日経スペシャル/ガイアの夜明け

-時代を生きろ!闘い続ける人たち-

Tuesday  22:00  ON AIR/Navigator:役所広司/Narrator:蟹江敬三

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日経スペシャル「ガイアの夜明け」
2002年12月15日放送

◆ 第 35 回 ◆

予告
甦れ!ニッポン町工場 ~オレたちの技術は世界一~

 東京・大田区。海外から視察に来た一団が熱い視線を注ぐのは、小さな町工場で熟達の職人が魅せる匠の技。この地域には約6000の中小企業が集まり、その大半は従業員3人以下の町工場だ。そんな大田が海外から注目を集めるようになった背景には、ひとりの仕掛人の存在があった。その一方で、中小町工場の技術の結晶であり「母なる道具(マザー・ツール)」とも呼ばれる金型が海外に流出していることが分かり、新たな「空洞化の危機」として大きな問題となっている。ニッポン製造業を支えてきた中小企業・町工場の「いま」を見に行く。

予告 ★「町工場」再生の仕掛人!
 外国からの視察団と話す山田伸顯さんは、大田区職員として20年以上にわたって中小企業の支援に携わってきた。町工場の「伝道師」「営業マン」とも呼ばれるほど、中小企業の人々の厚い信頼を受ける山田さんは、全国の自治体の中でも、抜きんでた支援策を実践している。その拠点として建設された大田産業プラザは、大田区以外にも東京都や各種団体が入り、多方面からのサポート機能を備える。また、テクノウィングと呼ばれる工場アパートは、一見するときれいなマンションのようだが、中には48社の中小企業が集い、お互いの得意分野を活用した共同受注などのネットワークを築いている。

 山田さんは、その他にも、産学官や他地域とのネットワーク、海外との商談など、様々なビジネスチャンスの場を大田の企業に提供するコーディネーターとして、休む間もなく奔走する。

 そんな山田さんが、今一番気掛かりなのが「金型」業界だ。

★技術流出?立ち上がる金型業者
 新製品開発や大量生産を可能にしてきた日本の金型技術。どんな複雑な部品でも成形してしまう高度な技術力が、製造業全体を支えてきたことは間違いない。しかし、この数年、海外に生産拠点を移す大企業が、中小企業に発注した金型のデータをそのまま海外へ持ちだし、現地の金型業者に渡して量産させるケースが相次いで起こった。

 「このままでは、空洞化が加速し、日本の金型業者は全滅する」そんな危機感を持った金型業者の並木正夫さんは、去年11月、仲間と共にアンケート調査を実施し、実態を把握したうえで、業界団体を通して経済産業省に訴えた。問題を初めて知った経産省は、今年7月、行政としては異例の早さで「金型図面や金型加工データの意図せざる流出の防止に関する指針」を発表し、大企業に圧力をかけることに成功した。さらに、金型技術を知的財産として位置づけるための法改正へ向けた動きも始まっている。

 並木さんは、これまでも小さな企業を束ねてグループ化したり積極的にIT技術を取り入れるなどの企業努力を続け、若い人材育成にも力を注いできた。「いままでは、親会社は親も同然と思ってやってきたけど、もう黙っていられないですよ。ある大企業の担当者が言ってました。『日本がどうなろうと、会社が生き残ることの方が大事だ』とね」

 山田さんは、そんな中小企業の人々の思いを代弁するべく、各地で講演も行っている。温厚な山田さんも、金型の話になるとついつい熱が入る。「金型は最も熟練の必要な複合的技術。海外でまね事だったらできるけど、オリジナルなものはまだできない。ここをつぶしちゃったら、日本のメーカーは本当の意味での国際競争に勝てなくなりますよ」

★技術を発信して中小企業は生き残る!
 今年11月、タイ・バンコクで行われた工業見本市に「OTA」の看板を掲げたブースがあった。実は、94年以来山田さんたち行政が窓口となって、「大田ブランド」としてアジア各地の国際見本市への参加を行ってきたのだ。タイに工場を設立する企業も出現し、その成果は着実に実りつつある。

 その他にも、最先端の技術を持った企業や、ベンチャー企業とのコラボレーションなど、町工場のイメージを打ち破る新しい中小企業が続々と生まれている。さらに次代を担うナノテクノロジー分野でも、大田の中小企業は、大きな役割を果たそうとしている。はたして、日本のもの作りを支えてきた中小企業に再生の道は開けるのか!?
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