日本代表 サウジアラビア戦へ アウェイの鬼門突破なるか【サッカー W杯最終予選】
2024.10.10
サッカー日本代表 PHOTO:Getty Images
サッカーの日本代表が10月10日(日本時間11日未明)、2026年ワールドカップ(W杯)最終予選第3戦でサウジアラビア代表との一戦にアウェイで臨む。
最終予選C組で現在首位に立つ日本だが、2位につけるサウジアラビアとのアウェイでの対戦は過去に白星の例がない。
鬼門突破で15日のホーム埼玉でのオーストラリア代表戦を前に勝ち点を重ねて首位をキープできるか。前半戦のヤマ場を迎えている。
9月に始まったアジア最終予選で日本は中国代表とバーレーン代表にそれぞれ7-0、5-0の連勝でC組首位に立つ。
このまま順調な流れを維持できるかは、今回10月の2連戦次第だろう。6チームずつ3グループに分かれて戦う最終予選では、各組2位以内までが無条件で本大会行きの切符を手にできる。
今回はW杯出場経験のあるサウジアラビアとオーストラリアが相手だ。
2034年W杯招致にも手を挙げるサウジアラビアは、イタリア代表を2021年のEURO(欧州選手権)優勝に導いたロベルト・マンチーニ監督が昨年8月に就任し、3大会連続7度目のW杯出場を目指している。
インテルやマンチェスター・シティなどでも指揮を執った名将の下、初の大会となった今年年明けのアジアカップでは決勝トーナメント1回戦で韓国に延長の末のPK戦で敗れて16強で敗退だった。
今予選ではホームで迎えた9月の初戦でインドネシアに先行を許しながら前半終了間際に追いついて1-1のドロー。
アウェイでの中国との第2戦では、前半半ばに退場者を出しながら2-1の逆転勝ちでスロースタートの印象もあるが、1勝1分けで首位の日本を勝ち点2で追っている。
最新のFIFAランキングでは日本の16位に対して56位。通算対戦成績でも日本の10勝1分け5敗だが、今回の日本とのC組首位攻戦には自信を持って臨んでくるだろう。
というのも、サウジアラビアは本拠地での日本戦では、2006年9月のアジアカップ予選を皮切りに、2018年ロシア大会と2022年カタール大会の最終予選と3戦3勝と強さを誇っている。
今回のサウジアラビアのメンバーには、2022年W杯グループステージ初戦のアルゼンチン代表戦でゴールを決めて勝利に貢献したFWサレー・アルシェフリとMFサレム・アルドサリ、9月の中国戦でCKから2得点したDFハッサン・カッディシュらの名前が並ぶ。
主力の一人であるMFモハメド・カンノは中国戦での乱暴な行為で一発退場となり、出場停止で日本戦には不在だが、中盤での組み立て役の一人、MFアブドゥレラ・アルマルキは健在だ。
暑さとの闘い
これまで日本がサウジアラビアとのアウェイ戦で苦戦してきた要因の一つが、現地の暑さだった。
前回2021年10月のカタールW杯最終予選では、日本は後半半ばまで0⁻0と善戦していたが、71分にミスを突かれて得点を許した。疲れが出始める時間帯に連係のずれを突かれたものだった。
前回の最終予選も指揮を執った森保監督は、「前回も選手たちが非常にいい戦いをしてくれたが、疲労が出てきたなかで一つのミスで決勝点を奪われた」と振り返り、今回の対戦へ「チャレンジをしつつも致命的なミスが起きないように、戦術的にもしっかり準備したい」と述べている。
前回も今回も日本は欧州組が主体のチーム。選手のコンディションが試合の結果を左右する1つの鍵になるのは言うまでもない。
シーズン中で選手のフィットネスそのものに問題はなく、サウジアラビアと欧州はほぼ同じ時間軸にあるため時差の影響も少ない。
だが、日本代表選手の大半がプレーする欧州ではすでに寒さも感じる気候で、気温30度超えの現地とのギャップは大きい。
それに、すり鉢状のスタジアムにホームのファン6万人が入って生じる熱気は、ピッチを覆うように滞留する傾向にある。暑さの影響は今回も避けられない。
地元ファンが詰めかけたアウェイの高揚感に気圧されずに試合に入り、独特の暑さの中で疲労が出始める後半もプレーの強度や集中力を落とさずに戦えるか。選手交代をうまく活用したい。
森保監督は「タフな戦いになる。暑さ対策ができないなかでどう戦うか。いかに自分たちのパフォーマンスを発揮するか」と指摘。「チームとしての戦い方、個々の役割をしっかり整理した中で、個々の選手の持っている力をチームとしてつなぎ合わせて、厳しい戦いを勝ち取れるようにしたい」と語っている。
9月の2連勝のメンバーが中心
今回の日本代表のメンバーは、9月の2連戦を戦った顔ぶれが中心で、新顔は今季途中に広島からイングランド2部のブラックバーンに移籍したFW大橋祐紀と、ケガで不参加になったDF高井幸大(川崎)に代わって緊急招集のDF関根大輝(柏)の2人。
今夏のオリンピックで活躍したMF藤田譲瑠チマ(シントトロイデン)と、スイスでプレーするDF瀬古歩夢(グラスホッパー)が復帰した。
9月の2連戦で採用した3バックの両ウィングで躍動したMF堂安律(フライブルク)、MF三笘薫(ブライトン)をはじめ、MF南野拓実(モナコ)、MF久保建英(レアル・ソシエダ)、MF守田英正(スポルティング)ら馴染みの顔ぶれが揃っている。
所属のリバプールで出場機会が限られているMF遠藤航についても森保監督は、「心配はしていない。これまで素晴らしい経験をして、プレーの判断もいろんな引き出しがある。
それを使ってもらえれば全く問題ない」と全幅の信頼を示した。中盤で相手の攻撃の芽を摘む動きができれば、有利に試合を運ぶことができる。
また、今回は前回2021年のジッダでの対戦では出場停止でピッチに立てなかったMF伊東純也(スタッド・ランス)も今回は出場可能だ。
クラブで同僚のMF中村敬斗とともに好調を維持しており、持ち味のサイドでの仕掛けや突破を発揮できれば、先発でも途中出場でも、相手にとっては嫌な存在となるに違いない。
前回の最終予選を含めて、それぞれの選手の経験値も上がり、前回よりチーム力にも幅がある。粘り強く、そして賢く戦いたい。
取材・文:木ノ原句望