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日経スペシャル「ガイアの夜明け」
2003年7月22日放送
◆ 第 67 回 ◆
技術立国ニッポンの決断 ~日の丸メモリー 最後の反撃~
ニッポンの半導体がどん底から抜け出せない。ハイテク兵器、自動車、パソコン、携帯電話、家電、ゲーム、IC定期券。これらの製品に欠かせない半導体はいまも、未来も“産業のコメ”である。大量のヒト・モノ・カネを投入し、総力戦を戦い抜いたものだけが、半導体ビジネスの勝者となる。半導体は、いわば究極のエレクトロニクス産業。その敗北は、モノづくりの敗北へとつながる。
1980年代、東芝やNEC、日立など“ニッポンの半導体”は世界シェア7割を超え、世界を制していた。その主力製品が半導体メモリーの“DRAM”である。しかし90年代、韓国や台湾におされ、シェアは10%以下に追い込まれた。凋落の原因とは――?
決断の遅れ、責任転嫁、ビジョンの欠如、おごり、官僚体質・・・いま、日本の大手企業が、“失われた10年”と決別しようと動き始めた。売却、撤退、分社、リストラ。そのトップへ“異色の経歴の男”たちが送り込まれ、ニッポンの半導体の未来が託された。 2003年、激動の半導体ビジネス。いま手を抜けば、二度と復活はない。どん底からの再生を目指す、ニッポンのモノづくり復権への戦いを取材した。
★倉庫番から日本のトップへ
坂本幸雄さん55歳。日本体育大学野球部卒、倉庫番として日本TI(テキサス・インスツルメンツ)に入社、社員4000人の副社長まで上りつめた。退職後も赤字の半導体メーカーを渡り歩き、その再生に取り組んできた。去年11月、日立製作所とNECが折半出資するDRAMメーカー・エルピーダメモリのトップに就任した。1999年の設立以来、巨額の赤字経営が続いている。
坂本さんは就任会見で「1年以内に黒字にする」と宣言した。そのために必要な資金は800億円、はたして集められるのか。取材班は坂本さんに9カ月密着した。果たして日の丸メモリーの復活はなるのか?
★世界最速のラインを作れ!
今年4月、日立製作所と三菱電機がDRAM以外の半導体部門を切り離し、共同出資会社として設立したルネサステクノロジ。これで日立と三菱はほとんどの半導体事業を、本体から切り離したことになる。 そのルネサスは「システムLSI」で勝負を挑む。個別の製品ごとに、それに合った機能を1枚のチップに搭載するものだ。デジタル家電、携帯電話、自動車向け・・・多品種少量生産の半導体ビジネスを目指す。何よりもスピードが要求される事業だ。 ルネサスの最先端工場のトップ、小池淳義さん。日立アメフト部“ハリケーンズ”の監督でもある。小池さんは15年前、「世界最速のラインを作る」と考えた。週末、仲間を募り、策を練った。2002年春、ようやくその“高速ライン”が完成した。これまでの常識を覆す“生産ライン”とは何なのか。
★“万札の男”が語るニッポン半導体凋落の理由
日本のDRAMビジネスで最も稼いだ男といわれる元東芝副社長の川西剛さん。80年代、“三流”とまで言われた東芝の半導体ビジネスを、わずか3年間で世界シェアトップに引き上げた。その川西氏は、日本の半導体産業凋落の原因を「全てのメーカーが慢心したからだ」と語る。日本DRAMの「成功」と「凋落」の歴史を聞く。
★苦境の日本勢を取り巻く世界の強豪企業
DRAM世界2位の米マイクロンテクノロジ。アイダホ州のポテト王が巨額の資金を投入し設立した企業である。運営を任されたのは、時給5ドルのライン工からはい上がったスティーブ・アップルトンCEO。趣味は曲芸飛行、現在6機の自家用ジェット機を所有する。そのマイクロンは1998年、空前の半導体不況の際に巨額投資に踏み切った。いったい、どんな策があったのか。どんな情報に基づいて決断したのか。 一方、世界の半導体産業で躍進を続けるアジア勢。その中でもトップを独走するのが、現在、DRAM世界ナンバーワンのサムスン電子。半導体不況といわれた2001年、2002年にも過去最高の利益をあげた。これまでDRAMは世代交代ごとにトップが目まぐるしく入れ替わってきた。しかし、サムスン電子はこの10年、トップを走り続けている。日本の半導体大手との違いは、いったいどこにあったのか。
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