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ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ

1940年代の中国、除家の資産は何年も前から傾いていたが、その贅沢な暮らしぶりは、福貴(フークイ)が賭博の借金で、全財産を失うまで続いていた。身重の妻の家珍(チアチェン)は、賭博を止めるよう懇願しても、聞く耳をもたない福貴の許を去り、娘を連れ、実家に帰ってしまう。しかし半年後、家珍は、娘と誕生した長男を連れ、福貴とともに、新たな生活を歩み出すのだった。

家族の支えを受けて、福貴は悪賢い龍二(ロンアル)の所へ出向き、商いを始めるための金を無心する。今や除家の資産を我が物とし、裕福な暮らしをする龍二だが、その借金の申し出を断り、代わりに福貴に影絵の道具箱を貸し出す。

 影絵を見せながら巡業するうちに、福貴と旧友の春生(チュンション)は、蒋介石率いる国民軍と、毛沢東率いる共産軍の間に勃発する、内戦に巻き込まれてしまう。この時、戦争の恐怖と、無意味さを目にした福貴は、改めて命の貴さを痛感し、生きて家族のもとに帰ろうと、心に決めるのだった。
50年代、共産党の勝利とともに樹立した新政府は、国を一掃し始める。58年、毛沢東の「大躍進」政策は、各家族から徴収した鉄製品で、錬鉄を作らせるなど、大規模な大衆運動を展開する。社会主義から、本格的な共産主義への躍進をはかった。福貴たちも、町の人びとと共に、熱心に、この錬鉄運動に参加した。理想郷に陶酔する人々の働きに呼応して、町から鋼鉄ができあがる。しかし、この時、悲劇は起こった。息子の有慶(ヨウチン)が、区長の運転する車に轢かれて死んでしまうのだ。

60年代、残ったのは聾唖の娘・鳳霞(フォンシア)。その彼女の結婚相手が見つかり、鳳霞は子供を身籠った時、福貴と家珍に再び幸せが訪れる。しかし、文化大革命のさなか、医者は、すべて革命の反動分子として摘発されてしまっていた。医者のいない病院で、鳳霞は、元気な男の赤ちゃんを産んだ後、合併症を起こしてしまう。ことき秘かに連れ出してきていた医者の助けを求めるも、拘留され続けていた彼に、その体力は残っていなかった。

 数年後、年老いた福貴と家珍は、孫息子の面倒を見ながら生活していた。家族は少年の純真さから、喜びと幸福を感じ取っていた。過去の悲しみの上にある、ほろ苦い幸せとともに、人生は続いていく。。


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