【女子ゴルフ】合格率3.3%のプロテスト!30人の選手が”超難関試験”に挑む<第1弾>

ゴルフ

2021.3.8

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女子プロゴルファーになるための試験、それがプロテスト。1次予選から試合形式での試験が始まり、上位に入ると2次予選、そして最終プロテストに進出する。その最終プロテストの上位20位タイまでが合格となり、日本女子ツアーへの出場権が認めらる。渋野日向子、笹生優花など、今を時めく選手たちも通ってきた、プロゴルファーへの登竜門。

前回は600人あまりが受験し、合格者はわずか21人。合格率、実に3.3%。東大に受かるよりも難しいといわれる、厳しい試験だ。

この過酷な試験に挑む選手たちを支援するプロジェクトが去年、立ち上げられた。その名も「DSPE」。プロゴルファーを目指す30人が参加するこのプロジェクト。その活動内容は、参加メンバーの練習環境の整備、SNSを通じての広報活動、スポンサー企業の仲介、月例会の開催など多岐に渡る。

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メンバーは、過去にレギュラーツアーやアジアツアーでプレー経験のある実力者ばかり。果たして30人の中から最終プロテストを突破する者は現れるのか。しのぎを削り合う、彼女たちの挑戦を追った。

新真菜弥、4度目の挑戦

今月10日から始まるプロテスト第1次予選。今回注目したのは、この2人。

まずは、兵庫県出身、新真菜弥(あたらしまなみ)。かつて賞金女王に輝いた横峯さくらや森田理香子も優勝した大会を制した実力者。彼女の持ち味は、身長171センチの恵まれた体格を生かした、ダイナミックなドライバーショット。平均飛距離は250ヤードと、プロの中でもトップクラスと並ぶ。古閑美保や上田桃子などのトッププレイヤーを輩出した、名門・坂田塾出身。

「同い年は淺井咲希」1999年生まれの22歳、いわゆる女子ゴルフ黄金世代だ。過去には、淺井や渋野と共にステップアップツアーに出場した経験もあるが、今やその差は歴然。「半分悔しいけど、いい刺激にはなっている」と語る。

プロテスト未合格のゴルファーを取り巻く環境は、ここ数年で大きく変わった。2018年までは、プロテストに合格していない者でも、QTと呼ばれる予選会で上位に入れば、ツアーの出場資格を得ることができた。

しかし2019年、日本女子プロゴルフ協会は制度を変更し、QTへの出場資格をプロテスト合格者に限定したのだ。つまりツアーに出場するには、プロテストに合格することが絶対条件に。

新はこれまで三度の試験を受け、すべて不合格。「100%出し切れたかというとそうじゃない」と悔しさを滲ませる。いよいよ迫ってきた1次予選、完全燃焼を誓う。

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難病と闘い続ける、平塚新夢

2人目の注目選手は、平塚新夢(ひらつかあむ)、21歳。中学時代には畑岡奈紗と共に出場した、世界ジュニアマッチプレー選手権で優勝。高校3年の時には、アマチュアとして史上5人目のステップアップツアー優勝を果たし、プロ入りは確実とみられていた。

ところが、彼女を悲劇が襲った。「全身に発疹が出て、ペットボトルも開けられなかった」10万人に1人がかかるという難病、「成人スチル病」を発症し、プロ入りを断念。さらに、薬の副作用で顔がパンパンに腫れ上がる症状が。人から注目を浴びる職業を目指す彼女には、堪え難い苦痛だった。

「毎日鏡を見て泣いていた。生きているのが辛いって」それでも、ゴルフを辞めようとは思わなかった。病で一度はプロへの道をあきらめかけた彼女にとって、テストに合格することが本当の意味で病気に打ち勝つことなのかもしれない。

だから、人と比べて争うことはしない。戦っているのは、いつも自分自身。「誰と比べられたところで別に悔しいとは思わない。でも戦ったら勝ちたいのが人間の本能」

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プロテスト第一次予選、新は今月10日から三重会場、平塚は翌週17日から福島会場に出場する。可憐で力強い30人のプロを目指す卵たち。プロテストを突破できるのか、その結果に注目だ。