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創業200年以上の老舗でハンガリー人女性が「羊羹作り」を体験!美しい錦玉羹も:世界!ニッポン行きたい人応援団

ライフ

テレ東

2021.8.2 世界!ニッポン行きたい人応援団

ニッポンに行きたくてたまらない外国人を世界で大捜索! ニッポン愛がスゴすぎる外国人をご招待する「世界!ニッポン行きたい人応援団」(月曜夜8時~。※8月2日(月)は夜6時25分放送)。毎回ニッポンを愛する外国人たちの熱い想いを紹介し、感動を巻き起こしています。

今回は「ニッポンにご招待したら人生が変わっちゃった! 感謝のビデオレターが届いちゃいましたスペシャル」をお届けします。

江戸時代から変わらず受け継がれてきた、伝統的な羊羹作り


紹介するのは、ハンガリー南部の町・ペーチに住む、羊羹を愛するマリアンさん。

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マリアンさんは、10年前から始めた茶道がきっかけで、様々なお茶菓子を独学で作るようになり、ご主人がパリから取り寄せてくれた「とらや」の羊羹を食べて以来、羊羹が大好きになったそう。

羊羹は、室町時代後期から500年以上に渡りニッポンで親しまれる、和菓子の代表格。手土産として人気がある一方、保存期間が長いことから非常食としても注目を集めています。
鎌倉時代、羊の汁物が日本に伝わった際、それが冷えて固まった煮こごりをおかずにしたのが始まり。その後、豆で代用するようになり、砂糖が加わり、お菓子として食べるようになったのです。

早速、羊羹を作ってもらうことに。まず取り出したのは、昨日から10時間水に漬けておいた小豆。豆を新鮮に保つために、なんと、夜中の2時、朝の5時、そして午前中にも水を換えたそう。
この小豆をアクを取りながら中火で茹でること45分。取り出して固さを確認するとまだ固いようですが、この時点ですでに夜の9時。柔らかくなるまで時間がかかりそうなので、夜の間に茹でておいてもらうことに。翌日、作業を再開。夜中の12時半まで煮込み、ちょうどいい柔らかさになった小豆を潰して濾し、布に包んで水気を絞ります。そこに砂糖を加え、煮詰めて固さがでたら餡の完成。続いて、お湯に溶かした寒天に餡を混ぜて型に流し、冷蔵庫で冷やすこと1時間。2日がかりで羊羹が出来上がりました。

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ニッポンにはまだ一度も行ったことがなく「いつかニッポンで、本物の羊羹と食べ比べてみたいです」というマリアンさんを、約1年半前、ニッポンにご招待!

向かったのは、東京・赤坂にある「とらや」赤坂店。創業約500年、長く皇室の菓子御用を務めていた名店です。店内に案内されたマリアンさんは、「ティールーム! わぁきれい!」と大感激。店長・玉井峰子さんに、「とらや」の羊羹に出会ったことで羊羹を作るようになり、ニッポンに招待してもらえた感謝を伝えます。「私たちもその話を聞いてすごく嬉しかったです」と玉井さん。定番の「夜の梅」をはじめ、赤坂店限定・虎柄の羊羹や、季節限定の華やかなものまで7種の羊羹を通訳の女性と2人で完食しました。


次に向かったのは、福島県二本松市で江戸後期に創業し、200年以上愛され続ける「玉嶋屋」。江戸時代から受け継がれる製法を守り、全国菓子大博覧会の最高賞「名誉総裁賞」に輝いた羊羹の名店です。
かつて二本松藩の殿様にも献上された「本練羊羹」は、外はシャリッと中はなめらか。

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八代目・和田雅孝さんによると、これが昔ながらの羊羹で、江戸時代は羊羹を保護する方法がなかったため、表面の砂糖が中身を保護していたそう。現在はアルミなどの真空パックが主流ですが、「玉嶋屋」は羊羹を竹の皮で直に包む昔ながらのスタイル。空気に触れて結晶化した糖分にコーティングされ、中はしっとり、風味も損なわれないのです。今は賞味期限を設定していますが、江戸時代は1年以上持つお菓子として、参勤交代のお供にも重宝したのだとか。「自然の力をそのまま使って伝統を守っていらっしゃるのは、とても素晴らしいことだと思います」とマリアンさん。

