「もうすぐママ」が効いた!? 17年女王の平野美宇 初戦勝利の裏に元コーチの衝撃ワード【全日本卓球】

2026.01.23
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松島輝空 写真:スポーツ報知/アフロ

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百戦錬磨のトップアスリートでも、初戦の緊張からは逃れられない。それが全日本選手権の大舞台ならなおさらだ。

2021年東京五輪、2024年パリ五輪で2大会連続団体銀メダル。

「天皇杯・皇后杯 全日本卓球選手権大会」(以下、全日本選手権)では、2017年に当時16歳で最年少女王に輝いた平野美宇(木下グループ)も例外ではない。

1月22日、大会3日目を迎えた今年の全日本選手権。

自身にとって初戦となる女子シングルス4回戦で、平野は社会人選手の岡田琴菜(十六フィナンシャルグループ)と第1ゲームから大接戦を演じた。

とりわけ10-6リードから逆転され、11-13で落とした第4ゲームは痛恨だった。ゲームカウントは2オール。その時、平野に心の声が聞こえた。

「オリンピックに2回も出てるのに、なんでこんなに緊張してるんだろう?」

この日の岡田のプレーは磐石で、特にバックハンドの守りは鉄壁だった。

平野が攻めて先にミスをするか、岡田がバックブロックで粘ってからフォアハンドを打ち抜く展開が繰り返された。

岡田は平野が所属するTリーグ・木下アビエル神奈川のチームメートだ。川崎市にあるチームの本拠地で練習や食事を一緒にする仲で、互いのプレーを知り尽くす。

「初戦はだいたい"平野美宇"の名前で2点くらい取れるみたいなところがあるんですけど(笑)、岡田さんにはそれがない。伸びるサーブとかも海外では効くのに効かなくて、自分のラリー力で勝負するしかなかった。そこにいつもの初戦と違うやりにくさがありました」

しかし、第5ゲームに入ると平野の戸惑いは消えた。東京五輪を共に目指した元コーチ・張成さんの言葉を思い出したからだ。

大会前から緊張に見舞われていたという平野は、中国にいる張コーチに「緊張する」と率直な気持ちを打ち明けた。すると返ってきたのは、思わず笑ってしまうような一言。

「もうすぐママになってもおかしくない年齢なのに、なんでそんなに緊張してるの?」

これには平野も「確かに!」と膝を打った。

ちなみに、今年4月で26歳になる平野と張コーチは3歳差。まるで兄と妹のような2人らしい、微笑ましいやり取りだ。

逆転で奪われた第4ゲームについても「決め焦ってミスをした」と言う平野は、「なんでこんなに勝ち急いでるんだろうって冷静になったら、その後は切り替えられました」と振り返る。

インタビューに応じる彼女の明るい表情を見ていると、昨年5月の世界卓球2025ドーハを思い出さずにはいられない。

女子シングルス2回戦敗退の失意から「試合で勝たなければ自分の存在意義がない」と思い詰めた平野は、そのまま卓球をやめてしまってもおかしくない状況だった。

あれから約8カ月。よくぞここまで戻ってきたと感服する。

第6ゲームのマッチポイントは岡田にラリーで左右に振られながらも、渾身の飛びつきで応戦。

勝利を決めたこのプレーは、昨シーズン参戦した中国超級リーグでの収穫の一つだといい、「(チームメートで世界ランク4位の)蒯曼選手の真似をして思い切ってやりました」と照れくさそうに笑った。

23日に行われる5回戦は通称「ラン決」と呼ばれるランク決定戦。平野の対戦相手は学生チャンピオンの面田采巳(愛知工業大学)。勝てばベスト16に入り、来年もスーパーシードを獲得できる重要な一戦だ。

だが、本人に余計な気負いは無い。

「楽しむというか、自分の力が発揮できればOKかなって気持ちでやりたいと思います」


(文=高樹ミナ)

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