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テレ東プラス
夏の風物詩(?)ともいえるゴキブリ。その姿はテカテカと黒光りし、大きな触角をなびかせながら素早く移動、予測できない動きをし、多くの人々のトラウマになりかねない。
漫画やアニメでは「G」と呼ばれ、最近のコンプライアンス事情でモザイク処理がかかることも...。その姿は、もはや人々の恐怖の対象となっている。
そんなゴキブリについて克明に書かれた書籍「ゴキブリ研究はじめました」(柳澤静磨著 イースト・プレス刊)が7月7日(木)に発売。著者で、現在「磐田市竜洋昆虫自然観察公園」に勤務する柳澤静磨さんは、35年ぶりに国内でゴキブリの新種を発見した"ゴキブリ研究者"だ。
本にはゴキブリ嫌いだった柳澤さんがゴキブリの道を歩み始めた経緯や、ゴキブリの都市伝説、新種発見、はたまたゴキブリの味まで、ゴキブリ奮闘記が実に淡々と描かれている。
今回「テレ東プラス」は、そんな柳澤さんにリモートインタビュー! 前編では、柳澤さんの幼少期からゴキブリに興味を持つようになった経緯、ゴキブリの捕まえ方まで話を聞いたが、後編では、ゴキブリにまつわる都市伝説からゴキブリの味、ゴキブリ総選挙にいたるまで...ゴキブリスト・柳澤さんをさらに深掘りする!
「ゴキブリは1匹いたら100匹いる」は本当か?
――前編でも紹介しましたが、自宅で数万匹ものゴキブリを飼っている柳澤さん。家に友人が遊びに来た際、衝撃を受けることはないのでしょうか?
「僕の友人は、普通じゃないというか(笑)、生き物が好きな人ばかりなんですよ。僕が自宅でゴキブリをたくさん飼っていることも知っていますし、みんな普通にご飯を食べていきます。ゴキブリの飼育は大変なので、友人が来た時は、いろいろ手伝ってもらうこともありますね」
――柳澤さんはご結婚もされています。奥さまも抵抗がないということで...?
「自然環境を学ぶ同じ専門学校に通っていたので、妻も元々生き物が好き。僕が昆虫採集していることも知っていましたし、とても理解のある奥さんです。ただ、台所に出るテラテラしたゴキブリはダメだと思いますけど(笑)」
――柳澤さんにとっては最高の奥様なのですね! 著書には、ゴキブリの生態から都市伝説、魅力はもちろん標本の作り方まで、柳澤さんのゴキブリに対する並々ならぬ想いがつづられています。中でも衝撃を受けたのが、「ゴキブリを食べてみた」という事実!
「僕が勤務する昆虫館で昆虫展を企画した際、昆虫の"食べ方と味"を展示しようということになったんです。ちょっと新しい昆虫の見せ方をしようと思って...。リストアップした30種類くらいの虫を全部食べましたが、その中の2種類がゴキブリでした。マダガスカルゴキブリとオオゴキブリ...」
――オオゴキブリは「臭みがなく、香ばしくて結構イケます」と書いてありました(笑)。
「そうなんです。焼いて食べると意外と香ばしくて...おそらく外骨格という硬い部分の味です。ちょっとあった苦みは、中身の味だと思いますが、変な匂いもしませんでしたし、悪くはありませんでした(笑)。
ただ、食べたら急に喉が痛くなり、"何だろう?"と思っていたら、今度は腫れて、胸や胃まで痛くなってきたんです。早退し、一日苦しんだ翌日、無事に回復しましたが、実は僕...ゴキブリアレルギーだったんです!」
――なんと! それではもう二度、ゴキブリを食べることはできないんですね?
「はい...命にかかわるので(笑)」▲昆虫採集に励む柳澤さん