味と品質で、日本一の評価を受けた「玉嶋屋」の羊羹。特別にその製法を見せていただくことに。店の奥にある工場で、職人さんたちが釜で羊羹を炊いていました。「玉嶋屋」では昔ながらの製法にこだわり、ガスではなく薪で火を焚いています。味を守るため、昔とやり方を変えないのがこだわり。
原材料も昔と変えず、小豆と砂糖、寒天のみ。まずは、一晩水に漬けた寒天をお湯で溶かします。ハンガリーでは手に入りにくいという寒天は、江戸時代にニッポンで生まれた食材。原料は海藻ですが、長野県茅野など、気温が氷点下になる内陸の寒冷地で生産されます。テングサなどを煮詰めて固めたところてんを、約2週間天日干し。冷凍と解凍を繰り返して完全に水分が抜けると、食物繊維が豊富で独特の歯触りが楽しめる保存食に。この寒天によって、羊羹に欠かせない弾力と透明感が生まれるのです。

寒天が溶けたら、すぐさま砂糖を投入。グラニュー糖と上白糖をミックスし、キレのある甘みとしっとり感のバランスをとっています。砂糖が完全に溶けて沸騰したら、ふるいで漉して寒天の細かいカスを取り除きます。
そして、ここからが羊羹作りの真髄! 樹齢20年以上のナラの木を乾燥させた薪を追加し、火力を一気に上げ......小豆の水分を絞りとった「呉(ご)」と呼ばれる生餡を入れ、焦げつかないよう「閻魔べら」と呼ばれる巨大なへらで11キロもの羊羹を練り上げていきます。大きなへらを使うことで手数を減らし、小豆のダメージを少なくしているのです。

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強火で炊くことで小豆の風味が残り、甘さがあっさり仕上がるそう。「玉嶋屋」の味は、ガスより強い薪の火力なくしては作れないのだとか。
気温や湿度によって変わる羊羹の状態を見ながら、練ること20分。職人さんがしっかり練り上げた羊羹は、すべての材料が一体となり、ツヤとなめらかさが出ています。ここでマリアンさんも、少ない量で挑戦させていただけることに。へらを立てた状態で、全体に回るように混ぜていきます。初めての体験に「香りがたまりません! 羊羹の蒸気を浴びるのは最高です」と、うっとり。

練り上げた羊羹が固まる前に、木枠に漆を塗った型に流します。この型は代々受け継がれるもので、適度に水分を保持してくれるそう。「昔の日本人の知恵ですね。とても興味深いです」。
一晩置き、固まった羊羹を型から出して切っていきます。一つ230グラムになるように切り分けないといけないのですが、ここにも細やかな職人技が! 型に流した時点で羊羹の高さが微妙に違うため、0.1ミリ単位で切る厚みを微調整し、同じ重さにしているのです。切り立ての羊羹を試食したマリアンさんは「味も口当たりも素晴らしいです! もうここに住みたいぐらい!」と大絶賛。雅孝さんも「嬉しいです!」と思わず笑顔に。

切り分けられた羊羹を乾燥しないうちに殺菌効果がある竹の皮で包んでいきます。竹の皮には適度な通気性があり、1日経てば表面が糖化して砂糖の結晶ができます。「玉嶋屋」では今も昔と変わらず、1日に120本、職人さんが心をこめて手作業で包んでいます。

実は「玉嶋屋」から全国に広まった羊羹があるそう。それは、ゴムの容器に入った「玉羊羹」。熱々の羊羹を機械に入れ、固まらないうちに、二人一組で水風船のように詰めていきます。今から84年前、戦地の兵隊に羊羹を届けたいという県知事からの依頼で先々代が考案。これがのちに大ヒット商品となり、全国各地に広まったといいます。玉羊羹を初めていただくマリアンさんは、爪楊枝を刺してゴム容器を割るのも初挑戦。中身が転がり落ちそうになるハプニングもありましたが、初めて食べるつるりとした食感を楽しみました。

