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  • 2009年10月16日:「最先端技術がニッポンの「食」を救う!」

(ゲスト)内田麻理香(東京大学工学部・特任研究員)、田丸麻紀

夢の家電・「爆破レンジ」は、食品に衝撃波を与えて加工するもので、果物の外見は崩さずに中身をジュース状にしたり、肉を柔らかくすることができ、滅菌・変質防止効果もあり米粉も製造可能。うどんやパンなど小麦粉を使った食品の代用品にもなると注目されている。ほか、溶けないソフトクリームや薬の付いた米、老人食などに利用される固い食べ物を見た目はそのままに柔らかくする凍結含浸法などの最先端技術を紹介。


「最先端技術が食料自給率を救う!」

熊本大学が研究開発した、衝撃波を利用し食品を加工する「爆破レンジ」。この原理は、水の入った容器に食品を入れ、12500ボルトの電気を100万分の数秒だけ流す。その瞬間、衝撃が伝わり細胞を壊さずに食品を粉砕できる、というもの。この爆破レンジを利用すると、リンゴなどの外見を崩さずに中身をジュース状に、長芋を瞬時にとろろにするなどできる。
開発者である、熊本大学の衝撃極限環境センターの伊東繁教授は「爆破レンジは食料自給率を上げる決め手になる技術である」と豪語する。
日本の食料自給率はカロリーベースで41%。つまり、我々の食卓の半分以上は輸入に頼っていることになる。天ぷらやパン、うどん、パスタ作りに欠かせない小麦粉の食料自給率はわずか約13%に止まっている。そんな状況のなか、最近注目され始めたのが“米粉”。国産の米で作られた米粉のパンやケーキ、麺などが、小麦粉の代用品として出回ってきている。しかし米粉には、すり潰す時に熱が加えられることで、米そのものの味や風味が消されてしまったり、細菌が付着してカビやすいという問題点がある。
その解決策として「爆破レンジ」が登場!水中でエネルギーを発生させるので、米に熱を加えず変質させない。そして、衝撃波によりほとんどの菌を死滅させることが可能。つまり、高品質で安全な米粉を作れるのだ。「爆破レンジ」は、可能性を秘めた新たな調理器具なのである。

「最先端技術が家族を救う!」

石川県金沢市では、“溶けないソフトクリーム”を実際に販売している。日本海藻食品研究所で開発された、おからペーストを混ぜ込むことで出来たソフトクリームだ。おからが原料なので栄養満点、さらに溶けないので子供にも安心して食べさせられると、小さなお子さんを持つお母さんの強い味方。しかもカロリーはおからの半分なのでダイエットやメタボ対策にもなると注目されている。
また、偏食の多い子供に悩むお母さんにも優しい最先端技術が新潟県・佐渡島に。それは、ご飯にニンジンやカボチャ、ほうれん草をコーティングしてできた色とりどりのカラーリングライスというお米。フリーズドライした緑黄色野菜の粉を吹きつけることで、ビタミンやカロチン、カリウムなど、米を食べただけでは得られない栄養素を取り込むことができるという。将来的には、毎日飲まなくてはいけない薬を米に塗布し、毎日食事をするだけで治療ができるようになるかもしれない、と期待されている。
広島県広島市の広島県立総合技術研究所では、タケノコのような硬い食べ物を、見た目はそのままにプリンのように柔らかい状態にする“凍結含浸法”の研究がされている。実際に老人介護施設で、凍結含浸法で作られた食事が出されるなど、老人食として利用されている。凍結含浸法はお年寄りを救う!?
さらに、ゲストの内田麻理香先生が家庭で出来るとっておきの冷凍調理法を紹介。食材を冷凍してから調理することで、美味しさはグンとアップするという。豆腐を冷凍することで、高野豆腐のようなフワフワの食感の豆腐の煮物を作れたり、冷凍こんにゃくから肉そぼろのような“こんにゃくそぼろ”を、また冷凍大根から味の染みこんだ絶品おでんの大根を作る、といったレシピを伝授!

「最先端技術が食料危機を救う!」

福井県美浜市に、来るべき食料危機を救う、レタスなどの野菜を完全室内で育てる「植物工場」がある。4000平方メートルの建物内で野菜が団地のような状態で、縦に横にと並べられ育てられている。野菜の生育に必要な最適な環境を人工的に作り出している完全制御型の工場だ。太陽光の替わりに、蛍光灯を使用し、土の代わりに栄養分を含んだ水が常設され、コンピュータ制御により、植物の生育に最適な昼夜の時間を作りだしている。天候に左右されず栽培期間も通常の半分で済むので、安定供給が可能。農林水産省の発表によると、このような完全制御型に植物工場は全国に34箇所存在するという。
植物工場の夢は砂漠や南極、宇宙にも広がる。NASAでは宇宙ステーションで植物を育てる研究が進行中だ。どんな過酷な場所や環境でも植物工場さえあれば野菜を生産することが可能なのだ。
一方、世界の食料危機を救う最先端技術が、沖縄県石垣島の「ユーグレナ石垣工場」にもある。ユーグレナという微生物は、和名で「ミドリムシ」のこと。実は、植物と動物的性質を兼ね備え、DHAやビタミン、必須アミノ酸などの豊富な栄養素を併せ持つミドリムシの研究が世界中で進められている。アメリカではNASAを中心に培養の研究がされているが、実用化して人が食べるものとして研究をしているのは、全世界でも日本の石垣島だけ。
原理はというと、わずか10mlの液体の中に約5000万匹存在しているミドリムシを攪拌し、光合成を促進。すると、ミドリムシはひたすら細胞分裂を繰り返し驚異的なスピードで増殖する。10mlの液体は1ヵ月後には14万リットルに、700兆匹のミドリムシを作り出す。これをボイラーで乾燥させると粉末状になり、14 万リットルの液体から約140kgのミドリムシの粉末が出来上がる。この粉末がサプリメントやクッキー、佃煮といった食品に生まれ変わる。このように様々な食品に応用する研究が進行中。
ミドリムシは世界が食糧危機を迎えても栄養不足を補うことに役立つ。これは地球規模の救世主になるかもしれない!?


【太一のミカタ】

「職人顔負け!「食」の最先端ロボット」

職人顔負けの最先端ロボットを特集。お寿司やおにぎりなどの形を作るだけではなく、ちゃんと調理をするロボット達。

(1)たこ焼きロボット…調理時間はおよそ15分。人間と作る時間はほぼ同じ。盛り付けやソース・青のりで味付けもしてくれる。総工費700万円。
※デモ用のため実際に店頭には出ていない。

(2)お好み焼きロボット…音声機能が付いていて、メニューや味付けが選べる仕組みになっている。焼き時間は1枚20分ほどで、こちらも人間が作るのとほぼ同じ時間。総工費1800万円。
※デモ用のため実際に店頭には出ていない。

(3)ラーメンロボット…実際に店で使われているロボット。注文は人間のアルバイト店員が担当。その注文を入力するとロボットが作り始める。店長のR2B1さんは、麺職人。副店長のR2B2さんはスープ職人と二人三脚で店を切り盛りしている。一人前わずか1分40秒で出来上がり。1杯700円。 総工費2000 万円。

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