
左から早田ひな、伊藤美誠、張本美和 Photo:World Table Tennis
2021年にスタートしたWTT(ワールド テーブルテニス)シリーズの日本初開催「WTT女子ファイナルズ名古屋2023」<12月15~17日/名古屋金城ふ頭アリーナ>が開幕。
3日間で実施されるのは女子シングルスと女子ダブルスの2種目。シングルスは世界ランク上位16人、ダブルスは上位8組しかエントリーできない正真正銘の年間チャンピオン決定戦である。
日本からは世界ランク5位の早田ひな(日本生命)、同10位の伊藤美誠(スターツ)、同14位の張本美和(木下アカデミー)がシングルスに出場。
木原美悠/長﨑美柚(木下グループ)は女子ダブルス世界ランク7位でダブルスのみに出場する。
13日に行われた組み合わせ抽選会で、日本女子のエース早田は東京オリンピック金メダルの陳夢(中国/世界ランク3位)と初戦で対戦することとなった。
いきなり強敵が相手の上に、早田はこれまで陳夢と6戦して一度も勝ったことがない。
だが、直近の対戦である今年4月のWTTチャンピオンズ新郷では女子シングルス準々決勝でフルゲームにもつれ込み、最終の第5ゲームは11-13まで陳夢を追い詰めた。
それだけに早田が大金星を挙げる可能性もあると言っていいだろう。

陳夢に関して、「(先週の)混合団体で試合を見た時も調整してやり込んできている感じがあった。その状態を維持してこの試合に入ってくると思うが、相手がどうであっても自分自身がやるべきことは変わらない。最後まで諦めずにしっかり勝ちにいきたい」と早田。
さらに、「トップ16人の選手が集まっていて、世界ランクが上だからとか過去に勝っているからとか、そういうのはほぼ関係ないぐらい実力が拮抗している大会。みんなにチャンスがあると思うし、自分も格上に勝てるチャンス。しっかり練習してきたことをまずは出せるように頑張りたいし、1試合でも多く勝ちたい」と意気込みを語った。

伊藤は初戦で同じ2000年生まれのA.ディアス(プエルトリコ/世界ランク11位)と対戦する。2人の対戦成績は伊藤が9戦全勝。
現在、世界ランクは接近しているが実力から言えば伊藤に分があると言える。
伊藤がA.ディアスを下した場合、次の準々決勝は早田と陳夢の勝者とあたる。早田が準々決勝に上がってくれば日本勢の同士討ち。陳夢が上がってくれば中国トップ3の一角と対戦することになり、伊藤にとってはパリ2024オリンピック代表選考ポイント獲得のチャンスとなる。
ちなみに中国トップ3を倒すと1試合につき5ゲームマッチで10ポイント、7ゲームマッチで15ポイントが加算される。今大会は準々決勝まで5ゲームマッチ、準決勝から7ゲームマッチで行われる。
目下、女子シングルス代表の2枠はすでに早田が1枠を確定させ、残り1枠を選考ポイント2位の平野美宇(木下グループ/世界ランク17位)と3位の伊藤が争っている状況だ。
2人の得点差は平野が486ポイント、伊藤が451.5ポイントでわずか34.5ポイント差。
平野は今大会の出場を次点で逃したため、もし仮に伊藤が陳夢に勝って準決勝に進み、トップシードの孫穎莎も準決勝に進んで、伊藤が孫に勝ったとする。
さらに反対側の山から王曼昱(中国/世界ランク2位)が決勝に勝ち上がってきて、伊藤が王に勝てば、伊藤は最大で40ポイントを加算し、平野を抜く可能性がある。
もちろんこれは仮定の話で、中国トップ3を一大会で、しかもハイレベルなファイナルズで倒すのは至難の技だ。
トップシードの孫穎莎(中国/世界ランク1位)と初戦で対戦するのは、世界が注目する15歳・張本美和だ。伸び盛りの日本の次世代エースが世界女王の孫とどんな戦いを見せるのか。
2人は今年10月のWTTスターコンテンダー蘭州 女子シングルス準々決勝で一度だけ対戦があり、この時は張本が最終の第3ゲームで10-12まで食らいついたもののストレートで敗れた。
試合をするたびに驚異的な成長を見せる張本。ファイナルズ初出場でジャイアントキリングはあるのか!? 見逃せない一戦だ。なお、孫は王曼昱とのペアでダブルスにも出場する。
木原/長﨑は初戦でトップシードのシン・ユビン/チョン・ジヒ(韓国)と対戦する。初戦の韓国ペアも手強いが、中国は孫/王に加え陳夢/王芸迪もおり、わずか8組とはいえ激戦必死だ。
"Wみゆう"の愛称で知られる2人は、2019年ITTFワールドツアー最終戦のグランドファイナルを当時、木原が15歳、長﨑が17歳で制しダブルス年間女王に輝いた実績がある。
あの輝きを母国開催で再び放てるか!? 日本の単複制覇に期待したい。初日の試合開始は13時。シングルス1回戦で幕を開けるが、日本勢の出番は19時30分以降となる。
(文=高樹ミナ)
<大会概要>
大会名称:WTT女子ファイナルズ名古屋2023
開催期間:2023年12月15日 - 17日
会場:愛知県名古屋市 名古屋金城ふ頭アリーナ
日程:
12月15日(金) 女子シングルス ラウンド16
12月16日(土) 女子シングルス/女子ダブルス 準々決勝
12月17日(日) 女子シングルス/女子ダブルス 準決勝・決勝
出場選手:
<シングルス>
孫穎莎(中国)
陳夢(中国)
王曼昱(中国)
王芸迪(中国)
早田ひな(日本)
陳幸同(中国)
銭天一(中国)
シン・ユビン(韓国)
ハン・イン(ドイツ)
伊藤美誠(日本)
A.ディアス(プエルトリコ)
セーチ(ルーマニア)
ヤン・シャオシン(モナコ)
張本美和(日本)
チュ・チョンヒ(韓国)
張瑞(中国)
<ダブルス>
チョン・ジヒ/シン・ユビン(韓国)
陳夢/陳幸同(中国)
孫穎莎/王曼昱(中国)
鄭怡静/李昱諄(台湾)
ベリストレム/シェルベリ(スウェーデン)
長﨑美柚/木原美悠(日本)
杜凱琹/朱成竹(香港)
ニー・シャー リエン/デヌッテ(ルクセンブルク)

