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  • 2009年10月30日:「日本の最先端技術(3)アナタの身を守る最先端技術~」

(ゲスト)内田恭子、竹内薫(サイエンスライター)

10月のSP企画「日本の最先端技術」を取り上げる第3弾。防犯対策を始め、大地震から身を守り、個人情報の漏洩を防ぐ最先端技術をお送りする。世界初の暗号化技術も登場。モザイク模様を携帯のカメラで見て、パスワードを入れると文字や写真が現れたり、携帯電話を紛失しても他人にロック解除されない「腕振り認証」という技術を紹介。コーナー企画では、明日からでもすぐ防犯対策に役立つ優れものグッズを大公開。


地震からアナタを守る最先端技術(1)

地震大国ニッポン。阪神淡路大震災では約25万軒もの家屋が倒壊し、多くの命が奪われた。今後30年以内に日本のどこかで、震度6以上の大地震が起こると予想されている。(地震調査研究推進本部)そんな危険から我々を守る最先端技術が開発されている。
それは空気で家が浮く、「エアー(AIR)免震」という最先端技術。家の中に置かれた地震センサーが地震を感知すると、その0.5秒後、エアータンクから空気が建物と地盤の間に送り込まれ、家が浮き上がるのだ。これは水の上を、空気を入れて浮き上がるホバークラフトと同じ原理。わずか2~3cmの浮上で、なんと地震の揺れを1/10に抑えられるのだ。ちなみに、このエアー免震、設置費用(戸建て)は新築の場合約300万円、改築の場合はおよそ1000万円かかる。スタジオにもエアー免震装置を用意し、阪神淡路大震災と同じ震度7の揺れを実際に体験してみることに…。

地震からアナタを守る最先端技術(2)

上へ上へと広がっていく現代のライフスペース。だが地震の時、通常高層建物は上の階ほど揺れ幅が大きくなると言われている。そんな危険から我々を守る最先端技術が、最新ナノテクノロジーで開発された、世界初の大きく収縮する金属(超塑性合金)だ。( ※神戸鉄鋼所/大阪府立大学・東建司教授との共同開発)この金属をビルの鉄骨に埋め込むと、地震が起きた際、伸び縮みして揺れのエネルギーを吸収。建物が大きく揺れるのを防いでくれるという。去年実用化されたこの技術、高層建築の地震対策として大きく期待されている。
家屋以外にも、地震の際、家具や落下物から身を守る驚くほどシンプルな最先端技術があった。その名も「ミューソレーター」。2枚重ねになっていて下の鉄板には突起が細かく付けられている。振動台の上にミューソレーターを敷き、食器棚を置いて震度7で揺らしてみると、なんと倒れない。下の板に突起を作り、鉄板同士が接する面積を減らしているため、揺れると上の板が滑り、家具に揺れが伝わりにくくなるのだ。しかし、板が動くのは、家具転倒の危険がある震度5以上からという。
既に医療現場では、白血病の治療に使われる血液細胞(臍帯血)の保管タンクの下に敷かれたり、カーペット敷きの床にも対応するので、オフィス機器の下にも敷かれている。だが使用する際、上の板が揺れるスペース20cmほどが必要なため、一般家庭の壁際に置かれる家具には不向きだという。そこで、壁際と家具にクッションを入れて使用できるようにと、クッションが現在開発中だ。
地震から身を守る最先端技術は日々進化している。

犯罪者を撃退する最先端技術

ピッキングや車上荒らしなど、忍び寄る犯罪者から我々を救う最先端後術がある。

(1)防犯カメラ「サブローくん」
カメラが人を捕らえると、枠で囲み追跡。ウロウロと不審な動きをすると、カメラが自動的に検知。不審行動を離れた場所にいても携帯で知らせてくれ、不審者を確認することができる。このカメラその名も“サブローくん”。万引き対策用として開発され、2009年9月から店舗で実際に使われている。実はサブローくんは、万引き犯に多い不審行動を約50種類プログラミングされている。それらの行動を検知することで、店側は不審者をマーク。すぐさま対応できるのだ。今後は空き巣やストーカーなど、家を狙う犯罪者用も開発する予定。
続いては侵入者を撃退する最先端技術。