その夜、雅孝さん一家が歓迎会を開いてくださいました。テーブルには、奥さんの典子さんが作った福島の郷土料理が並びます。お祭りや正月に作る具沢山の汁物「ざくざく」や「いかにんじん」などに舌鼓を打ち、薪を焚いた後の炭を再利用し、七輪で香ばしく焼いた焼きおにぎりも堪能。雅孝さんの母・光子さんにニッポン滞在の感想を聞かれると、「すべてが興味深く、すべてが美しいです。大好きな日本映画の中に自分が迷い込んだ気分です」。

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別れの時。貴重な経験をさせていただいた感謝を伝えると雅孝さんから「これからも羊羹作りを頑張ってください」と羊羹の型のプレゼントが! 感激したマリアンさんは、いただいた型で作った羊羹の写真を送ることを約束し、「どうかこの先も、この美しいお仕事が何世代も続きますよう願っております」と涙を浮かべながら思いを伝えました。

あれから約1年半、「玉嶋屋」の皆さんの元にビデオレターを届けます。

「お招きいただいた数日間は、自分がさらに成長できた経験だったので感謝しています」。特に思い出に残っているのは皆さんと夕食を食べたことで、中でもハンガリーのグヤーシュという料理に似た「ざくざく」が印象的だったそう。「野菜とかの旨味の出汁が美味しいと感じるのは、(日本もハンガリーも)同じなんだなと思いました」と典子さん。

ニッポンで学んだことを活かした羊羹作りを披露します。前日から水に浸しておいた小豆を45分茹で、煮上がった小豆を潰して漉して水分を絞り、餡が完成。続いて水に30分漬けた寒天を溶かし、なめらかになってきたら砂糖を加えます。餡を入れて練り上げの作業をする時は、「玉嶋屋」で挑戦させていただいた閻魔べらで混ぜる作業を思い浮かべているそう。「大きな鍋で大きくかき混ぜる、そのイメージでいつもやっています」。
最後は型に流しこみ、一晩寝かせて完成です。雅孝さんは「小豆から作っているからすごいなと思う」と感心。ここで、マリアンさんから送られた羊羹を皆さんに試食していただきます。「立派な羊羹だと思います」「ちょっと寒天が効いていて、固さとしてはこの固さでいいと思います」と雅孝さん。味の感想を直接伝えていただくため、遠く離れたハンガリーとニッポンの絆をもう一度結びました!

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1年半ぶりの再会を喜び合い、雅孝さんが「小豆の風味もあって、ちゃんと美味しく食べさせていただきました」と感想を伝えると、「ありがとうございます。教えていただいたおかげです」とマリアンさん。塩を少し入れるとさらに美味しくなると、アドバイスもいただきました。「羊羹を広めていただけると本当に嬉しいです」という雅孝さんに、「みんなに知ってもらえるように頑張ります」と意気込むマリアンさんでした。

松江の名店で技術を学び、錦玉羹が驚くべき進化を遂げた!


マリアンさん、実は錦玉羹(きんぎょくかん)を使った羊羹にも興味を持っていました。錦玉羹とは、寒天と砂糖で作る透明感のある和菓子で、羊羹と合わせて季節感を表現したもの。マリアンさんもハンガリーで錦玉羹作りに挑戦していましたが、層がうまくくっつかないなど、分からない点があるそう。

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そこで訪れたのは島根県松江市。城下町として発展し、全国でも有数の茶の湯文化が根づく街です。お茶とともに出す和菓子作りが江戸時代から盛んで、今も和菓子店が多く、京都、金沢と並ぶ日本三大菓子処といわれています。中でも季節ごとに作られる、羊羹と錦玉羹を合わせた美しい和菓子に定評がある、創業146年の名店「彩雲堂」が、マリアンさんを快く受け入れてくださいました。

