【公式】卓球ジャパン!2022年7月2日OA
7月2日放送の『卓球ジャパン!』は、先週に引き続きWTTコンテンダー ザグレブ<クロアチア/6月13日~19日>の熱戦をピックアップ。
今回は女子シングルス決勝、伊藤美誠(スターツ)対平野美宇(木下グループ)の"みうみま対決"を、元日本代表・藤井寛子さんをゲストに招いてDEEPに掘り下げた。
平野は2回戦で早田ひな(日本生命)との日本人対決を制すと、準々決勝では中国の若手・陳熠にも勝利。「苦しい場面も多かったが本当に粘り強く、気持ちが最後まで切れなかったのが大きい」と藤井さんが語るように我慢のプレーで見事決勝に駒を進めた。
一方の伊藤は4試合を戦って1ゲームを落としただけという堂々たるプレー。しかも大会中に39.4度の発熱(PCR検査は陰性)があった中での勝ち上がりというから驚きだ。
そんな2人の対戦は2019年ジャパントップ12以来でこの時は伊藤が4-1で勝利。また国際大会での通算成績は6勝4敗で伊藤がリードしている。
伊藤にとっては3か月ぶりとなる国際大会、MC平野早矢香は微妙な姿勢の変化に注目した。
「まずひとつはサーブ。前は体全体が相手の方に向いてる場面が多かったが、今回は横向きの角度から出している。また構え方もスタンスは狭めで重心は低め。ラケットの先端がやや上向きの形で構えている」(平野)。
ラケットの先端が上向きになったことについて平野早矢香は「ドライブが多い人は先端が下がるがスマッシュが多い人は先端が上がりやすい。今大会の伊藤選手のプレーは前よりもコンパクトになっていてスマッシュ系のボールが増えている。先端を上げることで前よりもスマッシュ系のボールがやりやすくなってるのでは」とDEEPに分析。
確かに今回の伊藤はミート系の打法が増えていたが、その秘密は微妙な構えの変化にもあったのだ。
今年4月のアジア競技大会代表選考会で優勝するなど好調をキープしている平野美宇もチキータを軸に持ち前の超高速両ハンドで応戦。しかし第1ゲームは伊藤にミドルと両サイドをうまく突かれて苦しい展開になってしまう。
「明らかに一番打ちづらいところを攻めてからの両サイドなので、平野選手としてはどう待って良いかが少し定まってない」(藤井さん)
緩急をつけたプレーで伊藤が第1ゲームを先取した。続く第2ゲームは平野が取り返し、第3ゲームは伊藤が奪取。ゲームカウント2-1と伊藤がリードした第4ゲームも強烈なスマッシュが炸裂した。
5-3の場面では平野の攻撃をブロックしてからの"みまパンチ"で得点。「2球目はまさしく"待ってました!"という感じ」と平野早矢香も感心する伊藤のスマッシュプレーは今まで以上に切れ味抜群だ。
「世界で勝っていくには"これで戦う"という芯になるものが絶対に必要。伊藤選手にしかないものというと一番はミート。ミートで自分らしさを出すことで相手を翻弄して、"伊藤美誠ワールド"を作り上げることができる」と藤井さん。
またスマッシュとともに光ったのがツッツキだ。たとえば第4ゲーム6-6の場面では3球目バックツッツキで平野のオーバーミスを誘ったシーンがあった。
「表ソフトのツッツキは色々な回転が残って単純な下回転じゃない。サーブの回転を変えてツッツキをしており、サーブの回転も残った球が返ってきている」(平野)
「1ゲーム目の最後のほうでもあった。そういうところを見逃さす記憶しておいて、得点がほしいところでうまく使う伊藤の選手の戦術がすばらしい」(藤井さん)
世界を知る2人のレジェンド、そしてMC武井壮も「"ミマピューター"が働いてますね!」と舌を巻く伊藤の緻密なテクニックだ。
第5ゲームは平野が意図的に高いボールを送って伊藤のバックハンドのミスを誘い、10-7とリード。次のプレー、平野はクロスへバックドライブを打つも伊藤にバックハンドでうまく返され得点はならなかった。
それを見た藤井さんが「フォアに1本ストレートへのボールがあったらまた違う。バックからのクロスが多い」と指摘。ハイレベルな要求に「贅沢言うなぁ、厳しい(笑)」と武井もついついツッコミを入れたが、そんな質の高いプレーを求められるのが彼女たちのステージなのだ。
第5ゲームは平野が12-10で取り返したが、続く第6ゲームは11-1の大差で伊藤が取り、3か月ぶりの国際大会で見事優勝を果たした。
スマッシュ、ミート打ちという特長を活かす本来のスタイルに戻りつつ、ツッツキなどでは今までに以上に巧みなプレーで相手を崩した伊藤。パリへ向けて着実に進化を遂げている姿を見せてくれた。「冷静に相手を見ながらプレーしているし、相手との駆け引きの巧さが光った。"伊藤選手はこれだ!"というのを今回思いました」(平野早矢香)。
9月に開催される世界卓球2022での活躍が今から楽しみだ。
また今回の放送から「卓球ジャパン!プレミアムアーカイブス」という秘蔵映像を振り返る新企画がスタート! 第1弾は丹羽孝希(スヴェンソンホールディングス)のスーパープレーを取り上げ、驚きのプレーの連続に「丹羽選手からしか出ないプレーしかない!」と武井も大興奮だった。
「卓球ジャパン!」 BSテレ東で毎週土曜夜10時放送