日経スペシャル/ガイアの夜明け

-時代を生きろ!闘い続ける人たち-

Tuesday  22:00  ON AIR/Navigator:役所広司/Narrator:蟹江敬三

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日経スペシャル「ガイアの夜明け」
2004年3月9日放送

◆ 第 99 回 ◆

予告
シニア大航海時代
~生きがい作りに活路あり~


高齢化社会の到来とともに、私たちは新たな人間関係のあり方、コミュニティのあり方を模索している。そんな激動の時代に、シニア層に的を絞りビジネス展開する企業の果敢な挑戦を追った。そこでは、企業側からのお仕着せの商品ではなく、顧客の声に耳を傾け、その要望に応え工夫を凝らしたサービスや商品が着実に成果をもたらしていた。企業側が率先して「新しいコミュニケーションの場」を用意し、顧客は「長年の夢を実現し生き生きと第二の人生を送る」ための商品やサービスを購入する。
高齢化社会でシニアが求めていたものは何だったのか?企業は商品にどのような工夫を凝らしたのか? 芽を出し始めたシニアサポートビジネスの実像と可能性を探った。
予告 いま冷え込みが著しい旅行業界にあって、ひとり気を吐く会員制旅行クラブが注目を集めている。シニア層にターゲットを絞った近畿日本ツーリストの「クラブツーリズム」。
「豊かな旅仲間づくりと、いきいきとした高齢者文化の創造」を企業ミッションと唱いあげ、顧客同士の仲間づくりを徹底的に支援することで、旅へつなげるという、独自のビジネス戦略を展開し、売上げも好調だ。
そのビジネスの基礎となっているのが、顧客に無料で開放される、クラブやサークル活動の場。「歌声クラブ」「昭和ひとけたクラブ」「お祭り大好きクラブ」など230種類。クラブ活動の場には、企業側から必ずスタッフが入り活動にかかわりながら顧客の声を吸い上げ、新しい旅のプランを工夫する。お仕着せの観光地巡りではない、手作りの旅のプランを作れるかどうかが勝負だ。 


顧客はみんな嬉々としてクラブやサークル活動に参加する。そこでは崩壊していた コミュニケーションの場が作られ、新しい人間関係が形作られる。そして気のあった者同士が旅を媒介にして、日々の生活を忘れ、非日常の世界を切り開く。そこに小さな夢の実現を見たシニアは、さらに「自分らしく」生きるということを発見していくのだ。


人は、必ず知的欲求を満たすことで、「自己実現」しさらに「自己表現」していく。
そんな人生のあり方をビジネスへと結び付けていったのは、クラブツーリズムの創設者 高橋秀夫会長だった。高橋会長は25年前から、高齢化社会の余暇産業に着目し、あたらしい旅行のスタイルをビジネス化することに取り組んできた。
その事業哲学の根本にあったのは、「顧客の声に耳を傾ける」ということだった。
そして「死ぬ当日まで、旅を楽しむ」という究極の旅行業を目指しているのだ。


そこから生まれてきたのは「顧客参加」というユニークなビジネススタイル。
旅のプランを満載した月刊会員誌「旅の友」を配布するのは顧客自身。一万人の顧客が毎月360万部を一斉に無料配布する。こうして獲得した会員は720万人という巨大マーケットを作りだした。さらに旅に興味のある顧客のなかから添乗員になる人まで現れた。特別な研修期間を経てこれまで700人以上の添乗員が誕生した。顧客にとってその活動はいずれも自分の生活に張りを持たせ、夢を実現する実践でもあるのだ。


究極の旅は、ハンディキャップを負った人でも自由に行きたいときに行きたいところへいけるというものだ。この冬、「車椅子に乗って流氷を見に行こう」というツアーが 催行された。添乗員が気を配るのは、交通手段や宿泊先だけではない、食事の世話から下の世話まで、そして安全、さらに価格、バリアーフリー旅行の限界に挑戦していた。
 「人はパンのみにて生きるにあらず」
生活に追われ先行きが定かではない不安の時代だからこそ、「人はなんのために生まれ、生きているのか」そんな根本的な問いかけが企業活動にも求められているのではないだろうか。21世紀、日本が抱える高齢者問題を「余暇産業の充実」「生き生きとした第二の人生」という側面から前向きに捉えることで、「低価格競争」から「高付加価値競争」へとむかうシニアビジネスの広がりと可能性を見つけ出すことができるに違いない。
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