【サッカー日本代表】イングランド代表に初勝利の日本代表、W杯へ自信と課題

サッカー

2026.4.2


三笘薫(c)SANKEI

<2026年4月1日(水)国際親善試合 日本 vs イングランド @ロンドン ウェンブリー・スタジアム>

サッカーワールドカップ(W杯)開幕まで約2か月半。大会メンバー決定前最後の強化試合にアウェイで臨んだ日本代表は3月31日(日本時間4月1日)、ロンドンのウェンブリースタジアムで行われたイングランド代表戦に1-0で勝利し、W杯出場国との遠征2連戦を2勝で終了。

森保一監督は「自信になる」としながらも「さらにステップアップが必要」と話して先を見据えている。

FIFAランキング18位の日本に対して、W杯で優勝を目指すイングランドは4位と上位に位置する。

FWハリー・ケイン(バイエルン)、MFデクラン・ライス(アーセナル)、DFジョン・ストーンズ(マンチェスターC)らベテランの主力組が怪我で不在ながら、ボールを保持する時間は長く、後半は猛攻を展開したが、試合を動かしたのは日本だった。

前半23分、ボール奪取から素早い切り替えでカウンター攻撃に転じた。

三笘薫(ブライトン)が日本陣内で相手にプレッシャーをかけてボールを奪ったのを起点に、MF鎌田大地(クリスタル・パレス)、FW上田綺世(フェイノールト)と細かいパスをかわして抜け出すと、スピードに乗ったドリブルで左サイドのMF中村敬斗(スタッド・ランス)へ展開。

中村はサイドを仕掛けてペナルティボックスに切り込むと、ゴール前に駆け上がった三笘に鋭いパスを通し、三笘が右足で合わせてゴールネットに突き刺した。

三笘は「チームとして狙っていた形だった。前半しっかりと1点取れたことで余裕が生まれた」と振り返った。

日本はその後もブロックで守備を固めながら攻守の切り替えの速さを活かして攻撃を仕掛け、得点機も作った。

前半終了前にはMF佐野海舟(マインツ)のスルーパスに上田が反応して足を振ってクロスバーを叩き、後半の序盤にはMF堂安律(フランクフルト)が右アウトサイドから深くまで攻め込んで狙い、70分を前に中村が鎌田のパスを受けてペナルティボックス左から右足で狙ったが、追加点にはならなかった。

約8万人が埋めたホームのウェンブリーで、イングランドは交代を活かして後半反撃。FWドミニク・ソランキ(トットナム)やFWジャロッド・ボーウェン(ウェストハム)ら、FWマーカス・ラシュフォード(バルセロナ)らを次々と投入するとパスがつながるようになった。

さらに、左右に揺さぶりをかけながら、ボーウェンやDFハリー・マグワイア(マンチェスターU)、DFルイス・ホール(ニューカッスル)らが次々と日本ゴールを脅かした。

だが日本はこれをGK鈴木彩艶(パルマ)の好セーブや、MF田中碧(リーズ)やDF菅原由勢(ブレーメン)らの体を張ったディフェンスでしのぎ、4度目の対戦でイングランドから初勝利を手にした。


堂安律(c)SANKEI

選手の入れ替わりに左右されない質

イングランド戦では日本は最大8人まで可能の交代枠で7枠を使い、選手が入れ替わりながらも押し込まれた展開で守備が乱れることはなく、意思統一されたプレーを貫いた。

堂安は「守備の時間が多い展開になったが、W杯を想定するとこういう時間帯もある。メンバーが入れ替わりながら、全員が責任を持ってプレーできた」と言った。

MF鎌田大地(クリスタルパレス)も、「難しい時間帯でも失点せずにゼロで終われた。素晴らしいテストマッチになった」と今回の対戦に手ごたえを示した。

三笘は、「今までの戦い方をすれば勝てる自信はあった」と言い、「メンバーが変わっても、同じような戦い方ができるのは素晴らしい」と話した。

だが同時に「この戦い方を本番でできるかが大事。ここからどれだけ上げられるか」と述べて、W杯までの残された時間でさらにレベルアップを図り、磨きをかけることが不可欠だとしている。


森保一監督(c)SANKEI

森保監督、「さらにステップアップを」

森保監督は、「理想的な展開でなくても、みんなで辛抱強く戦って勝つことを実践した」と述べ、カウンター攻撃での得点にも「いい守備からいい攻撃につなげることを実践して、結果を出してくれた」と評価した。

守備の仕方もスコットランド戦では前線からプレッシャーをかけ、イングランド戦では守備のブロックを作る対応で、それぞれ結果を出した。

また、1トップの両サイド後方でプレーするシャドーの選手起用にも変化を持たせ、イングランド戦では右に伊東を置いて右ウィングバックにMF堂安を起用し、左ではMF三笘とMF中村の組み合わせをシャドーとウィングバックで入れ替えながら試した。

ケガから復帰したDF伊藤洋輝(バイエルン)は第1戦で45分、第2戦で65分間プレーし、ブランクを感じさせない安定感のあるパフォーマンスを見せ、GK鈴木彩艶(パルマ)も鋭い反応で日本の勝利に貢献した。

収穫は多そうだが、イングランド戦の後半半ば以降は押し込まれて防戦一方の展開で、繋ごうとしたボールが相手に渡って攻め込まれ、シュートやCKになる流れを断ち切れなかった。押し込まれた状況からの脱却は、本大会へ改善したいポイントの一つだろう。

森保監督はイングランド戦の勝利は本大会へ向けて「自信になる」としながらも、「このままではダメだと思う。さらにステップアップしたい。どんな戦いでも勝っていけるように力をつけていきたい」と語っている。

8大会連続8度目の出場となる北中米大会で、日本はグループステージF組でオランダと6月14日、チュニジアと20日に対戦し、さらに25日には、欧州予選プレーオフB決勝でポーランドに3-2で破ったスウェーデンと対戦することが決まった。スウェーデンは2018年大会以来で14度目の出場となる。

北中米大会の出場国が出揃う

そのほか、3月31日に行われた欧州予選プレーオフではA決勝でボスニア・ヘルツェゴビナがイタリアと延長1-1の末にPK戦にもつれた接戦を4-1で制して、2014年大会以来2度目の出場を決めた。

W杯4度優勝経験のあるイタリアだが、早い時間に先制したものの前半終了前に退場者を出す苦しい展開になった。後半80分を前に同点ゴールを許すと、延長でも追加点は決められず、突入したPK戦で2人が外して万事休し、3大会ぶりの出場とはならなかった。

欧州予選C決勝ではトルコがコソボを1-0で下し、D決勝ではチェコがデンマークに延長2-2の末のPK戦を3-1で勝利。トルコは2002年以来、チェコは2006年大会以来の出場を決めた。

また、FIFA予選プレーオフ大会では、グラハム・アーノルド監督が率いるイラクがボリビアを2-1で下して40年ぶりとなる出場権を獲得し、コンゴはジャマイカに1-0で勝利し、ザイールとして出場した1974年以来初のW杯の舞台となる。

これで出場48チームが出揃った。2026年北中米大会はカナダ、アメリカ、メキシコで共同開催され、6月11日に開幕し、決勝は7月19日に行われる。