7月25日 #171 「駅前自警団」
2001年6月、東京・世田谷区に民間自警団「明大前ピースメーカーズ」を発足させた男がいる。吉川英治、47歳。元・ボクサーだ。
吉川さんが住む明大前近辺は、コンビニの前でたむろする若者や、マナーの悪い大人が目立っていた。そして何より、痴漢行為が頻繁に起こっていたという。
見て見ぬ振りができない吉川さんは、「道をふさぐな」「ゴミをすてるな」と積極的に注意をしていく。そんな吉川さんの行動は近隣の住民の知るところとなり、「よくやった」と感謝の声があがる。
そして吉川さんは、”人の役に立つのなら”と、自主的にパトロール活動を始め、それが、民間自警団「明大前ピースメーカーズ」の発足へと繋がっていくのだ。
2002年には、駅前に、メンバーの詰め所となる「ピースメーカーズボックス」も設置、民間交番的な役割も果たしてきた。そして、10日に1件の割合で出没報告があった痴漢や露出狂の被害はほぼゼロになったという。
元ボクサーであり、現在は大川ボクシングジムトレーナーとして後輩を育成する吉川さん。
その後輩のひとりであり、吉川さんのパトロールのパートナーでもある三浦毅一さんはこう語る。「ボクシングで培った精神力とか経験というのは、地域のために使わなくては駄目だっていうのは吉川さんも良く仰ることなんです。その通りだと思って。まわりに強い人、優しい人っていうのが本当に強い人なんじゃないかなっていうのはよく考えさせられますね。」
吉川さんは言う、「監視なんかしなくてもいい社会を目指すべきだと思います。防犯パトロールなんていらない社会、文化的で、深くて、人間の心に触れるようなものがどんどん増えていくようにしなくちゃいけない。そのために第一歩にやるべきことは、みんなが挨拶をすることだと信じてます」と。