんら』を結成し、活躍中。
Twitter:@wyenra_hikari
Instagram:@takiguchi_hikari

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