広島流お好み焼の誕生秘話も! 元祖の味が堪能できる「みっちゃん総本店」

2016年8月4日

広島流お好み焼の誕生秘話も! 元祖の味が堪能できる「みっちゃん総本店」
キャベツや、そばといった具を生地に重ねて焼く「重ね焼き」が大きな特徴である広島流お好み焼。その元祖と称されるのが「みっちゃん総本店」です。独自のお好み焼文化を築き上げた広島県内に、いまや1800軒あるというお好み焼屋さんの始まりともいえる同店を訪れました。

屋台で誕生した広島流お好み焼!

広島流お好み焼の元祖「みっちゃん総本店」の創業者・井畝満夫(いせみつお)さんは、戦後間もない1950(昭和25)年、父親の屋台「美笠屋」で働きはじめました。当時19歳の井畝さんは、昼間は復興のために働き、夜は病弱な父親に代わって屋台で働くという日々を送ります。そして、より親しみのあるお店にしたいという思いから、自分の子ども時代の愛称である「みっちゃん」に店名を変えました。 当時の屋台では、鉄工所で切り出してもらった鉄板を七輪の上に乗せて、「一銭洋食」を作っていました。一銭洋食とは、小麦粉を水でといた生地にネギとわずかな野菜をのせて焼いた、おやつ感覚で食べる食事です。 それは、1955(昭和30)年頃のこと。一銭洋食の生地を鉄板の端によけて、賄い用の焼きそばを作っていた井畝さんは、ふとひらめきました。 「一銭洋食の生地を焼きそばと合体させたら、それぞれ購入するよりも価格を安く提供できて、みんなにお腹一杯になってもらえる!」 こうして、そば入りのお好み焼である広島流お好み焼の原型が誕生しました。
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創業当時の「みっちゃん」。井畝さんのお母さんが、のれんが動かないように設置している様子
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屋台の隙間から見えるお客さんはホステスさん。繁華街が近くにあり、安くて美味しい店として人気だったため、同伴出勤で訪れるお客さんも多かったといいます

昭和の時代に生まれた秘伝の味を復活!

1965(昭和40)年に広島の駅ビルに店舗を出店。その3年後の1968(昭和43)年に名称を「みっちゃん総本店」に改め、場所も駅から少し離れた八丁堀に1号店を開店し、1995(平成7)年に今の八丁堀本店がある場所に移転しています。現在、みっちゃん総本店の系列店は、全部で6店舗あります。
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休日は開店前からお客さんが並び、11時のオープンとともに席はいっぱいになります
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オープン直前の店内。テーブル席やカウンターなど、さまざまな席を用意

広島流お好み焼は、製造工程が多い

広島流お好み焼の誕生秘話も! 元祖の味が堪能できる「みっちゃん総本店」
お好み焼を作る様子 広島流お好み焼の基本的な作り方を見せてもらいました。最初に鉄板で生地を丸く焼いて、その上にキャベツ、もやし、天かす、豚肉などの具を乗せていきます。このとき、イカ天を入れることが多いのも広島流の特徴です。 具を乗せ終わったらひっくり返し、生地が上にくるようにしてじっくりと蒸し焼きにしていきます。山盛りだった具のかさが、だんだんと減っていきます。 その間に、ゆでたそばを鉄板の上で焼いておきます。このそばは、お好み焼専用の「いその麺」。こだわるお店は、この製麺所の麺を使うことが多いといいます。頃合いを見て、そばの上に具を乗せてドッキングさせます。 鉄板の上で卵を崩しながら焼いたら、その上に具とそばを合わせたものを乗せます。さらにそれをひっくり返して、玉子の面が上にくるようにすれば完成です。

同じ味を、手早く提供する工夫

広島流お好み焼は製造工程が多いため、作る人によってどうしても味に違いが出てしまいます。また、複数のお好み焼を同時に作るため、お客さんの待ち時間も長くなりがちです。 「同じ品質のお好み焼を、どうすれば早く提供できるかを追求し、現在は作業を分業制で行っています」と、みっちゃん総本店の広報を担当する有限会社エムズの高島克尚(かつまさ)さんは話します。
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「みっちゃん総本店」では、3人の職人が分担して1つのお好み焼を作ります。1日の中で同じ行程を1人が担当するため、味にばらつきが出ず、効率も良くなります
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分業で焼いているため、思った以上に速くできあがります

素材の味を活かしながら、ソースで食べるお好み焼

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ソースを塗り、青のりをふりかけて提供されるお好み焼。ソースはみっちゃん総本店オリジナル。お好み焼のために作られたソースは、オタフクソース株式会社の専用のタンクで製造されています 「みっちゃん総本店」のお好み焼は、決して刺激のある味ではありません。生地は他の食材を邪魔しない薄味で、キャベツの甘味や食材のうまみ、そばのモチモチした食感を楽しめます。そして、深みがありながら後味がさっぱりしたオリジナルソースが、味をさらに引き立てます。何度食べても美味しい、飽きのこない味わいです。
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ヘラを使って食べるのも、井畝さんのアイデア。手が熱くないように、持ち手を木で挟んだヘラを考案。一口サイズにヘラでカットして食べるのが広島流です

冷凍食品でも、お店の味を再現する

広島流お好み焼の元祖である「みっちゃん総本店」では、より多くの人に広島のお好み焼を食べてほしいという思いから、1995(平成7)年に、お店と同じ食材と製法で作った冷凍お好み焼の販売を開始しました。年間、なんと12万食も売り上げる人気商品となっています。
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冷凍技術「プロトン急速冷却」を用いて、焼きたてのお好み焼の風味と食感をそのまま閉じ込めています。お好み焼は全部で3種類
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冷凍お好み焼(そば・肉・玉子入り)950円(税込)。冷凍お好み焼(イカ天・そば・肉・玉子入り)は1,100円(税込)。冷凍お好み焼スペシャル(生エビ・生イカ、そば・肉・玉子入り)は1,250円(税込) 「みっちゃん総本店」は、お客さんの満足を常に追求し、新しい試みにチャレンジし続けています。それは、アイデアと工夫によって広島流お好み焼を生み出した井畝満夫さんの精神を受け継いでいるからこそと言えるかもしれません。そして、広島流お好み焼を日本全国へ、そして世界へ向けて発信しようとしています。 ■みっちゃん総本店 八丁堀本店 住所:広島県広島市中区八丁堀6-7チュリス八丁堀1F 電話番号:082-221-5438 営業時間:平日 11時00分~14時30分 ※ラストオーダー14時00分、 17時30分~21時30分 ※ラストオーダー21時00分 土日祝 11時00分~15時00分 ※ラストオーダー14時30分、 17時00分~21時30分 ※ラストオーダー21時00分 定休日:水曜日 駐車場:無(店舗向いにコインパーキング有) 関連記事: 本場ならでは! 最高品質の極上牡蠣を、ぜいたくに食べられる牡蠣専門店「牡蠣屋」