日経スペシャル/ガイアの夜明け

-時代を生きろ!闘い続ける人たち-

Tuesday  22:00  ON AIR/Navigator:役所広司/Narrator:蟹江敬三

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日経スペシャル「ガイアの夜明け」
2003年10月28日放送

◆ 第 80 回 ◆

予告
やってみなはれ!~技術で乗り込め未知の市場~

★サントリー篇

洋酒メーカーのサントリーが畑違いの花ビジネスに参入したのは15年前。 葡萄や麦の品種改良のノウハウを生かして、新種の花々を世に送り出したのだ。 その数100種以上。 「既存の花業界のやり方に右にならえでは永久においつけない」とサントリーは独自のやり方で参入した。 その一つがブランド戦略である。オールド、ロイヤル、山崎・・・といったお酒のやり方と同じで花にブランドネームをつけ、POPをつけて売り出す。 そのやり方は、既存の花業界にはない考え方であった。 育てやすく花の時期が長く美しく咲きほこる「サフィニア」は、爆発的に売れ、今では日本だけではなく園芸先進国オランダや英国でも受け入れられ8500万ポットも売れている。
欧州市場を制覇したサントリーの花が次に目指すのは、業界でホットスポットと呼ばれる北米市場。 この市場を抑えるために海外事業部長、皿田(さらだ)成さんは、中南米に渡った。 「小さなパイの食べあいじゃつまらない。花業界全体を大きなパイにして、業界全体に新しいうねりをおこしたい」 ガテマラ山中をヘリコプターで飛んで農場を探したり、花の苗を増殖してくれるビジネスパートナーを求めてメキシコやコロンビアを奔走。 しかし、そんな皿田さんの前に立ちはだかったのが、考え方の違いであった。 品質重視、消費者第1主義を求めるサントリーの考え方と大量生産、大量消費国との考え方とではかなりの温度差があった。
「彼らは、この市場に実績が有り生きていくために無駄なコストをかけたくないというのは分かるが語りあっていくしかないですね根気よく」 花ビジネスを確立していた欧州でも問題が起きていた。サントリーの花をまねたコピー商品である。 「消費者が混乱してしまう、これがサントリーの花かってがっかりさせることになるのは・・・」 値段が少し安い意外は、POPや花の姿などそっくりであり、売り場までもサフィニアのコーナーに置いてある。 このままコピーが出続ければ信用を無くしてしまうことに・・・ いっぽう、新商品開発現場では、来春用のサフィニアを越える新種の開発が急がれていた。開発研究員 村上さんはミリオンベルやサフィニアなどヒット商品を送りだしてきた。
新種の開発は交配して作り出す。その設計図は、研究員たちの頭の中にあるという。 年間数万単位で交配するが世の中にでるものは、わずか10数種類。 「どんな花ができるかは、この交配している親、そのまたおじいさんの花の形質がどうであるかを記憶しておくかが重要。 サフィニアを越えるものをだしますから楽しみにしていてください」 晩夏。山梨県白州のサントリー蒸留所の片隅にある花ハウスのなかに村上さんが開発した、来春市場にならぶかわいい花たちが披露された。 「サフィニアで満足していたお客さんの花の世界をさらに広がる花だと思う。 是非新しいブランドとして売り出してもらいたい」という村上さんに対して営業側はNOをつきつけた。
「サフィニア傘下のブランドのほうが売れる。サフィニア●●にすべきだ」 議論は、真っ二つ。ブランドネーム会議は東京にもちこされた。 「実はサントリーの花もここ数年横ばいがつづいているんです。ここで村上さんが作った新しい花をどういったコンセプトでどういったブランドで売っていくかが今後のサントリーのポイントになるンですわ」と営業の清水さんは関西弁でまくしたてる。 秋の代理店会議までには決めなければいけない。悩み続ける営業チーム・・・。 新しいうねりを国内、海外で作り出そうとしているサントリーの花戦士たちを追う。


予告 ★花王篇

今年5月。お茶業界に衝撃が走った。あの花王がカテキンを通常の3~4倍も含んだ「ヘルシア緑茶」を売り出した。 洗剤や石鹸という高分子研究からエコナ油という健康食品をだしたのが数年前。 そういったノウハウをいかしてのお茶業界参戦である。 30~50代の男性ターゲットで関東のコンビニだけで売り出した。売り文句が「体脂肪が気になる方へ」。 1本180円と少々値段ははるが、爆発的に売れている。 その信じられないの売れ行きにまゆをひそめる人がいた。ヘルシアの産みの親である山野さんである。
「メーカーとしては欠品を出すことは致命傷なんです。生産態勢が追いついていないいま、これ以上売れると納品できなくなり企業として信用がなくなる」 いままで、シャンプーや歯ブラシは各家庭で月に1本売れるかどうかというのに対して毎日出ていく数がケタ違い。 週1回の需給会議でも生産が追いつくかが重要課題である。 そんな山野さん。ある日、大手コンビニのMDに呼ばれた。 「うちは、全国1万店のお店を平等に扱いたい。ヘルシアの問合せが殺到しているんですよ。なんとかならないのですか」関東甲信越限定販売に不満を言われる。 「いつならできるの?」ブームがあるときどんどん売り込むべきだというのがプロのMDの意見だ。
しかし・・・首をたてにふれないのが現状だ。 MDは切れた「遅い!」 花王の社員は3分の1にあたる1700人が研究員という。ヘルシア開発チームは第2弾のヘルシアウーロン茶の開発中。 実は、ウーロン茶はヘルシア緑茶と同じ時期から開発しだしたので実に3年もやっている。 「俺、歯磨きの香りが専門だったんですよ。それがお茶ですよ突然」と苦笑いをこぼす高橋さん。 フレーバーリストの高橋さんは、甘い香りを作り出す専門家だった。 高橋さんの丸刈りには理由がある。「お茶の香りはとっても弱いので髪が長いとシャンプーの匂いで消されてしまうから・・・」 彼らが目指すウーロン茶の味は・・・
「いままでに市場にないインパクトのある味にしたい」 テイスティングが繰り返されるが納得する味には、なかなか近づけない。 その頃、山野氏は鹿島にある生産工場へ。 大量生産するため、ヘルシアの命である「カテキン」の生産を効率良く増やすため各国の茶葉をためす。 ケニア、インド産・・・「インド産は、話にならないまずい」答えが見つからずイラダツ山野氏。 年間30トンしか流通していなかったカテキン市場だったのがヘルシアが必要とするのは月100トン。
ウーロン茶をだすにもカテキンが足りない。暗雲たちこめる。 秋。山野さんは研究所にむかいました。 高橋さんたち開発者が今までにない味と香りの「ウーロン茶」を山野さんが試飲にきたのだ。 「苦いね」「ダメね」「全然ダメ」あくまでもインパクトのある味を目標にする開発者。
みんなに受け入れられる味でいいんだからという山野さん。 「悲しいけど消費者は、サントリーのあの味に慣れてしまっている」 10月。渋谷でウーロン茶の試飲会が行われた。この結果で味の方向性が決まる。 予想以上の売れ行きに悪戦苦闘する現場を取材する。


 
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