多摩川の河川敷で男の遺体が発見された。亡くなったのは多摩市内で時計店を営む川端俊夫、43歳。現場にやって来た監察医の篠宮葉月は、遺体に刺創痕が五つあるのを見つけ司法解剖を担当することになる。
警視庁捜査一課の風間らが捜査にあたった結果、現場からは財布とアタッシュケースが無くなっていることが判明する。川端の妻・明子の証言によると、アタッシュケースの中身は前日集金した売上金80万円とアンティーク時計10本、価格にして700万円相当が入っていたという。遺体にあった複数の刺創痕から、捜査陣は強盗殺人の可能性が強いと判断し、被害者の身辺を洗い始める。
一方、司法解剖を担当していた葉月はある事実に気がつく。背中にあった3つの刺創痕がいずれも全て同じ高さにあったのだ。このことから、葉月はこれらの傷は川端が杭に凶器を固定して自分から背中をぶつけて出来たものだと推測し、自殺の可能性があると判断する。
葉月の判断を裏付けるように、遺体発見現場にあった杭には、何かを差し込んだ跡があり、高さも刺創痕とぴったりと一致した。捜査陣も、川端が借金に苦しみ妻と娘を受取人にして6000万円の生命保険に入っていたことなどから、保険金を狙った偽装自殺の可能性が高いとの見方を強める。
ところが数日後、強盗と傷害で前科二犯がある春日健一の刺殺体が公園で発見されたことから、事件は急展開をみせる。この春日の体にあった刺創痕が川端のものと酷似していたのだ。さらに詳しく鑑定をした結果、春日殺害には川端の時と同一の凶器が使われた可能性が高いことが判明する。
やがて、川端が所持していたアンティーク時計を春日が質屋に売っていたことが明らかになり、春日が川端を殺害したと見られる証拠が次々と発見されていく。警察は捜査の見直しを決定し、葉月は川端の検案書を書き直すよう迫られてしまうが…。果たして、葉月の検死は誤りなのか…!?









