
平四郎(中村俊介)は、兄・監物(内藤剛志)に呼び出されて朝早くから神名家を訪れていた。監物は、老中・水野忠邦(西田健)が大小目付に「上知令」に関する通達を出してきたことを伝える。平四郎はさっそく通達に目を通すが、内容を理解できずにいた。
通達には「上知令」に異論のあるものは名乗り出るようにとあった。監物は「上知令」反対派の勢力が強くなってきた今日、焦った水野老中がこの通達を出したと話す。さらに、改革派は仲間割れをしており、支持派は鳥居耀蔵(本田博太郎)一派のみだという。説明する監物をよそに、平四郎は居眠りして叱責される。話を終えた監物は、平四郎に朝食を食べていくよう促す。
平四郎が朝食をとる傍らには、彼を見守る義姉・里尾(田中好子)の姿があった。里尾は、監物が平四郎のことを心配していたことを告げ、代わりに話を聞くように言われたという。平四郎は道場立ち上げや生活面で心配をかけたことを詫びる。そして里尾にだけ打ち明けるといい、かつての許婚・早苗(北川弘美)に対して「自分の気持ちに素直になる」と伝える。平四郎の決意を聞いた里尾は微笑む。
その頃、明石(益岡徹)と北見(山田純大)は道場の物件探しに奔走していた。空き家の家主・与之平(木下ほうか)に連れられて醤油問屋の納屋を見学する二人は、念願の道場立ち上げに向けて慎重に物件を吟味していた。
平四郎が家に帰ると、呉服商を営む桔梗屋の女房・おはつ(南野陽子)が待っていた。ところがおはつは相談をためらっており、なかなか口を開かない。平四郎は聞いたことを口外することはなく信用してほしいと言う。すると重い口を開き「人に脅されている」という。
おはつは、20数年前小田原城下で女郎をしていたという。主人の小兵衛(神保悟志)は、当時宗吉という名前で呉服屋の手代をしていた。出会った瞬間から互いにひかれた二人は、毎日女郎屋で逢瀬を重ねた。ところが小兵衛の金が続くわけもなく、店の金に手を出してしまい捕らわれたという。そして、一年間牢に入った小兵衛は、入れ墨者になり出てきたのだった。やっとの思いで再会を果たした二人は、逃亡を決意する。おはつは、女郎屋を足抜きした。その後二人は江戸に潜り込み、仕事を見つけて一所懸命働いた。子宝にも恵まれ、小さな店を持つことができ桔梗屋の看板を上げたという。
ところが三日前、小田原城下で岡っ引きをしていた男・勘七(高橋長英)がやってきた。勘七は夫・小兵衛を捕らえた男で、二人の過去を振れ回すといい、五十両を要求してきたという。
おはつから話を聞いた平四郎は、桔梗屋を訪れる。主人の小兵衛に対面した平四郎は、女房から話を聞いたことを告げる。小兵衛は隠し事を一切せず全てを任せるから、自分たちを助けてほしいと訴えるのだった…。







