イントロダクション

日本とアメリカ、二つの国の狭間で
家族の絆を引き裂かれ、
涙の別れを経ながらも未来を信じ、
激動の時代を逞しく生き抜いた
3世代64年の愛の物語

「日本人として生きるのか、
アメリカ人として生きるべきか?」

「二つの祖国」の狭間で、
戦争という運命に翻弄されながらも、
決して諦めることなく家族の絆と信じた愛を貫き、
自らの祖国を探し求めた
日系移民たちの怒涛の人生を、
壮大なスケールで描き出す大河巨編

日本人が移民としてアメリカへと海を渡ってから150年が過ぎる節目の2019年。「昭和・平成」という一つの時代が終わろうとする時だからこそ、日系二世の若者たちが自らのアイデンティティーを求めて懸命に生き抜いた様を描くことで、私たちの国「日本」を改めて見つめ直す。見る者の魂を揺さぶる感動のヒューマン超大作をお楽しみに!!

あらすじ

アメリカで生まれた日系二世の天羽賢治(小栗旬)は日本で教育を受けた後、UCLAで学び、卒業後はロサンゼルスの邦字新聞「加州新報」の記者として働いていた。賢治は社説で「良き日本人たろうと努力することが、立派なアメリカ市民たり得る」と説き、自らもその生き方を貫こうとしていた。職場の同僚・梛子(多部未華子)は賢治のUCLA時代の同級生・チャーリー田宮(ムロツヨシ)と交際しており、賢治は2人の交際に複雑な思いを抱きながらも、梛子の友人で二世のエミー(仲里依紗)と結婚した。
だが、太平洋戦争が始まり、賢治を取り巻く状況は一変する。賢治や父・乙七(松重豊)、母・テル(麻生祐未)ら日系人たちはマンザナールの強制収容所に送られ、不自由な生活を強いられる。やがて、日系人の中からアメリカ陸軍への徴兵を募ることになり、日系二世はアメリカか日本か、どちらの国に忠誠を誓うか、選択を迫られる。賢治の末の弟・勇(新田真剣佑)は日系人部隊に志願し、賢治は情報戦で戦争を早期終結させようと、陸軍情報部で日本語教官や暗号解読の仕事に就く。一方、開戦当時に日本で教育を受けていた弟の忠(高良健吾)は、日本兵として徴兵され、フィリピンの戦地へと送られる。そんな中、賢治も語学兵のリーダーとしてフィリピンへ向かうが…。
日本とアメリカ「二つの祖国」の狭間に立たされた賢治を待ち受ける運命とは…!?

テレビ東京ドラマ制作部 田淵俊彦プロデューサー

沖縄基地存続、憲法9条を巡る護国、北方領土返還……様々な問題の論争を聞くに連れ、「果たして日本は敗戦から本当に立ち直ったのか」「本当の意味での戦争は終わっていないのではないか」と感じさせられてきた。オリンピックを1年後に控え、大阪万博開催が決定するなど、ナショナリズムを掻き立てられるトピックが世間を賑やかせ、その一方で「昭和・平成」という一つの時代が終わろうとする今だからこそ、私たち日本人は自らのアイデンティティを見つめ直すべきなのではないか。そうしないと日本は未来へは進んでゆけない。そう考え、35年間ドラマ化されることが無かった「映像化が困難」と言われるこの原作を敢えて選び、3年前から脚本化を進めてきた。

そんな思いを託すのは誰なのかと考えた。私の頭の中に、一人の俳優の名前が浮かんだ。小栗旬……小栗さんは私にとって、常に「時代のオピニオンリーダー的存在」だった。流行りの先端を走りながら、浮ついていない。コミカルな役は思い切り振り切り、シリアスな役はとことん作り込むといったように、演技表現に対して妥協しないし、決してブレない。そういった「徹底主義」を貫いているところに注目していた。今回のようなテーマを演じ切るのには、小栗さんが取り続けている作品に対する「半端ない覚悟」というスタンスが必要不可欠だと思った。小栗さんを口説くこと半年。対話に対話を重ねることで、小栗さんはこの企画の意義やドラマの意味に心から賛同し、作品への参加を約束してくれた。

小栗さん演じる主人公の天羽賢治とライバルとなるチャーリー田宮。このクールでダンディな役を演じるのは、世間から見たイメージが全く異なる俳優さんがいいと思っていた。それでいて演技力が光っているムロツヨシ……「笑い」を封印したムロさんがどんな風になるのかという興味もあった。そんな思いを告げたところ、ムロさんは「チャーリー田宮を真正面から生きてみる」という素晴らしい決意の言葉と共に、出演を承諾してくれた。

近年は二人でコミカルな作品や演技に取り組むことが多い、小栗さんとムロさん。この二人の「ガチ芝居」を見てみたいという気持ちも強かった。真剣勝負の二人の演技で、ステレオタイプのイメージを引きずっている視聴者を“いい意味で”裏切ってみたかった。その狙いが間違いでなかったことを実感した出来事が、二人のシーンの撮影初日にあった。「小栗旬より先に準備をする」と早めにスタジオ入りしたムロさん。その後に、小栗さんがスタジオに入ってきてその場の空気が変わった。大の仲良しであるはずの小栗さんとムロさんだが、そこにはそんな雰囲気は微塵もなかった。私は、「ああ、もう勝負は始まっている」と感じた。二人は阿吽の呼吸で、微妙な緊張感を既に創り出していたのだった。私は、この瞬間に作品の成功を確信した。

原作情報

山崎豊子 原作「二つの祖国」」(新潮文庫刊)

山崎豊子『二つの祖国』(全4巻、新潮文庫刊)

番組概要

番組名 テレビ東京開局55周年特別企画 ドラマスペシャル 「二つの祖国」
放送時期 2019年3月23日(土)、24日(日)
ともに夜9時~11時24分
2夜連続放送
放送局 テレビ東京系
(TX、TVO、TVA、TSC、TVh、TVQ)
原作 山崎豊子『二つの祖国』(新潮文庫刊)
脚本 長谷川康夫
(「なぜ君は絶望と闘えたのか」「聯合艦隊司令長官 山本五十六 太平洋戦争70年目の真実」「柘榴坂の仇討」「起終点駅 ターミナル」)
音楽 稲本響
※配信版のみ音楽担当
出演 小栗旬 多部未華子 仲里依紗 高良健吾 新田真剣佑 ムロツヨシ / 池田エライザ 橋本マナミ 原菜乃華
仲村トオル 田中哲司 柄本佑 甲本雅裕 リリー・フランキー 中村雅俊
ビートたけし 笑福亭鶴瓶
余 貴美子 泉谷しげる 麻生祐未 松重豊
監督 タカハタ秀太(「ホテルビーナス」「原宿デニール」「赤めだか」)
プロデューサー 田淵俊彦(テレビ東京) 北川俊樹(テレビ東京)
藤尾隆(テレパック) 河原瑶(テレパック)
制作協力 テレパック
製作著作 テレビ東京
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