日経スペシャル/ガイアの夜明け

-時代を生きろ!闘い続ける人たち-

Tuesday  22:00  ON AIR/Navigator:役所広司/Narrator:蟹江敬三

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日経スペシャル「ガイアの夜明け」
2003年7月29日放送

◆ 第 68 回 ◆

予告
東京ホテル戦争に勝ち残れ!

「2010年までに日本を訪れる観光客は1000万人を突破する!」
観光客倍増を狙う小泉首相の観光立国宣言は、日本のホテルマーケットの可能性を世界にもアピールした。現在、東京のホテル客室数はおよそ3万5千室(政府登録ホテル)、4年後の2007年にはさらに5千室が増える予定だ。
しかし、どんなホテルにもお客が来るわけではない。ビジネス利用はもとより、女性の一人泊まりなど多様化するニーズにどう応えていくのか?お客がホテルを選別する時代がやってきたのだ。
予告 今年に入り、六本木、品川に相次いで巨大ホテルがオープン。そして7月1日、汐留の再開発地区にも新たなホテルが開業した。
ロイヤルパーク汐留タワー、全国に8件のホテルを展開するロイヤルパークホテルズアンドリゾーツの新戦略ホテルだ。
「宴会、レストラン、宿泊の三本柱で展開してきた今までのホテルはもう求められていない。これからは業態を絞り込んだホテルが勝ち残る」と同社中村裕社長は言う。
汐留タワーは客室数490に対して宴会場や直営レストランはわずかに1。全室にコンピュータを設置してすべてのサービスをオンラインで提供するハイテクホテル。地下には都内で初めて大規模なスパを併設し、宿泊のクオリティに徹底してこだわった。

開業まで一ヶ月半前の5月半ば、総支配人の久保島正裕さん(51)は客室のチェックに追われていた。ほぼ完成した施設、だがドアノブが突然とれたり、カーテンが壊れてしまう。一番気になるのは、35名の新人の教育具合と、開業までの宿泊予約率。
久保島さんは、それまでロイヤルパークの基幹ホテルである箱崎を含む都内のいく つかのホテルで28年営業をしていた。もちろん総支配人は初めての経験。せっかく確保した予約もキャンセルが続発する。「指くわえて見てるつもりか、取り返してこい!」営業にはっぱをかける久保島さん。 「開業時に75%の稼働率を達成しなければ、家賃も給料も払えない…」

今年、ホテル業界は厳しい状況が続いていた。イラク戦争、SARS…4~6月、都内のホテルは過去最低の稼働率を記録していた。果たして、総支配人一年生の久保島さんは開業時75%の稼働率を達成できるのだろうか。


…しかし一方で好調なホテルもある。新御三家と呼ばれる、外資ホテル。
外資ホテルの強みは、女性達に圧倒的な人気があることだ。
ホテルジャンキーズという、ホテル好きの集まる会がある。定期的に開催される会合でも話題は外資ホテルに集中する。
「一歩部屋に入ると、外資ホテルは別世界。日本のホテルはおじさん臭くて行きたくない」。
ウェスティン東京も彼女たちの心を掴んでいるホテルだ。
ウェスティンはアメリカの巨大ホテルチェーン、スターウッドホテル&リゾートワールドワイドの持つ6ブランドのホテルの一つ。
現在スターウッドは、日本に11のホテルを展開し、2005年春には超高級ホテル 「ザ セントレジス」を、あのロイヤルパーク汐留タワーの目の前に開業予定だ。
同社の日本韓国グアム地区代表を務める平尾彰士さん(63)は「あと3,4年で日本に20件が目標」と明言する。
スターウッドは、なぜ日本で強いのか。ホテル戦争を勝ち残る秘訣がそこにあった。

…新しく開業するホテルや外資ホテルの狭間で、国内勢の奮闘も続いていた。パレスホテルは帝国ホテルに次ぐ42年の歴史を持つ、老舗ホテル。丸の内周辺の企業の利用で、営業をしなくても満室になる時代があった。しかし今、ロビーを見渡せば年輩客がほとんど「新規顧客の開拓なくして、パレスの未来はありえません。しかし…」
広報室長の笹本猛さん(49)は、社内の危機感の欠如を憂えていた。品川プリンスの広報マンとして、年間1000本の取材をこなしてきた笹本さんは今年1月、その手腕が買われ新設の広報室にスカウトされてやってきた。そして見たパレスの姿…
例えばレストラン。和、洋、中の直営レストランはそれぞれが食材と味にこだわる 料理を提供していた。しかしランチタイムでもまばらなお客、口コミに欠かせない 若い女性の姿は皆無といってもよかった。
「新鮮な食材や盛りつけで、女性にアピールする料理を作れないか」そんな笹本さん の提案に、料理長達は渋い顔をした。「くだらない。やってられねえよ!」そう言い捨て席を蹴る者も。
意気消沈した時もあった。でも「パレス社員の意識を変えるために自分は呼ばれた」という信念が、笹本さんを社内改革の騎手にのし上げた。目標は、レストランに女性の行列を作ること。そのために彼が仕掛けた食の大イベント「収穫祭」、果たして料理長達の協力を得られるのか?


新ホテルのオープン物語、老舗ホテルの社内改革、そして黒船=外資ホテルのニッポ ン進出。
「東京ホテル戦争」を生き抜くための、それぞれの策を追った。
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