極寒の撮影で山田孝之が凍傷に!?最強の看守VS昭和の脱獄王を描くテレ東開局記念日ドラマ特別企画「破獄」

Q.撮影中で印象に残っているシーン、忘れられないできごとがあれば教えてください。
たけし:今年は最初から躓きまして。年末にオーストラリアに行って、暑い日差しの中でゴルフでもやろう、真っ黒になっちゃうなと思った瞬間に、1月から「破獄」の撮影があることに気が付きまして。日に当たったら、とてもじゃないが雪国の看守はできないということで、1週間ホテルに朝から晩までいて、テレビでクリケットの試合を見ていただけ。
インドの攻撃が5時間続いて358点取って、「いよいよオーストラリアの攻撃です」となったら6時間続いて、深夜の1時に逆転勝ちという意味の分からない試合をひたすら見ていて、帰る日を楽しみにしていたという。本当に「破獄」のような(一同笑)旅で、どうしてスケジュールを考えなかったんだろうかと、ずーっと反省していました。
ようやく撮影が始まったらホッとしたんですけど、今度はまさかこんなに寒い日が続くとは思わないし。今までにやった中では、一番思い出に残るドラマでした。
山田:長野でのロケで、すごく遠くから僕が雪の中をずーっと走ってくるというシーンで、放送では途中で別のカットが入っていたのでそうは見えないんですけど、数分間はあったと思います。その数分間ずっと雪に触れている状態で、左手薬指の先が凍傷になって、ずっと感覚がないんです。まぁ大して使わない指だからいいかなと思いつつ、これからテレビ東京でやりたいことがまだまだあって、そういう時にこれを武器として(一同笑)。訴えないかわりに、左手薬指の感覚を奪いましたよね? と言えば、ある程度のことはやらせてもらえるかな、と思っております。
吉田:図書館の前で父と話をして、その父が去っていく後ろ姿を見つめるというカットがあるんですけど、なんとも言えない哀愁がたけしさんの背中に漂っていて、本当に悲しくて切なくて。届きそうで届かない父親への距離を感じて、泣きそうになったのを覚えています。
Q.たけしさんは看守役は初ということで、オーストラリアで日焼けを控えたとのことですが、他に役作りとしてされたことは?
たけし:自分はすごい猫背で、つい猫背になっちまうんだけど、威厳がないんで胸を張ったような歩き方を。でも胸を張ると息継ぎが難しくて、セリフが言いづらくなっちゃう。その点ではスタッフに迷惑をかけた。いつもとは違う役だったんで、難しかったよね。あと周りがみんな上手いんで、困っちゃったんですよ。
Q.山田さんは満島ひかりさんと夫婦役、一途に想われる関係でしたが、演じた佐久間はどんな気持ちだったと思われるかを教えてください。
山田:まったく同じ気持ちだったと思います。走っているシーンでも牢屋の中でも、基本的に考えているのは妻のことだけ。撮影中、台本で一番読んでいたのが妻の光(満島ひかり)と浦田の会話シーンで、これだけ待っていてくれる人がいる、想ってくれている人がいる、その人の元になんとか行かなきゃ、ということを一番に置いてやっていました。
Q.吉田さんはナレーションも担当していますが、普段演じるお芝居と声のお芝居での違い、難しかった点や工夫された点があれば。
吉田:今回は繋がった画を見ながら声を当てさせていただいたんですけども、作品のトーンに飲まれてしまって、どうしても低い声でしゃべろうとしてしまうんです。監督が「あくまで客観的に、過去にこういうことがありました、と振り返る感じで」と、トーンが暗いからこそ声で明るく、と言われて「そういう演じ方もあるんだな」と。最後に効果音などが入ったものを見たら、やっぱり声のトーンが明るいほうが、まとまりが良かったなと言う感想でしたね。自分の感覚だけではわからないことがあったと思います。
Q.深川栄洋監督の演出となりましたが、監督とのエピソードがあればお聞かせください。
たけし:僕は自分でも監督をやるんですが、作品について「監督、ここはこうした方がいいんじゃないですか」とたまに言ってくる役者がいるんですけど、そいつは二度と使わない(一同笑)。全部俺が考えているっていうことがあるので、今回の監督さんにもひと言も、なにも言っていないはずです。ただ、最近の監督さんはみんな丁寧ですよね。一回撮っておいて、もっといいカットのために最低もう一回は撮る。監督の要望に応えられているかは、わからないですけど。一生懸命やる監督で、よかったです。
山田:たけしさんのお話と重なってくるんですが、牢獄の中で殴られ蹴られるシーンで、その中で感情が昂ぶって、壁に頭を打ち付けて叫ぶシーンがありました。そこを撮った後に「次は手元を撮ります、もう一度芝居を繰り返してください」と言われて「……手元だよな?」って。「手元のために、また俺は壁に頭を叩きつける必要があるんだろうか」と思ったんですけど、そこでそう提案してしまうと流れが途切れてしまうので、「こんのやろう!」と思いながらやりました。そこに関しては、ネチネチと、まだ怒りがあります(一同笑)。
吉田:お話の中で、私は足を引きずっているんですが、あれは元々台本に「後遺症が残るような傷を負っている」という表記はどこにもなくて、監督のアイデアなんですよ。目に見える形で足を引きずることで、美代子さんの心の傷も見えるし、それを見た浦田さんの顔を見れば、彼の後悔や切なさ、悲しみも見えるのかな、と。非常に効果的な演出だったなと思っています。
たけしのリアル「破獄」エピソードに加え、山田も佐久間を思わせる執念深さを覗かせた笑いの絶えない発表会となったが、作品中では暗く鬱々とした重厚なドラマが描かれている。エンターティナーとしてのビートたけし、山田孝之、吉田羊が垣間見えた発表会に対して、「破獄」では実力派俳優として、役者としての凄みを見せつけるたけし、山田、吉田の姿に注目して欲しい。
【番組概要】
タイトル:テレビ東京開局記念日 ドラマ特別企画「破獄(はごく)」
放送日時:2017年4月12日(水)夜9時
出演者:蒲田進(ビートたけし)、佐久間清太郎(山田孝之)、蒲田美代子(吉田羊)、佐久間光(満島ひかり)、貫井千吉(橋爪功)
原作:吉村 昭 「破獄」(新潮文庫刊)
脚本:池端俊策 「夏目漱石の妻」「足尾から来た女」「イエスの方舟」
監督:深川栄洋 『白夜行』『神様のカルテ』『偽装の夫婦』
プロデューサー:田淵俊彦(テレビ東京) 川村庄子(テレビ東京)
浅野敦也(ドリマックス・テレビジョン) 橘康仁(ドリマックス・テレビジョン)
協力:オフィス北野
制作協力:ドリマックス・テレビジョン
番組HP:http://www.tv-tokyo.co.jp/hagoku/


