【日本ダービー】2022年ドウデュース 武豊とともに取り戻した最強世代の頂点

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2025.5.31


第89回日本ダービー ドウデュースが優勝 武豊騎手 最年長史上最多6度目の制覇(c)SANKEI

すべてのホースマンの夢と言われている日本ダービー。

そんなビッグレースを史上最多となる6度の制覇を飾った騎手は競馬界のレジェンド・武豊。そんな彼が「しびれるような手応え」を感じたというのが、2022年のダービーを制したドウデュースである。

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これまで武豊を背にダービーを勝った5頭は2歳の秋ごろにデビュー、もしくは3歳になってから武豊と初タッグを組むという馬が多かったが、ドウデュースは2歳夏の小倉でデビュー。

後にセントライト記念を制するガイアフォースとの叩き合いをクビ差制してデビュー勝ちを果たすと、続くアイビーSも追い比べを制して2連勝を飾り、2歳王者決定戦である朝日杯FSへと駒を進めた。

この朝日杯FSと言えば、武豊がデビューから一度も勝っていないことで知られるGⅠ。

彼にとっては鬼門となっていたレースだが、ドウデュースは直線で外に持ち出されると素晴らしい伸びを見せて先に抜け出したセリフォスを交わして完勝。

無傷の3連勝でGⅠホースとなり、武豊に朝日杯FS初制覇をプレゼントした。

2歳王者として武豊とともに迎えた翌年のクラシック戦線。ドウデュースはいきなり苦戦を強いられた。

年明け緒戦となった弥生賞は1番人気に支持されるも、直線であとひと伸びが足りずに2着。初の黒星を喫すると続く皐月賞も1番人気には支持されたが、単勝オッズは3.9倍という低さ。

レースも直線で懸命に追い上げたが、先に抜け出したジオグリフ、後に終生のライバルとなるイクイノックスに届かず3着。

無敗の2歳王者から一転、2連敗で失った3歳最強の座。そしてこんなジンクスがまことしやかに囁かれだした。

「朝日杯FSの勝ち馬はクラシックで勝てない」と。確かに朝日杯FSを制した馬が翌年のクラシックを勝つことは少なく、2000年以降はゼロ。最後にクラシックを制したのは1994年の三冠馬ナリタブライアンまでさかのぼる。

このままでは終われない――逆襲を誓うドウデュースと武豊はその闘志をダービーにぶつけることになる。

レジェンドも舌を巻く「感無量」の走り

そうして迎えた2022年5月29日、第89回日本ダービー。

うだるような暑さの中で行われたパドックでもドウデュースは過度にイレ込むこともなければ、暑さでぐったりすることもなく、凛として周回。

その様子は管理する友道康夫調教師が「古馬のよう」と評するほど、どこか王者の風格を秘めていた。

コロナ禍を越え、久しぶりに大観衆が集まった東京競馬場での一戦。レースがスタートした瞬間、大きな拍手に包まれたが、その中を先頭で走っていったのはデシエルト。

その直後に後の菊花賞馬アスクビクターモアが付け、1番人気のダノンベルーガと皐月賞馬ジオグリフは中団。

そしてイクイノックスは最後方から3番目という極端な位置取りでレースを進めていった。

有力馬がそれぞれの位置でレースをする中、ドウデュースと武豊はイクイノックスの1つ前のグループの後方を追走する形に。

差し届かなかったここ2戦のことを考えるともう少し前に付けた方がよさそうにも思えたが、騎手も馬も信じていた。

「一番強いのは、俺たちだ」と。

そうして迎えた最後の直線。逃げたデシエルトを捕まえて先頭に立ったのはアスクビクターモアだった。

番手からソツのないレースをしていたことでここでも上位に来たが、前半1000mの通過タイムが58秒9というハイペースを追走したツケがここで出たか、次第に脚がいっぱいに。

そこに皐月賞馬ジオグリフ、ダノンベルーガらが迫ってきたが......それ以上の勢いを見せて突き抜けてきた馬がいた。

武豊とドウデュースである。

武豊の左鞭が一発入った瞬間、まるでギアが入ったかのようにスピードを上げたドウデュースは先行した馬たちを一気に飲み込むように伸びていき、外からアスクビクターモアを交わして先頭に立つと、あとは後続を離していくように疾走していく。

先に動いたドウデュースを捕まえようとやってきたのがクリストフ・ルメールとイクイノックス。

ドウデュースのさらに外から伸びてきて馬体を併せようと迫るが、今度は右鞭に持ち替えた武豊がドウデュースを懸命に追う。

レジェンドの懸命な鞭に応えるようにドウデュースもここからもうひと伸びして、イクイノックスを突き放す。

そしてゴール直前、再度左鞭を入れられたことでドウデュースは最後にもう一歩脚を伸ばしてゴール。

迫りくるイクイノックスをクビ差凌いで第92代日本ダービー馬の栄冠をつかんでみせた。

史上最多となる6勝目、2013年のキズナ以来、実に9年ぶりの日本ダービー制覇となった武豊は「感無量」とインタビューで答え、相棒の走りを称えた。

この後ドウデュースは武豊を背に凱旋門賞へ挑み、古馬になるとイクイノックスとの激闘で多くの競馬ファンを沸かせ、有馬記念、天皇賞(秋)、そしてジャパンCを制したスターホースとなり、現役を終えた。

最後まであきらめずに追い続ける不屈の走りは多くのファンの感動を呼んだのは間違いないだろう。

あの激闘のダービーから3年が経ち、迎える2025年のダービー。

史上最多記録を更新する7度目の日本ダービー制覇を狙う武豊はきさらぎ賞勝ち馬のキズナ産駒、サトノシャイニングに騎乗する。ドウデュースとのコンビで見せた不屈の走りを再現できるだろうか。


■文/福嶌 弘


第92回日本ダービー(東京優駿)(GI)枠順
2025年6月1日(日) 2回東京12日 発走時刻:15時40分

枠順 馬名(性齢 騎手名)
1-1 リラエンブレム(牡3 浜中俊)
1-2 ショウヘイ(牡3 C.ルメール)
2-3 エリキング(牡3 川田将雅)
2-4 ドラゴンブースト(牡3 丹内祐次)
3-5 レディネス(牡3 横山典弘)
3-6 ファンダム(牡3 北村宏司)
4-7 ミュージアムマイル(牡3 D.レーン)
4-8 エムズ(牡3 戸崎圭太)
5-9 ジョバンニ(牡3 松山弘平)
5-10 トッピボーン(牡3 岩田望来)
6-11 ニシノエージェント(牡3 津村明秀)
6-12 カラマティアノス(牡3 池添謙一)
7-13 クロワデュノール(牡3 北村友一)
7-14 ホウオウアートマン(牡3 田辺裕信)
7-15 ファウストラーゼン(牡3 M.デムーロ)
8-16 ファイアンクランツ(牡3 佐々木大輔)
8-17 マスカレードボール(牡3 坂井瑠星)
8-18 サトノシャイニング(牡3 武豊)
※出馬表・成績・オッズ等は主催者発表のものと照合してください。



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