この日、特別に作っていただくのは、下が羊羹、上が錦玉羹の二層のお菓子。中には、季節の装飾を散りばめます。
まずは、錦玉羹作り。銅鍋で寒天を溶かし、純度の高い白ザラ糖を加え、糖度計で糖度を測ります。異なる層を一体化させるには、糖度を合わせることが基本なのだそう。マリアンさんの錦玉羹の層が剝がれたのは、糖度が合っていなかったためだったのです。
続いては、土台となる羊羹作り。白餡を使用し、糖度を錦玉羹と合わせます。季節の装飾は、食紅をまぜた羊羹を型に薄く流し、固めたものを使用します。基本の黒・赤・緑・黄・青を調合することで、あらゆる色を作り出せるそう。
朱色の羊羹で水玉を作り、その上から白い羊羹をかけて固め、型で抜くと夏を表現するまだら模様の金魚に! 種落としという道具を使い、錦玉羹を薄く流し......そこに夏のモチーフを並べ、最後に土台の羊羹を流します。
翌日、仕上がりを見たマリアンさんは「まるで水の中を見ているみたいです」と絶賛! 夏の水辺の涼やかさ、色とりどりの金魚が泳ぐ様子が表現されています。

マリアンさんも、錦玉羹を使ったお菓子作りに挑戦させていただきました。1時間がかりで作ったのは、ニッポンの春を二色の桜と蝶で表現した「春風」。「現代の名工」に選ばれた和菓子職人・大江克之さんにも「うまくできましたね!」と褒めていただきました。

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ここで、社長の山口周平さんが歓迎のお茶会を開いてくださることに。ハンガリーで裏千家の茶道を習い、羊羹と出会ったマリアンさんにとって、ニッポンで本物の茶会を体験することは長年の夢。

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会長の美紀さんに用意していただいた着物をまとい、お茶会が始まると、出されたのはマリアンさんのお菓子「春風」! 「もうすぐにでもお店で販売したいぐらい」と周平さん。お点前をお茶の先生に見ていただくと、「大変おいしゅうございます」とお褒めの言葉が。「この出会いは一期一会だと思います。ハンガリーにいらっしゃることがあれば、一緒にお茶会をさせてください。もっともっと努力しておいしい和菓子を出せるように頑張ります」とマリアンさん。周平さんからも「ぜひ行きましょう!」というお言葉をいただきました。

別れの時。「すごくしっかり勉強していることがよくわかりましたし、私どもは一生忘れないと思います」と周平さん。糖度計をプレゼントしていただき、「ありがとうございます! これを持っていたらプロの職人みたいです」と大感激のマリアンさんでした。

あれから約1年半。ビデオレターを「彩雲堂」の皆さんの元に届けます。周平さんによると、マリアンさんが考案した「春風」を販売したところ、なんと1000本も売れたとか。

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「彩雲堂」でかけがえのない経験ができた感謝を伝えるマリアンさん。早速、錦玉羹作りを見ていただくことに。
糖度計で糖度を測り、黄色い金魚を作って金箔をあしらい、青い錦玉羹を流し込みます。その手際の良さに「うちの職人よりも凝ったことをしている」と驚く周平さん。翌日、型から取り出した錦玉羹は、層が剥がれることなく、きれいに固まっていました。ここで、マリアンさんから送られたこの錦玉羹を、若い職人さんたちに食べていただくと、皆さん大絶賛! 周平さんは「ニッポンに来た時より、数段腕を上げられたなという感じを受けました」と感動します。


「ハンガリーの皆さんに羊羹の美味しさを伝えていきたいと思っています。近い将来、またお会いできることを期待しています」。

マリアンさんをニッポンにご招待したら、羊羹と錦玉羹作りの腕を上げ、その魅力をハンガリーに伝えたいという夢を抱いていました!

※このページの掲載内容は、更新当時の情報です。
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世界で「ニッポンに行きたくて行きたくてたまらない」と願う外国人を探し出し、彼らの熱い想いを取材。彼らの夢~日本で●●したい~を応援するためご招待しようというのが、この番組。彼らが日本でどんな夢を叶えるのか?

放送日時:テレビ東京系列 毎週月曜 夜8時放送

出演者

織田信成、高橋茂雄、眞鍋かをり 【ナレーター】増田明美

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