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医療用語解説

Karte#5 肝臓移植(内臓逆位) 患者:古里春日(15歳女児)

肝疾患による肝硬変が進行し、肝不全の状態のため、脳死提供者から肝臓移植を行った。
ただし、患者は内臓の配置が左右逆転している「内臓逆位」。
ドナーの右腹部に入っていた肝臓を、患者の左腹部に移植しなければならず、逆向きの肝臓を移植するという世界でもほとんど例のない症例となった。
ドナーから提供された移植肝臓が少し大きかったこともあり、腹部に収めるために90度回転させ、移植肝臓の下大静脈(かだいじょうみゃく)と患者の下大静脈が十字になるように繋いだ。

しかし、肝臓の重みで下大静脈が引っ張られ、門脈から流れ込んだ血液がうまく下大静脈から出て行かず、肝臓がパンパンに膨らむ「アウトフローブロック」が起きる。
肝臓が膨らんだ状態が続くほど肝臓が痛んでいくため、急いで肝臓から血液を外に出す必要があり、命は下大静脈を切断する。

下大静脈は下半身から戻ってきた血液を心臓に戻す血管で、それを切断すれば下半身の血液が行き場を失うが、肝臓がひどく傷んだ患者の場合、腸管から戻った血液が肝臓を通らなくても心臓に戻れるよう、人体が自力で側副血行路(そくふくけつこうろ)という迂回路を作っている場合が多い。
命はそれを見越して、緊急措置として下大静脈を切断したのだが、不運にも患者には側副血行路が存在しなかった。
今度は、下半身の血液を心臓に戻すために、切断した下大静脈をバイパスで繋ごうとするが、バイパスに使う人工血管の準備に時間がかかる。

絶体絶命の危機に立たされたが、真中がドナーから採取していた総腸骨静脈(そうちょうこつじょうみゃく)の存在を明かしたため、それを使ってバイパス手術を行い、手術は成功した。

今回の医療用語解説
心室細動(しんしつさいどう)
心臓の心室が小刻みに震えて拍動せず、血液を送ることができない状態

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©入江謙三・橋口たかし・小学館 ⁄「最上の命医」製作委員会