4月22日放送の「卓球ジャパン!」は、WTTシンガポールスマッシュ2023から水谷隼(2020東京五輪混合ダブルス金メダル)が選ぶ名勝負として、男子シングルス1回戦の張本智和vs向鵬(中国)をDEEP解説した。
【張本智和 vs 向鵬 をDEEP解説!】
向鵬は張本の1歳上の20歳で同世代対決だ。世界ランクでは張本が4位に対して向鵬は31位と格下に見えるが、例によって中国選手の世界ランクはアテにはならない。
世界ランクとは不釣り合いの猛者がうじゃうじゃいるのが中国なのだ。
実際、張本は2022WTTコンテンダーザグレブで向鵬に1-3で敗れている。

向鵬の持ち味は何と言っても強烈なフォアハンド。足を使って動き回ってフォアハンドを打つ様は絶対王者・馬龍(中国)を彷彿とさせる。
プレースタイルだけではなく、体形も、サーブを出すときの姿勢も馬龍によく似ている。
「サーブの待ち方もちょっと馬龍選手に似てる気がするんですけど」(MC武井壮)
「意識しちゃうともうなんかそっくりに見えちゃいますね」(水谷)
これほど似ているというのは偶然ではないだろう。やはり馬龍は中国でも別格の存在なのだ。こうした向鵬に対して、張本がリベンジできるかが見どころ。

張本の得意技はチキータだが、この試合、手元で伸びる向鵬のサーブにミスが出て苦戦を強いられた。
「チキータは基本的にボールを下から上に擦るんですが、伸びて来るボールに対しては上から下にいかないといけない。そこにミスが出ました。チキータ封じのサービスですね」(水谷)
水谷が考える流れが変わった一本は、第3ゲームで張本が7-10と向鵬にゲームポイントを握られた場面だった。
それまで、伸びるサーブあるいはハーフロングのサーブで張本のミスを誘っていた向鵬は、ここで張本のフォア前にサーブを変えた。これを張本がストップレシーブしたところ、向鵬が珍しい台上のツッツキミスをした。
「中国選手といえども隙はある。その隙にしっかり踏み込んで見逃さなかった張本選手がよかった」(水谷)
しかし、次のゲームは向鵬が取ってゲームカウントは2-2となり、最終ゲームへもつれ込んだ。

張本はなんとか向鵬の「チキータ封じサーブ」に対応し、チキータからの展開に持ち込む。他の選手ならチキータできないようなボールでも、張本はチキータできる実力を持っていると水谷。
その理由は、相手のサーブを読む能力なのか、技術レベルなのかとMC平野早矢香に問われた水谷は「技術レベルですね」と即答。
「戦術的な部分はまだまだ未熟な部分がある。戦術の幅が広がったらもっと簡単に勝てるんじゃないかなと思います」(水谷)
張本を賞賛しながらも、更なる高みを期待する水谷だった。

ゲームの後半、張本がチキータで得点すると、水谷がそのチキータをDEEP解説。
張本のチキータは一見同じように見えて実は「速いチキータ」「遅いチキータ」「回転がかかったチキータ」「サイドスピンが入ったチキータ」と様々なものあるという。
最終ゲーム7-5から張本が使ったのは「サイドスピン系で回転が多く遅いチキータ」で、直接相手のミスを誘えるメリットがあるほかに、返されたときに自分が元の位置に戻る時間がありその後のラリーでも得点を狙えるという二段構えになっているという。
このように、得意のチキータを軸に戦う張本だが、平野が注目したのが、ゲーム終盤、向鵬がレシーブでバックドライブをしようとしてネットミスした場面。張本のサーブに強烈なバックスピンがかかっているためだ。
「見た感じでも切れているとわかるんですが、想像以上に切れてるんですよね」(水谷)
直接対戦した水谷ならではの実感溢れるコメントだった。世界トップレベルのチキータを駆使しつつ、強烈なバックスピンで相手にはチキータをさせないサーブで、張本が向鵬に見事リベンジを果たした一戦だった。

