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医療用語解説

Karte#4 心タンポナーデ・大動脈解離 患者:浜田栖櫂(すかい)(5歳男児)

心タンポナーデは、心臓と心嚢(しんのう:心臓を包む袋状の組織)の間に血液が溜まって、心臓を圧迫している状態。
放置すると心停止する可能性もあるが、瀬名が心嚢の膜を切開して血液を外に出したことで心タンポナーデを解除した。

次に、命の到着まで患者の状態を維持するため、人工心肺装置を接続して血液の循環を確保する。
人工心肺を回すためには、血管にカニューレを入れて血液を灌流(かんりゅう:循環)させなければならない。
通常は、足の大腿動脈からカニューレを入れるが、5歳の患者だと足の血管が細すぎて、研修医の瀬名には困難なため、太い大動脈からカニュレーションを行うことにする。

しかし、患者の大動脈は解離していて、血管の裏側の壁や内膜がはがれた状態。
血管の中に本来の血管の道筋である真腔と、そうでない偽腔が存在し、間違って偽腔の方にカニュレーションしてしまうと内膜ははがれ、血液も循環せず、大動脈破裂が起きるリスクがある。
そこで、瀬名は、ガイドワイヤーとエコーを使うという誰にでも出来る方法で、真腔に入っていることを確認しながらカニュレーションを行い、リスクを回避。
無事に人工心肺を回すことができた。

到着した命は、大動脈の解離の状態を確認。
逆行性脳灌流で脳を保護しながら、大動脈上行弓部(だいどうみゃくじょうこう)を人工血管に取り替える手術を行った。

今回の医療用語解説
穿孔性虫垂炎(せんこうせいちゅうすいえん)
虫垂が破れて孔が穿いた状態。普通の虫垂炎だと虫垂が炎症を起こして腫れるが、穿孔性は虫垂に孔が穿いて膿が体内に漏れるため、エコーでも腫れていないように見える。
膿が漏れて時間が経つと骨盤内に膿瘍が形成される危険性もある。
カニューレ
血管や体腔内などに挿入して、薬液の注入や体液の排出、気管切開の際に空気を送排するために使用する管状の医療器具。
逆行性脳灌流(ぎゃっこうせいのうかんりゅう)
人工心肺の回路を切り替えて逆から回し、通常は動脈から出て静脈へ行く血液を、静脈から送って動脈に戻す方法。
脳に血液を送る大動脈を置換する手術の際、この方法で脳に血液を送り続けることで、脳をある程度保護することができる。

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©入江謙三・橋口たかし・小学館 ⁄「最上の命医」製作委員会