すなっぷ

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2007

9月26日 #180 「紙芝居参上」


月に一度、上野・下町風俗資料館で開かれている紙芝居上演会。
演じるのは、インターネット関連の事をする24歳の青年、佐々木遊太さん。
この春デビューしたばかりの“紙芝居師”1年生だ。
昭和30年代、都内に3500人いたという紙芝居師。その存在は、ただ物語を
語るだけでなかったはず、と佐々木さんは考える。
「学校でも家庭でもない第三の社会における大人が、勧善懲悪を説くっていう
ことはとても大事。他人の大人、尊敬できる大人の話ってすごい聴くんですよ。」
とは、佐々木さんの弁。  

佐々木さんの師匠は森下正雄さん(84歳)。17年前に喉頭癌を患い声を 失ったが、録音したテープで今も演じ続けている。森下さんが紙芝居を始めたのは終戦の翌年。子どもたちに夢と希望を、と語り続けて60年が過ぎた。
子どもを夢中にさせつつ、物語のテーマをいかに伝えるか
森下さんの指導はとても具体的だ。

仕事場での休憩時間、佐々木さんが欠かさないこと、それは腹の底から声を出すための訓練。声腹筋運動に発声練習だ。

大人と子供の触れ合いの場を作りたい。佐々木さんの思いは膨らむ。
「三人目の尊敬できる大人っていうのは、子供にとって必要だと思うんです。親でも先生でもない人が語るっていうことで、子供たちと盛り上がるなんてとても素敵だし…。一点ものの手描きの絵がどんどんなくなっているっていう現状があって、ちゃんと管理していけるような、そういう何か図書館みたいなものを造れたらなと思います。」

紙芝居の灯を消さないために。子どもたちの瞳を輝かせるために。紙芝居師の挑戦は続く。