チキン・ハート

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チキン・ハート story


photo1クリスマスを2週間後に控えたニューヨーク、トライベッカ。雪がしんしんと降り積もるある冬の午後、ひとりの老人が2人組のギャングに射殺された。被害者のエンリコは、長年、街の食堂として人々に愛されてきたイタリアン・レストラン《ジジーノ》のオーナー、ルイス(ダニー・アイエロ)のビジネスパートナーだった。  実はルイスはレストラン業の一方、25年間、賭けの胴元として地域に君臨していたのだが、エンリコの殺人の影にこのビジネスの後釜を狙うクイーンズ地区の新興マフィア"ネロ&アズーロ(ブラック&ブルー)"の暗躍が隠されていることを、ルイスは直感的に察知していた。

photo1ルイスの頭を悩ませているのは、そればかりではなかった。ルイスの息子で、留学先のトスカーナから戻ってきたチーフ・シェフのウード(エドアルド・バレリーニ)が彼の意に反して、店を空席待ちの客が長蛇の列を成す、最新トレンド・レストランへと大変革させてしまったからだった。そんなジェネレーション・ギャップから生ずるビジネス感覚の確執のせいで、ルイスの気分はまったく優れない。ルイスは、ウードが"批評家専用"の料理にばかりかかずらわっていて、"伝統的な"ミートボールのようなイタリア家庭料理をないがしろにしていることに、不満の色を隠さないのだった。


photo1そのウードにとってのライバルは、アシスタント・シェフのダンカン(カーク・アセヴェド)だ。ふたりは、セクシーなウェイトレス、ニコーレ(ヴィヴィアン・ウー)の愛をめぐって、夜ごとキッチンで激しい火花を散らしている。しかもダンカンはルイスのお気に入りでもある。というのもダンカンは、ウードが見向きもしないルイスお気に入りの庶民的なソーセージとコショウの料理を得意としているからだ。しかしギャンブル中毒のダンカンが"ネロ&アズーロ"からも借金を重ねていると聞くや、さすがのルイスも激怒してしまう。  うぬぼれ屋の料理評論家ジェニファー(サンドラ・バーンハード)と肉体関係を結ぶことで一躍、"イタリア料理界の新言語"、ヌーヴェル・キュイジーヌとしてスターシェフの名声を欲しいままにしているウードだが、一方で何とかしてこの頑固な父親に認められたいと躍起になっていた。
photo1 次第に客でごった返すレストランのフロアでは、雑学の天才バーテンダー、ショーン(ジェイミー・ハリス)が客から投げ掛けられる難問に答えチップを稼ぎ、野心的なウェイトレス兼アーティスト、マルティ(サマー・フェニックス)は、芸術家のパトロン気取りで辛辣な言葉を振りまくギャラリーのオーナー、フィッツジェラルド(マーク・マーゴリス)を持ち前の勝ち気な態度でたじたじとさせている。いかにもウォール街の証券マンスタイルに身を包み、カウンターに陣取ったケン(ジョン・コルベット)は、そんな店内の光景に思わずこう呟くのだった。「いつから料理が見せ物になったんだ」。

photo2 やがて宴もたけなわ、多忙極めるかき入れどきの《ディナーラッシュ》の時間。階下のキッチンは、まさに戦場さながらだ。ちょうどその時、店内が停電に襲われ、暗闇に陥ってしまう。騒然となる店内だが、たちまちキャンドルサーヴィスで穏やかに照らし出し、ロマンティックな雰囲気を巧みに演出するのは、ニコーレやマルティたち、ルイスの腹心のスタッフたちだ。そしてついにウードが待ちに待っていたジェニファーがレストランに登場、いよいよキッチンの興奮も最高潮に達するのだった。  やがて夜も更け、階下のオフィスではルイスが店をウードに譲ることを宣言していた。しかし、彼ら親子が世代交代のバトンを手渡した後、この一夜の顛末が思いもかけない事件で幕を引くことになろうとは、ここに顔を揃えた人々はまだ誰も知る由もなかった……。

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