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日経スペシャル「ガイアの夜明け」
2003年8月19日放送
◆ 第 71 回 ◆
水を売れ!名水大国ニッポン~急成長ビジネスの舞台裏~
水が売れている。その市場規模は15年前に比べてなんと10倍以上。昨年も前年比10%増で売れており、その勢いはとどまる所をしらない。
日本人一人当たりのミネラルウォーターの消費量は年間約9リットル。しかし、欧州では一人当たりの消費量はその10倍以上だという。ミネラルウォーターは今後も市場の拡大が望める商品なのだ。
今まで、日本におけるミネラルウォーター業界の王者は「天然水 南アルプス」のサントリー。
ところが今年、その王者サントリーに対し、キリンビバレッジが本格的な攻勢をかける。世界有数の食品メーカーと手を組み、ミネラルウォーター専門の会社を立ち上げ、販売強化に乗り出したのだ。
引っ張るのは缶コーヒーなど数々のヒット商品を手がけた44歳の若き社長。親会社からのプレッシャーを受けながら、勝負の夏を迎えた。はたして王者打倒への秘策とは何か? そして迎え撃つ王者、サントリーの新戦略とは?
一方、急成長するミネラルウォーター業界に異業種からの参入も後を絶たない。
海洋土木を専門とする老舗建設会社が社内ベンチャーとして「海洋深層水」の開発に乗り出した。公共事業が減り、ジリ貧の会社が希望を託したのが「水」ビジネスなのだ。伊豆大島で海洋深層水の汲み上げに悪戦苦闘する姿を取材。果たして無事、水を汲み上げることはできるのだろうか?
番組ではこれらの水を巡る熱き闘いを通して日本におけるウォータービジネスの意義と将来性を探る。
★挑戦者現る
ミネラルウォーター市場に昨年11月、衝撃が走った。
日本で最も売れている輸入ミネラルウォーター「ボルヴィック」を製造する、世界有数の食品メーカー、ダノン(フランス)と三菱商事、そして国内飲料メーカーのキリンビバレッジが手を組み、「水」専門の会社、キリンMCダノンウォーターズを立ち上げたのだ。
キリンビバレッジが持つ物流力と販売力、「ボルヴィック」のブランド知名度を武器に、シェア拡大、打倒王者サントリーを目指そうというのだ。
社長の横溝宗親(よこみぞむねちか)さん(44歳)は、キリンビバレッジ出身。
缶コーヒー「ファイア」など、ヒット商品を売りまくった、いわばキリン陣営のエース。王者サントリーにどれだけ迫れるのか。現場主義で、社長自ら店頭で自社製品を売り込む。
しかし、今年は梅雨明けが長引き、7月は全国的に気温が低い日が続いた。はたして、昨年以上の売り上げは達成できるのか?
★王者が動き出した
日本で最も売れているミネラルウォーター、サントリーの「南アルプスの天然水」。
背後は南アルプスという恵まれた条件を持つ山梨県・白州(はくしゅう)工場で一手に製造を行ってきた。しかし、今年はさらに九州・熊本に新工場を作り、「天然水~阿蘇~」という新商品を投入したのだ。
飲料メーカーにとって、「水」は「生命線」。昔から水が豊富な熊本新工場は15年越しの悲願だった。
一方で、王者サントリーも冷たい夏と闘っていた。
ミネラルウォーターは、水道水がおいしくない都市部でよく売れる。その一方で地方都市では苦戦を強いられてきた。九州・福岡では新製品「天然水~阿蘇~」は売れるのか。営業の最前線に密着した。
★異業種からの参入
通常2リットル150円前後で売られているミネラルウォーター。それに対し800円という値段を付けている水がある。
海洋深層水だ。200m以上の深海から採水し、塩分だけを抜き、豊富にカルシウムやマグネシウムを含んでいるというミネラルウォーター。
そこに異業種から乗り込んだ企業がある。
それは、港湾工事や埋め立てなど海洋土木を中心としたゼネコン、東亜建設工業。創業は明治41年という老舗だ。しかし近年は公共事業が減り、厳しい状況。
そんな中、元東京副支店長だった石田詔次郎(いしだしょうじろう)さん(61歳)は、新事業として東京・伊豆大島で海洋深層水を汲み上げる会社「アクアミレニア」を興した。伊豆大島にパイプラインを敷いて、深層水を汲み上げようというのだ。
しかし、悪天候の為、工事は思うように進まない。はたして水を無事汲み上げることが出来るのか。また、商品として売れるのか。
社長に就任した石田さんの責任は重大である。
★水大国に学べ
「エビアン」「ボルヴィック」「ヴィッテル」など、日本でも知名度が高いミネラルウォーターを産出するフランス。産地の様子と、水ビジネスの取り組みを追った。
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