張本美和 写真:松尾/アフロスポーツ
卓球日本一決定戦の「天皇杯・皇后杯2026全日本卓球選手権大会」(一般の部・ジュニアの部)が1月25日に幕を下ろした。
昨年に次いで男子シングルスを制したのは18歳の松島輝空(木下グループ)。
準決勝で日本のエース・張本智和(トヨタ自動車)をゲームカウント4-2で撃破すると、決勝では世界卓球2025ドーハ男子ダブルス金メダルの篠塚大登(愛知工業大学)をストレートで下し、高校3年生にして全日本2連覇を達成した。
高校生での2連覇は2007、2008年大会を連覇した水谷隼さん以来、史上2人目の快挙だ。
そして、女子シングルスは17歳の高校2年生・張本美和(木下グループ)が悲願の初優勝。早田ひな(日本生命)の4連覇を阻み新女王の座に就いた。
2年連続で決勝に進みながら早田に敗れてきた張本にとって、まさに"3度目の正直"。
今大会、ジュニアの部でも4連覇を達成した張本はシングルス2冠の偉業を成し遂げた。さらに前日24日が誕生日だったコーチの父・宇さんにとっても、これ以上ない最高のバースデープレゼントとなった。
「今年、一番チャンスがあると思っていた。2年連続2位だったので、すごく、すごく優勝したかった。小さい頃から全日本で優勝することが大きな目標だったので、今年は特に優勝したい気持ちが強かった」
優勝会見でそう語り、「実感が湧いてきた」と喜びを噛み締めた張本。
早田とは全日本選手権のみならず、海外ツアーのWTT(=World Table Tennis)でも対戦機会が多く、2024年までは早田が5戦全勝と圧倒していたが、2025年は早田が5戦3勝と勝ち越しながらも、その差は確実に縮まりつつあった。
早田自身、「張本選手に関しては勝敗数っていうのが、もう全く参考にならない。去年と比べてもいろんなことが大きく成長している。成長曲線は右肩上がり」と話す。
その張本が今回、早田を下した要因の一つにレシーブ力の向上がある。
これまで苦戦してきた早田のサーブ、特に横回転系のサーブの処理に手応えを示す。
「(早田選手は)配球のコースだったり回転だったりがすごく上手い。今日もやりづらいなとは思った。全てが良かったわけではないですけど、いつもより処理が良かったかなと思います」
加えて、メンタル面の成長も勝因に挙げた。
本人が「勝敗の鍵となった」と指摘する第6ゲーム。10-6でチャンピオンシップポイントを握ったところから6連続失点し、ビッグチャンスを逃して放心状態だったという。
そんな張本の戦意に再び火をつけたのは、決勝の3時間前に行われた準決勝。
今大会、台風の目となった横井咲桜(ミキハウス)に前半は押されながら、後半に巻き返しフルゲームの死闘を制した自信が背中を押した。
「(コートチェンジの1分間では)あまり切り替えられなかったんですけど、コートに戻った時、『勝っても負けてもラスト1ゲーム。もう思い切ってやるしかない』って」
覚悟を決めた最終ゲーム。張本のラケットが火を噴く。
悪夢のような第6ゲームを振り払うように、両ハンドの強打を連発。再び10-6でチャンピオンシップポイントを迎えると、最後は早田のミドルに強気のロングサーブ。甘くなった早田のレシーブを3球目攻撃で仕留め、ついに頂点を掴み取った。
「準決勝からすごく苦しかった。決勝も最後まで諦めずにやり切って優勝できた。技術、戦術もそうですけど、やっぱりメンタルの部分が一番大事。卓球というのはメンタルゲームだなっていうのをすごく感じた大会になりました」
日本卓球史に新たな歴史を刻んだ張本美和。その視線の先にあるのは2028年夏のロサンゼルス五輪だ。
17歳の新女王が最大の目標に向けて2026年、最高のスタートを切った。
(文=高樹ミナ)
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