ゴキブリ研究者に聞く<Gにまつわる都市伝説>1匹見つけたら100匹いる説はホント?

――ゴキブリって、どんなものを食べるんですか?

「雑食性なので、何でも食べますよ。野外だと落ち葉や朽木、樹液や花の蜜など、いろいろなものを食べています。しっかりしたアゴがついていて、硬い果物や本の背表紙、髪の毛なんかも食べちゃいます」

――ゴキブリが苦手な読者のために、ぜひとも伺いたいのですが、ゴキブリと出会わない方法はあるのでしょうか?

「僕は駆除の専門ではないので、その方法をしっかり教えることはできませんが、ゴキブリはジメジメして暗くて狭い場所が大好きなんですね。家にいるゴキブリは外から入ってくる場合と、すでに住み着いていて増えているパターンがあります。野外から入ってくることを避けるのは難しいので、家に定着させないこと。そのためには、ゴキブリが好みそうな場所を常に清潔にしておくことが一番だと思います」

――著書では、誰もが気になる「ゴキブリ都市伝説」も登場しますが、その中の1つ、「ゴキブリは1匹いたら100匹いる」は本当ですか?

「これは“そうとも限らない”というのが僕の答えです。たしかに屋内で繁殖している場合は、100匹以上いる可能性もあります。頻繁に見る場合は、駆除業者に連絡するのがいいでしょう。しかし、ゴキブリは居心地の良い場所やエサを求めてさまざまな場所を動き回るので、たまたま1匹だけが屋内に侵入することも少なくありません」

――そうなんですね! その他の気になる「ゴキブリ都市伝説」は、ぜひ書籍で確認を! 読めばきっと多くの読者が安堵できるはずです(笑)。
ところで、「磐田市竜洋昆虫自然観察公園」で毎年開催している「ゴキブリ展」では、総選挙も行っているそうですね?


「はい! GKB48総選挙と言います。会場に48種類のゴキブリを展示し、入園時に投票権を配ります。自分の“推しゴキブリ”に投票していただき、上位7位までは神セブンとして、ゴキブリ展が終わった後も展示、1位のゴキブリは卒業となります(笑)。今年の総選挙はもう終わってしまいましたが、5000票以上集まりました」


――この夏、ゴキブリに対する価値観が変わりそうな1冊ですが、改めて、「ゴキブリ研究はじめました」をどのように楽しんでほしいですか?

「僕も以前はゴキブリが大嫌いでした。ですから、僕の体験を通して、皆さんにゴキブリに対する理解を深めていただき、新しい見方を発見してもらえたらいいなと思います。
嫌いな方にこそ読んでいただきたいですし、ゴキブリのことを知ってほしいですね。
クロゴキブリやチャバネゴキブリ以外にも、“こんなにキレイなゴキブリがいるんだ、全然ゴキブリらしくないじゃん!”ということがわかると思いますし、知れば知るほど驚くことばかりなので、ぜひ1度、読んでみてください」

――最後に…柳澤さんにとってゴキブリとは?

「ゴキブリを通して何かを伝えることを面白いと思っているので、僕にとってゴキブリは相方のような存在です。これからもよろしく!(笑)」

(取材・文/今泉)

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ゴキブリ研究はじめました」(柳澤静麿著 イースト・プレス刊)

【柳澤静麿 プロフィール】
1995年生まれ、東京都出身。幼いころから生き物が好きで、専門学校卒業後は静岡県の昆虫館・磐田市竜洋昆虫自然観察公園に入職。ゴキブリの魅力に気づいた後は同園で『ゴキブリ展』を企画・運営し、「GKB総選挙」などのユニークな催しで注目を集める。
2020年、所属する研究チームとともに、35年ぶりとなる日本産ゴキブリの新種・ウスオビルリゴキブリ、アカボシルリゴキブリの2種を発表。その後、ベニエリルリゴキブリ、イツツボシルリゴキブリ、アカズミゴキブリについても記載を行うなど、ゴキブリ研究を続けている。
企画展示、講演会、SNSやブログを通じ、ゴキブリの魅力、生物保全の重要性について発信を行っている。

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