卓球男子元日本代表・上田仁
卓球男子元日本代表の上田仁が8月15日の朝、成田国際空港からドイツに向けて旅立った。
2023-2024シーズン、ヨーロッパ最高峰の卓球プロリーグであるドイツ・ブンデスリーガ男子1部のTSV Badケーニヒスホーフェン(以下、ケーニヒスホーフェン)と契約。
チームのトップスポンサーであるシェークハンズのアンバサダーも務めながら、当初は同チームの開幕戦が行われる8月25日のホームマッチでデビューを飾るはずだった。
ところが今年6月、チームの選手登録ミスが発覚。リーグ側への交渉は実らず、上田は前半戦に出場できなくなって待望のデビューは2024年1月に始まるシーズン後半戦に持ち越された。
これにより急きょ、オーストリア・ブンデスリーガの強豪TTCウィナー・ノイシュタットからチャンピオンズリーグ(CL)前半戦に参戦することとなった上田は、欧州クラブナンバーワンを決めるヨーロッパチャンピオンズリーグ(ECL)の予選リーグにあたる「ステージ1」を戦い、4チームの総当たり戦で1位通過すれば「ステージ2」のECLに進出する。
ECLには昨シーズン、張本智和(智和企画)がノイ・ウルムから出場していた。
急転直下の事態に見舞われた当初はショックを隠しきれなかった。
それでもオーバートレーニング症候群による1年間の休養をはじめ、これまで苦しい局面を何度も乗り越えてきた31歳のベテランは必死に現実と向き合った。
そして、「そもそもドイツ行きを決めたのは『卓球で自分の生き方を表現する』ため。人生には何が起こるかわからない。思い通りにいかないことも覚悟の上での挑戦なので、卓球の神様に試されているのだと思い、逆境を何とかいい方向に変えてチームに貢献していきたい」と自分に言い聞かせるように語っていた。
あれから約2カ月。日本を発つ直前に心境を訪ねたところ、今はオーストリアでプレーできることを好機と捉え、「新しい繋がりもできるし、ヨーロッパの強い選手たちとたくさん試合できるチャンス。結果的に良かった」と話す。
一番の気掛かりだった家族の新生活のことも、「不安はあるけど『濃い一年になりそうだね』って妻とも話して。どうなるか考えても先のことは分からないし、出たとこ勝負じゃないですけど、その時々を楽しめたらいいかなって思ってます」と腹をくくる。
上田はフランクフルト国際空港から陸路でドイツ中央部にあるケーニヒスホーフェンへ向かい、現地到着後は新生活をスタートさせながら練習を再開。9月下旬に控えたチャンピオンズリーグのデビュー戦に向けて準備を進める。
生活拠点はケーニヒスホーフェンに置き、チャンピオンズリーグの試合が行われるオーストリア他、ヨーロッパ各地へ出向く形だ。
残暑厳しい日本から一転、すでに秋が訪れつつあるドイツは気温20度を下回る日も少なくない。
上田も「まずはコンディションをちゃんと整えて、あとは新たな環境に慣れていくだけ」と話す。そして、「ヨーロッパに住んでいろんなチームや人とコミュニケーションが増えるのが楽しみ。人間的に成長できるだろうし、間違いなく人生観は広がると思います」と期待を口にし、笑顔で日本を後にした。
頑張れ、上田仁!
(文=高樹ミナ)
ドイツへ行ってきます
-- 上田仁 /JIN UEDA (@Ueda1210JIN) August 15, 2023
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