 |
僕の名はジミー・スパッド(ショーン・ランドレス)。ニューキャッスルのバイカー・ウォールに、ママとパパとおじいちゃんと住んでいる。パパ(イアン・グレン)は腕のいい溶接工だけど長いあいだ失業中。うちの生活は、カフェで働いているママ(ロージ・ロウエル)が支えているんだ。ママも、鳩の飼育を生き甲斐にしているおじいちゃん(デヴィッド・ブラッドリー)も僕に優しくしてくれるけど、パパはいつも何かにいらついていて、僕のやることなすことが気に入らないみたい。というのも、僕はサッカー選手より天使になることに憧れる、ちょっと変わった11歳だからだ。
そんな僕の前に大天使ガブリエル(ビリー・コノリー)が現れたのは、体育の授 業をサボるたくらみが先生にバレて、トイレ掃除を言いつけられたときのことだった。
ここでいくつかの質問をしたガブリエルは、僕がひとり遊園地で遊んでいるときに 再び現れて、天使入門試験の続きを始めた。「なぜ天使になりたい?」とたずねる彼に、「人を助けるのがカッコイイから」と答える僕。結局、天使見習いとしてガブリエルと契約を交わした僕は、試用期間中、ホンモノの天使になれるかどうかの実力を試されることになった。
酔っ払って帰ってきたパパが、ニューキャッスル・ユナイテッドのユニフォーム をくれたのは、その晩のことだ。バイカー・ウォールに住んでいる他の男の子なら、きっと大喜びするだろうな。だけど僕がほしいのは、ユニフォームじゃなくて天使の衣装。だから、素直に「ありがとう」と言えなかったんだ。それが気に入らなくて、パパはますます不機嫌になる。僕たちは、いつもこんな調子だ。
でも、僕が天使になれたら、きっとパパだって誇りに思ってくれるに違いない。そう考えた僕は、羽根付きの衣装を着て、空飛ぶ練習を始めた。練習場所は、かつて造船所だった建物の屋上。ふと見下ろすと、自転車に乗ったボーイスカウトの少年が、川に落ちるのが見えた。これぞ僕の出番だ!夢中で川へ飛び込んだ僕は、溺れかけたスカウト(ジョーダン・ルートリッジ)を救った。でも、そんな活躍も、第三者の証言がないと天使見習いの仕事として認められないのだとか。天使になる道は想像以上に厳しそうだ。
その晩、家でショッキングなことがあった。パパが肺ガンにかかっていることがわかったのだ。さっそく僕は、ガブリエルに「パパを助けて」と頼んだけど、ガブリエルは力になれないと言う。ならば自分で奇跡を起こすしかない。僕はスカウトと一緒にいろいろなことを試してみた。でもそれが全部裏目に出てしまい、パパの怒りは増すばかりだ。
そしてついにパパが入院するときがやって来た。その前夜、裏庭でスカウトの死んだパパを蘇らせる儀式をやっていた僕は、驚いて目を丸くするママに、天使になってパパの病気を治す計画を打ち明ける。その話を全然信用しないママは、僕を殴ったあと、「お願いだから早くオトナになって」と言って僕を抱きしめながら泣いた。
数日後、スカウトと一緒に病室のパパを見舞った僕は、一生懸命練習したトランペットを吹いた。天使の奏でる音楽には、病気を治す効果があるからだ。パパは思いがけず喜んでくれたけど、笑ったことが原因で咳が止まらなくなってしまう。それを見て、パパの病気がいっそう悪くなったと思い込んだスカウトは、「二度とジミーに会いたくない」と言って逃げていった。
僕に奇跡なんか起こせやしない、まったくの役立たずだ。思いつめた僕は家に書 き置きを残し、造船所に隠れることにした。そこへやってきたおじいちゃんは、「家を出て行くなら、父さんにさよならを言っておいで」と言い残して帰って行った。僕が病院を訪ねると、パパは酸素マスクをつけていた。とても苦しそうだ。でも、必死に何かをしゃべりたがっている。僕とパパのあいだに特別なことが起こったのは、そのときだった……。
|