(2)超未来型番犬T-34
熱感知器を内蔵しているので、人の体温で侵入者を検知でき、部屋に何者かが侵入してくると、警報で侵入者を威嚇。そして持ち主の携帯電話へ自動的に連絡。カメラが捕らえた不審者の姿が転送されるというシステム。さらに持ち主は、携帯電話を使ってT-34を遠隔操作でき、マイクで話すこともできるのだ。そして最高時速10kmで追跡したり、網で侵入者を捕獲することも可能。しかもその網は絡まりやすいため、簡単には外せないという優れもの。

(3)電波センサー
慶応義塾大学理工学部の大槻知明教授が開発したのは、電波の変化を読み取る装置「電波センサー」。室内の電波の伝わり方をグラフ化したもの。室内に置かれたパソコンの、無線LANから出る電波を利用している。電波は室内のあらゆるものに反射して伝わっており、物が動かなければ電波に変化はない。しかし、ドアを開けたり人が侵入すると、電波の伝わり方も変わる。その変化をグラフ化し、読み取れば侵入者の行動が丸裸になる。現在は独立法人・情報通信研究機構と共同研究で、警備会社に連絡が行くシステムなど実用化への開発が進められている。さらに将来的には、地上デジタル放送の電波を利用すれば、どの家庭でも設置できる防犯システムになるという。

アナタの秘密を守る最先端技術

郵便物は個人情報の宝庫。高齢者だと分かれば振り込め詐欺のターゲットになったり、独身男性であれば出会い系などの架空請求の被害に。女性の独り暮らしだと分かれば執拗なストーカーに狙われることも。これらの犯罪から身を守るにはポストに鍵を掛けたり、情報が漏れないよう郵便物は細かく破って捨てることが重要。そんななか個人情報の流出を防ぐ最先端技術が生まれていた。2009年10月、世界初の「暗号化技術」が開発された。モザイク模様の紙を携帯のカメラで見ると、文字が現れる。パソコン上で隠したい文字を選択するだけでモザイクに。それを読み取るにはパスワードの入力が必要。見せたい相手にだけパスワードを知らせれば、他人に読まれる心配はない。実はこれ、企業の機密情報を守るために生まれた技術で、既にアメリカ企業への販売も開始している。ちなみにこの技術、文字だけでなく写真の暗号化も可能。今後郵便物に応用されれば、たとえ盗まれても個人情報がもれる心配がなくなる。
さらに、個人情報の詰まった携帯電話もまた狙われている。携帯電話を紛失した場合などでも、他人によるロック解除が困難な「腕振り認証」という技術が開発されている。携帯を持って動かした軌道(例えば○や×、△などといった)が、ロックの鍵となるのだ。個人特定の精度が抜群。腕の長さや筋肉の付き方の違い、動き方のくせによる軌跡の差を感知する。登録した動き以外解除できなく、他人に知られても登録した動きとぴったり合わないと解除が出来ないシステムなのだ。


【太一のミカタ】

「明日からデキル!最新防犯対策」

明日からでもすぐ自宅の防犯対策に役立つ優れものをご紹介。
空き巣の侵入経路として最も多いのがガラス破りで、一戸建てでは約7割、マンションでも約5割がこの侵入方法。4階以上の共同住宅であっても窓からの侵入が最も多いという。そこで窓にたどり着く前に防犯ができてしまう優れものが

(1)音砂利(おんじゃり)\3150円(一袋・11kg)
これは体重60kgの人が上をあるいた場合、80デシベルという電車内やピアノと同じ音量が出る。掃除機の音が70デシベルと言われているので、それよりも大きい音がする。

(2)スモークシューター \31万5000円
侵入者の動きを感知して、煙を噴射し、視界を遮断。6畳ほどの広さなら約30秒で充満し、20cm先も見えないほどに。

(3)防犯粘着シート \2万6250円(レギュラーサイズ)
強力な粘着シートが付いている玄関マット。いわば泥棒ホイホイ。警報装置が侵入者を感知しても、実際に警察や警備員が来るまでは10分以上はかかってしまうのが現状なので、少しでも逃走を遅らせる意味で有効なもの。

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