
<パリ2024オリンピック競技大会 卓球競技 7月27日(土)~8月10日(土)>
パリオリンピック(パリ五輪)が現地時間26日(金)に開幕。今回で33回目となる夏季オリンピック競技大会は8月11日(日)まで開催される。
卓球競技は27日(土)から8月10日(土)の日程で行われ、パリ万博ポルト・ドゥ・ヴェルサイユ見本市会場内の競技場・パリ南アリーナ4で熱戦が繰り広げられる。
卓球 混合ダブルス 金メダルの裏側
2021年東京オリンピックで水谷隼、伊藤美誠の2人が卓球混合ダブルス決勝で中国ペアを大接戦の末下して頂点に立ち、卓球界悲願の金メダルを掴み取った。
水谷、伊藤の2人に"あの試合"を振り返ってもらった。
すると...。①タイムアウト、②超強気発言、③1点目 この3つのキーワードが浮かび上がってきた。
混合ダブルスは東京大会で新たに採用された種目。
卓球がオリンピック競技になって30年余りとなるが、これまで32個の金メダルの内28個を獲得しているのが中国。もちろんその絶対王者が決勝の相手だった。
水谷隼・伊藤美誠 PHOTO:Itaru Chiba
①タイムアウト
水谷・伊藤ペアは第1、第2ゲームを連続で落とし、苦しい状況に追い込まれてしまう。
伊藤「ミスが多いというのは自覚していた。でもタイム取ってもらってよかったよね」
第2ゲームは、一時7点の大差をつけられながらもあきらめずに食らいつき、4連続ポイントを奪う場面があった。すると中国がタイムアウト。1試合で1度しか認められない1分間のタイムアウトをこの場面で使用した。
伊藤「(中国は)ちょっとでも挽回されたら1回流れを変えたい(と考えた)。そこはこっちが挽回してよかった点だよね」
水谷「2ゲーム目、あきらめずにいったからこそ、タイムアウトを使わせることができた」
劣勢ながら、序盤で相手にタイムアウトを使わせることができた水谷と伊藤。
中国はその後の苦しい場面でタイムアウトを取りたくても、もう使うことはできない。逆に自分たちは勝負所となる中盤でタイムアウトを取り、流れを引き寄せることに成功した。

②超強気発言
伊藤「後半の第3・4ゲームからは(相手とのタイミングが)"合ってくる"と思っていた」
伊藤の感触は当たり、試合は第3ゲームから徐々に日本のペースになっていく。
この試合でベンチコーチを務めた田㔟(たせい)邦史 男子日本代表監督は、伊藤の強気な発言に驚かされたと言う。
田㔟「僕がビックリしたのは、美誠が"許昕(キョキン)のボール、私スマッシュできる"って言ったんです」
許昕は男子世界ランクで1位になったこともある卓球王国の中心的存在。世界卓球のダブルス(男子、混合)で5個の金メダルを獲得した実績を持つ、ダブルスの名手。
田㔟「世界で許昕のボールをスマッシュできる選手って男子でもいないのに、女子にできるか?って思ったんですけど、"私、全部スマッシュできる"っていったんですよね」
宣言通り、美誠は許昕のボールを次々と強打しポイントを奪取。このスマッシュが日本に流れを引き寄せ、一気に3ゲームを奪い返し逆転に成功。
伊藤「ほとんど許昕のサーブとドライブしか練習してないくらい、めっちゃ練習した。もう本当にやっていたことが出た」
混合ダブルスの決勝を見据え、中国選手対策を万全に行っていた伊藤。試合の流れを変える強気な発言は、たゆまぬ努力が生み出したものだった。
③1点目
試合はお互いに譲らず、最終第7ゲームへ突入。2人が勝負の決め手となったプレーとして挙げたのが...
伊藤「1点目が勝負だと思った!」
水谷「最初の1点目が今でも記憶に残っていて」
伊藤「最高だったよね!」
その場面、伊藤のサービスを相手女子選手(劉詩雯)が返す。ボールは卓球台の右側にポジションを取っていた水谷の体の正面へ。
苦手のバックハンドでの対応。クロスへのリターンを予測し、許昕は万全の体制で待ち構えていた。
水谷「中国選手は競れば競るほど、過去のデータをもとに研究したものを全部出してくる。ということは苦手なバックハンドで勝負しなきゃと思って...しかもクロスは絶対に待たれているから"ストレートかあ"と思っていた」
クロスよりもストレートに打つ方が単純に難易度は高くなる。それは相手コートのスペースがクロスに打つよりも狭くなるためで、オーバーまたはネットにかかる可能性が高まる。
水谷は苦手なバックハンドで見事にストレートに打ち込み、先制点を奪った。
伊藤「1点目が勝利へ導いてくれたと思う。相手の精神的なダメージを与えられて、自分たちは逆にそれで波に乗ることができた」
そう、すべては1点目で決まった。そこから日本は怒涛の8連続ポイントで最終ゲームを優位に進め、そのまま勝利へと突き進んだ。卓球界初の金メダルはこうして誕生した。
水谷隼・伊藤美誠 PHOTO:Itaru Chiba
水谷「おれは美誠と東京オリンピックで混合ダブルスが組めて、本当に感謝しています」
美誠「初めて言われたんだけど(笑)。隼じゃなかったら、金メダルはなかったと確信できるくらい。本当にそれが一番うれしい」

パリ五輪 混合ダブルス日本代表 張本智和・早田ひな (C)SANKEI
この試合から3年。日本は2大会連続金メダルへ、今回パリで戦うペアは男子のエース・張本智和(21)と女子のエース・早田ひな(24)の2人。
直前の国際大会では4大会連続優勝を飾るなど波に乗る「はりひなペア」。ギリギリでパリ大会の第2シード権を獲得し、第1シードの中国とは決勝まで顔を合わせない組み合わせとなった。
早田「4週連続で優勝できた勢いをそのままパリ五輪に持ち越して始められるように、頑張っていきたい」
張本「正直、3種目の中で一番メダルの可能性があるシードですし、実力的にもあると思うので、僕たちにしかできないプレーで結果を出せるように頑張りたい」
東京の感動をパリでも味わえることを期待せずにはいられない。
テレ東リアライブ編集部
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