日経スペシャル/ガイアの夜明け

-時代を生きろ!闘い続ける人たち-

Tuesday  22:00  ON AIR/Navigator:役所広司/Narrator:蟹江敬三

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日経スペシャル「ガイアの夜明け」
2003年11月4日放送

◆ 第 81 回 ◆

予告
談合からの脱却! ~公共事業 信頼を取り戻せ~

ある土木建築業者は我々の取材に対してこう言った。 「談合をしなければ、この厳しい時代生きては行けない。談合といっても、業者がお互いに支え合って仕事を回しているのが実態だ。なにが悪い?」――。 しかし今、全国の自治体で公共事業の入札制度が変わろうとしている。目的は「談合」の防止。
公共事業費は民間工事費に比べおよそ1・7倍のコストがかかるというデータがある。入札談合が公然と行われているために、価格競争が生じないことがコスト高につながっていると言われているのだ。 右肩上がりの時代なら、黙認されていた談合。しかし、財政破綻する自治体も出始めた今、財政再建のために公共事業費を根本から見直す必要が出てきたのだ。
さらに、税制改革によって税源が地方に移譲されれば、国の補助金に頼っていた公共事業は、自治体が独自財源で行う単独事業に移行していくと言われている。自分の懐が痛むと知れば、本当に必要な公共事業を見極めなければならない。
しかし冒頭の業者はこう続けた。 「行政が本気で変わろうとしない限り、談合は続けるよ…」――。 公共事業に頼る地方経済の暗部ともいえる談合。地方自治に変革の波が訪れているいま、番組では、その問題の背後にある行政、業者の公共事業に対する意識改革を追及する。
予告 ★談合をなくせ! 改革派町長の挑戦

静岡県吉田町。人口2万7000人、養鰻で有名な町だ。 4月の統一地方選挙で新しい町長が誕生した。田村典彦さん(59歳)。 選挙の時、田村さんが公約に掲げた一つが入札制度の改革。前町長に2000票あまりの差をつけて当選した田村さんは、談合をなくす改革にさっそく着手した。 9月、町内の土木建築業者に対して開かれた説明会で発表された新しい入札制度とは、「抽選式指名競争入札」。くじ引きという偶然性を入札に導入することで談合を防ごうという試みだ。
かつてこの町では、公共事業を巡り黒い噂が飛び交っていた。町の職員と一部の業者が癒着して、行政は談合を半ば公然と認めていたというのだ。 前町長はインタビューで「談合というとイメージが悪いが、調整会議が行われていたと認識しており、それは必要悪だ」と明言していた。田村さんは、そんな行政と業者とのしがらみを断ち切ることが、町政への住民の信頼を取り戻すことにつながると考え、新しい入札制度を独自に考え出したのだ。 しかし当然、地元業者は猛反発。地元町議会も町長に反旗を翻し、そして町役場職員の中にも改革に難色を示す者が…。
まさに四面楚歌状態の田村町長、入札制度改革は、果たして成功するのか? 新制度による初めての入札は10月21日を予定。カメラは吉田町で始まった改革の一部始終に密着した。


★改革先進地の苦悩

一方、既に入札制度を改革し談合撲滅に成功した町もある。電子入札をいち早く取り入れた神奈川県横須賀市、田中知事の下で入札改革を断行した長野県などだ。 兵庫県明石市もそんな先進地の一つ。長野と横須賀の制度を組み合わせることで競争を実現、着任からわずか数カ月で落札価格を一気に落とすことに成功した。
しかし…新たな問題が持ち上がった。余りに低い価格での落札が発生したため、工事の質に疑問を呈する声が挙がった。 「背に腹は代えられない、食っていくためには赤字覚悟で落札する」――。 追いつめられた地元業者の言葉だ。
今年5月に就任した北口寛人市長(38歳)の下で入札改革の指揮をとった明石市役所契約課・正木真一郎さん(51歳)は、ジレンマを痛感していた。「談合を防ぐことはできたかもしれないが、地元業者はどん底に落ち込んでしまった…」。 そんな明石市は10月、あえて落札価格を上げる仕組みを導入する。
談合は撲滅できても、業者に倒産が相次いだとするなら、それでも改革は成功だったといえるのか? 破綻寸前においこまれた業者の悲鳴。正木さんは、北口市政はその声になんと答えるのか?  
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