テレビ東京アニメ公式サイト:あにてれ

学校の帰り道に、空き地で古ぼけたマトリョーシカを見つけてきた小学生・雅道。
「こんな気持ちの悪いもの捨てて来なさい!」
母親のみちるは、雅道からマトリョーシカを奪い取ると、自ら空地へ捨てに行くが、その後、何時間経っても帰ってこない。
夜更けになって、やっと帰ってきたものの、その手には捨てに行ったはずのマトリョーシカが大事そうに抱きかかえられていた。
この日以来、マトリョーシカを肌身離さず持ち歩くようになったみちるは、まるで感情を一切失ってしまったようになり…
【この噂の続きはまたどこかで】
高校時代の友人・綾乃に誘われ、初めて家に遊びに来た女子大生・美津子。
綾乃が住む部屋は前の住人がすぐに出て行ったらしく、まるで新築のようなきれいさだった。
久々の再会を喜び、手料理を振る舞われる美津子だったが、次第にこの部屋の異常な雰囲気に気づき始める。
美津子には見えていないようだが、明らかに自分たち以外の“何か”がこの部屋には存在しているのだ。
やがて、その“何か”は彼女たちの身に迫り…。
【この噂の続きはまたどこかで】
腹話術の人形・タロちゃんを使って交通安全の指導をするために地域のイベントにやってきた新米警官・畑中。
しかし舞台上で、突然タロちゃんの頭が動かないという事態に陥ってしまう。
慌てた畑中は観客たちにばれない様、力任せにタロちゃんの頭を回すと、バキッという音と共に中から見たことのない木札のようなものが転がり落ちた。
「これが引っかかってたのか?」
タロちゃんの頭が動くようになって安心する畑中だったが、これをきっかけにタロちゃんはまるで意志を持っているかのように一人で話しはじめ…
【この噂の続きはまたどこかで】
同級生のアパートで仲間数人と酒を飲んでいた女子大生。
普段はバイトなどが忙しくあまり飲み会に参加することのない彼女だったが「たまには付き合え」としつこく誘われ、今回だけは仕方なく顔を出したのだった。
だが実際に来てみれば、お世辞にも広いとは言えない部屋でどうでもいい無駄話をしながら酌み交わす酒は思っていたよりも楽しかった。
先生や同級生の悪口から恋の話や流行の音楽の話など、とりとめのない会話が続く中、やがて話題はそこにいたメンバーが最近見たという夢の話になる。
その夢では、気づくと自分は押入れの中にいて、ほんの少しだけ開いた襖の隙間から外を覗いているのだという。
しばらくすると、それまで気づかなかったが暗い押し入れの中に自分以外の誰かがいる気配がする。
暗さで良く見えないが、目が少しずつ慣れてくると、そこには全身を真っ赤に塗った白いドレスの女が俯き座っている。
怖くなって押し入れから出ようとするが襖はビクともしない。
真っ赤な女は襖を開けようと必死になっている自分に向かってゆっくりと四つん這いで近づき、耳元に口を寄せると何かを呟く。
しかし、その声は聞き取れない。
次の瞬間、襖がスーッと開き明るい部屋に脱出することができるという夢らしい。
そして、この夢を見て以来、毎晩この夢しか見られなくなったのだという。
「きっと何か不安を抱えてるとか深層心理を現してるんだよ」と冗談めかす彼女だったが、そこにいる他のメンバーの反応はまるで違っていた。
彼女以外、すべてのメンバーが自分もその夢を見たことがあるというのだ。
全身を真っ赤に塗った人物が男であったり、子供であったりという多少の違いはあるが、最後には決まってその人物が耳元で何かを呟き、押し入れから出ることができるという部分はまるっきり一緒だという。
同じテレビ番組でも見ていたんじゃないかということで、特に結論も出ないままその夢の話は終わる。
やがて久しぶりに酒を飲んだこともあって、いつの間にか彼女は居眠りを始めてしまう。
微かなカビ臭さが鼻をつきふと目を覚ますと自分は真っ暗な部屋にいた。
いや、ここは押し入れの中だ。
襖の隙間からはわずかに光が漏れていて、外からは楽しげな笑い声が聞こえている。
