8月17日 #71 「江戸風鈴々」
夏になるとさわやかな音色が涼感を誘う風鈴。風鈴でも特に有名なのがガラス製の江戸風鈴。江戸風鈴と言えば、江戸川区南篠崎町にある篠原風鈴本舗。篠原風鈴本舗は江戸時代からの風鈴作りの伝統を守り続けている老舗だ。一つ一つガラスを吹いて、玉の内側に顔料で色を重ねて描くのが特徴。全工程が手作業である。
今年、その老舗に四代目が誕生した。24歳の篠原由香利さんだ。幼い頃から風鈴作りを手伝ってきた由香利さんだが、実は、家業を継ぎたいとは思っていなかった。「小説家になりたいと言っていたと思う」と今では笑って語る由香利さん。
そして、家業を継がせることに三代目の篠原裕さんもこだわらなかった。「嫌なものをむりやり引っ張ってやってもいいものできないですよね。いやいや作っていれば、いやいやに見えてしまいう」と振り返る。しかし、由香利さんは次第に風鈴作りにひかれ、四代目を意識するようになって行く。自分のスタイルに沿った、時代に合う風鈴作りのおもしろさを見つけたからだ。
四代目となった今は自分のデザインを次々と具体化していく由香利さん。次ぎなるプロジェクトは、風に揺れる短冊を古い着物の布で作ること。そんな新しい発想を、三代目は歓迎する。「(由香利さんは)今まであった風鈴にちょっと自分のアイデアを加えて、それが結構さっぱりしてセンスよく仕上がっている」と目を細める。
篠原風鈴本舗の四代目になった由香利さんだが、修業はこれから。風鈴の内側に色を重ねていく技術はなんとか体得したものの、ガラスを吹くとなると、まだ 10年はかかるという。技術を磨きながら新しい商品を生み出していく。夏になるとその新しい商品を全国各地の有名百貨店などで展示する由香利さん。一番嬉しいこととは、「新しいものを作って、出した時に、すぐ反応がみられる」こと。四代目の挑戦は始まったばかりだ。