企画意図

飛行機事故で1981年8月に急逝した作家向田邦子の没後30年を迎えた今、彼女の代表作でもある本作を昭和の設定から平成の現代にアレンジして送る。
「蛇蠍のごとく」は、“日常に潜んだ家族の情念”を描いて秀作と呼ばれる「阿修羅のごとく」「家族熱」「冬の運動会」に並ぶ代表傑作のひとつであり、1981年1月にNHK土曜ドラマで放送されて以来の再ドラマ化が望まれていた作品である。
市村正親を主演に迎え、男が誰でも自分の中に飼っている一匹の“虫”を巡り、娘の不倫相手と対立しながら、父と娘…、夫と妻…、それらの矛盾と葛藤をユーモラスかつ辛辣に描く。 男性も女性も楽しめる向田ホームドラマの真骨頂である。

あらすじ

鉄鋼会社の部長・古田(市村正親)は仕事一筋の堅物だったが、初めて部下のOL(芦名星)に微かな浮気心を抱く。
そんなとき、娘の塩子(石原さとみ)が知らぬ間に妻子ある男とマンションを借りていた。
突然来たダブルベッドの配送確認からそれを知った古田はマンションに乗り込み、不倫相手の石沢(小澤征悦) と大騒ぎとなる。

ところが、話は思わぬ方向にすすみ、古田の妻・かね子(黒木瞳)と石沢の妻が仲良くなったり、古田の浮気心がばれたり、塩子の元カレの佐久間(中村俊介)が乱入したりで、家族それぞれが隠していた綻びが露呈することとなる。
そして…哀しくも劇的なクライマックスが家族におとずれる。

作品解説

向田邦子

向田邦子 1929年(昭和4年)東京世田谷生まれ。
1981年(昭和56年)8月22日没。
テレビドラマ脚本家、エッセイスト、小説家。第83回直木賞受賞。

代表作:
テレビシナリオ「七人の孫」「だいこんの花」「時間ですよ」「寺内貫太郎一家」
「阿修羅のごとく」「冬の運動会」「家族熱」「眠る盃」 他

1981年8月。衝撃的な航空機事故で、人生に幕を下ろした作家、向田邦子。
没後30年を迎えても向田作品は多くの人に愛されています。若かりし頃は、連続テレビホームドラマの傑作、「七人の孫」「時間ですよ」「寺内貫太郎一家」のシナリオで一世風靡し、晩年、『冬の運動会』『家族熱』『阿修羅のごとく』『幸福』など家族解体の危機をはらむ新しいテレビドラマで、“日常にひそんだ人間の情念”を描いてきました。
今回放送される、『蛇蠍のごとく』も、その流れを汲むもので、事故で亡くなったその1981年に発表されています。向田作品の多くは、寺内貫太郎など、父親の存在が魅力的に描かれます。『蛇蠍のごとく』の父親 古田修司もまた、今でも通じる、頑固でわがままで人間的な父親として圧倒的な存在感があります。
さらに、向田邦子の上質なライフスタイル、一人の女性としての生き方は、今も多くの女性を魅了し続けています。だからこそ、不倫に悩む娘や援護する母親に、向田邦子の個性的な女性観が垣間見られ、女性視聴者の圧倒的な支持を得ているのです。ドラマ『蛇蠍のごとく』は、お茶の間で見てもらえ、家族で楽しめて、束の間の感動を与えてくれる、そんな魅力あふれた向田ホームドラマの真骨頂です。

【脚本】
長尾啓司(TX監督作:「赤い月」「壬生義士伝」他 脚本:映画「愛と誠」「時代屋の女房」「アイドルを探せ」他)
【監督】
朝原雄三(監督作:映画「釣りバカ日誌」シリーズ7本 他)

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  • 12.03.06本サイトオープン!