さてはみんなが怖がらせようと、寝ている自分を押し入れに閉じ込めて夢と同じシチュエーションにしたのかもしれない。
いや、そもそもあの夢の話自体、口裏を合わせていた可能性すらある。
手の込んだイタズラに呆れながら彼女は襖に手をかけようとした次の瞬間、押し入れの中に自分以外の誰かの気配があることに気づく。
暗さで良く見えないが徐々に目が慣れてくると、そこには全身を真っ赤に塗った白いドレスの女が座っていた。
恐怖に襲われ必死で襖を開けようとする彼女の方へ、真っ赤な女はゆっくりと四つん這いで近づいてくる。
やがて女は身動きすらできない彼女の耳元に口元を寄せると、か細い声で確かに言った。
「ずっと一緒」
その途端、襖がスーッと開き、押し入れから転がり出るように飛び出した彼女はそこで目を覚ました。
「…夢…だったの?」
ホッと胸をなでおろす彼女の目に飛び込んできたのは、満面の笑みをこちらに向ける、全身を真っ赤に塗った友人たちの姿だった。
「ずぅ~~~~~~~~~~~~~~~っと一緒!」
この日以来、彼女は同じ夢しか見ることができなくなったという。
結婚を間近に控えていた婚約者を交通事故で亡くした男。
喧嘩しながらも、二人で式場やハネムーンの予定など決めていた日々が今となっては懐かしい。
彼女とのたくさんの思い出は「もっとああしてやれば良かった」と後悔を生み、仕事も手に付かなくなった男は抜け殻のような毎日を送っていた。
そんな男の様子を心配したのか、義理の母親になるはずだった彼女の母は「あなたが面倒を見てやってほしい」と一匹の大きな金魚が入った水槽を男に預けた。
その金魚は顔を包む水泡のような肉瘤が特徴的な“らんちゅう”という種類の高級魚で、生前彼女が大事に飼っていたらしい。
男にとって全く知らない婚約者の一面であった。
いずれにせよ「娘だと思って」という母親の気遣いなのだろう。
ありがたかったが、正直彼女のことを思い出すだけで余計辛くなるとも思っていたが、彼女に伝えたかったこと、謝りたいことなど、毎日らんちゅうに話しかけると不思議と気持ちが楽になった。
彼女ももしかしたら同じようにこうして話しかけていたのかもしれない。
らんちゅうのおかげもあってか男の心は少しずつではあるが回復し、仕事にも復帰した。
と同時に、男の心によりどころとなっていたらんちゅうは日に日に驚異的な速度で大きくなり、このままいくと水槽からはみ出てしまうのではないかという勢いだ。
特に顔の肉瘤が膨らみ、最初に預かった時と比べたら10倍以上はあるだろうか。
「金魚ってこんなに成長が早いものなのか?」
そんなある日、男が部屋で寝ているとどこからかボソボソと人が喋っているような声が聞こえていることに気づく。
耳を澄ますと紛れもなくその声はらんちゅうのいる水槽の方からしていた。
水槽を覗き込むとブヨブヨとしたらんちゅうの肉瘤の中に、まるで人間の顔のような部分があることに気づく。
口にあたる部分はまるで生きている人間のようにパクパクと動き、喋っているように見える。
「…モッ…トハ…ヤク…デアイ…タ…カッタ」
男は自分の目と耳を疑った。
それは間違いなく自分がらんちゅうに語りかけていた言葉だったからだ。
「ユ…ルシテ…クレ…ルカ?」
「キョ…ウ…ハ…タンジョ…ウ…ビダ」
よく見れば顔のような肉瘤は一つや二つではなく、無数に浮かび上がったそれぞれの顔が聞き覚えのある言葉を繰り返している。
唖然とする男の耳に、今まで聞こえていた声とは違う声が聞こえた気がした。
それは女の声だった。
しばらく耳を澄ましていると女の声が言っていることが理解できた。
「マユ…ミ…死…ネ…マ…ユミ…死ネ」
その声は男がかつて交際していたこともある幼馴染の女性の名を口にしていた。
そして、らんちゅうの顔に婚約者にそっくりな肉瘤を見つけた男は、彼女が生前、自分と同じようにこの魚に話しかけていたことを確信した。
