太宰治が原稿料も預けたうなぎ屋・国分寺「若松屋」<読むテレ東オリジナル>
太宰治と「若松屋」
木村「ここが、若松屋さんです!」
草彅「初めて来ましたけど、入口にある『太宰治ゆかりの店』と描かれている木の看板がすごく良いですね~!!」

む、泳いでるウナギと目が合っちゃいました…。お店のうなぎは、いつも新鮮なウナギさんなんですね~
女将「いらっしゃい~」
木村「こんにちは~。いつもお世話になってます!」
草彅「木村さんは『若松屋』さんにはしょっちゅう来られてるんですか?」
木村「『太宰治検定』の打ち上げとか、撮影などでも協力していただいています。女将さんとはプライベートでも飲みに行ってるんです。先日はTV番組の収録で又吉直樹さんと来ましたね〜」
カウンターの中にいるのが女将の小川優美子さん。なんと、木村さんと女将さんは飲み友達でした。さらに『火花』で芥川賞を受賞した又吉さんも『若松屋』の大ファンだとか!? 又吉さんといえば、大の太宰治好きとして知られていますが、「モグリなんかじゃないかって噂になってたよ」というエッセイまで書き残しているほどのガチの『若松屋』ファン。店内にも写真がたくさんありました。
草彅「じゃ、早速注文を…。太宰がいつも食べていたのはどんなものなのですか?」
女将「太宰さんはお酒をメインに飲みに来て、肝焼きとかをつまみにしていた感じですね。『メリイクリスマス』という小説には、主人公が小串を3つで日本酒を飲んでいる様子が描かれています」
草彅「めっちゃ美味しそうですね〜。でも収録なのでお酒を我慢して、ここは大串とお茶でお願いします」
木村「私も同じので! ご飯少なめで」
草彅「けっこう呑みメニューも多いですよねぇ〜」
女将「そうそう、うち、お酒好きなお客さんも多いからうなぎ以外のメニューも充実しているのよ」
草彅「(ぐぐっ…、ヨダレが止まらない)」
するとナギさんがおもむろに立ち上がります。



草彅「ちょ!! この書棚はすごいですね・・。太宰関連の書籍がずらりですよ!」
木村「ふふふ、流石ですね。娘さんの津島佑子さんや太田治子さんの本など、関連本も多数置いてあります」
草彅「門人の小山清の本あるなんて渋すぎですよ!! 夕張炭鉱で働いていた不遇な作家で太宰治について書かれた『風貌』がいいんですよ〜」
木村「店に掲げられている太宰の写真が素晴らしいですよね。この新聞記事のスクラップも貴重ですよね」
津島佑子
太田治子
小山清
そろそろうなぎが焼けてきました!!
若大将が焼いてくれています。ガスを使わず、すべて炭火で焼いているそうです。

こちらが大串重(お新香・肝吸付き)3,500円!!
うなぎを丸ごと1匹使っているそうです。豪華!
うなぎ、うまー!!
お二人とも無心で、食べています。
草彅「あっという間に完食してしまいましたね」
木村「フゥ…、肝吸い最高ですね」
草彅「ところで、木村さんはどうして太宰にはまったんですか?なにか、きっかけがあったとか…?」
木村さん「もともと読んではいたんですけど、すごいはまるっていうかんじではなくて。でも、大学受験で落ちた時に『人間失格』を読んで、励まされたんです。
『人間失格』(青空文庫)
東京に合格発表見に来たら全滅で、はぁぁーー、と。初めて人生の挫折を味わって。これからどうして生きていこう…なんて絶望しながら歩いていたら、自分ひとりが世界から取り残されたような気持ちになっちゃって、たまらなくなって、「もうやだー!」って逃げ込んだのが、たまたま古本屋さんだったんです。そしたら一冊の本が目に止まって。それが『人間失格』だったんです。なんていうか…その本だけ光って見えて(笑)。で、買って帰って、新幹線の中で読んでたら、あれ、なんか、まだ全然私いけるじゃん、みたいな気持ちになって。そういう意味で、希望として読めたんですね。そこからどんどんはまっていったんです。」
草彅「太宰は人間の弱い部分を描いてくれているような気がしますものね。本来文学ってそういう感じしますし」
木村「うん。落ち込んだ時にあえて暗い曲聴くみたいな(笑)」
草彅「わかります、わかります」