【西武】森友哉の苦悩「悔しいの一言です」歓喜の中で一人見せた”涙のワケ”

歓喜の輪で人目をはばからず一人涙する男。昨シーズン、西武の森友哉(25)は苦しんでいた。
西武といえば、自慢の強力打線で2018年、2019年と2年連続で群雄割拠のパ・リーグを連覇。その中心にいたのが、キャッチャーとしては史上4人目となるパ・リーグMVP、首位打者を獲得した森だ。
しかし昨シーズン、自慢のバッティングは影を潜め、チームも一時5位に低迷するほどだった。シーズン中盤の8月、森には今でも忘れられない試合がある。
「悔しかったです。悔しいの一言です」
そう語るのは、8月の日本ハム戦。チームは5連敗と苦しむ中、辻監督は調子を崩してい森を先発から外し、ルーキー・柘植世那(23)にプロ初のスタメンマスクを任せた。柘植は投手陣を巧みにリード、さらにプロ初スタメンでホームランを放つなど、見事起用に応えた。
そして、西武はリードをしたまま7回、スタメンを外れた正捕手の森に出番が。しかし、これが思わぬ展開に。皮肉にも森に交代後、逆転を許す。
「信頼してのことでの交代だったのに逆転されたのは悔しい」
ルーキー・柘植が守り抜いたリード。森にとって重い意味を持つ3点を失った。バットでもチームに流れを呼び込めず。森の心は崩壊していた。
それでも試合は最終回、アニキと慕う山川穂高(29)のサヨナラヒットでチームは連敗脱出。苦しいシーズンを送るチームに差したわずかな光。しかし、歓喜のチームメイトの中に一人涙を見せる森の姿が。止まらぬ涙、言葉にできない感情が溢れ出す。
「改めて負けたくない。野球人として何をするにしても、負けたくないというのをすごく感じた」
この勝利をきっかけに勢いを取り戻した西武は、5位から3位へと浮上し、Aクラスでシーズンを終えた。
そして、覇権奪還を目指す今シーズン、「絶対に負けたくない」という想いで人一倍汗を流す森の姿が。オープン戦での打率は全体の4位につけるなど、本来のバッティングが帰ってきた。
「キャッチャーでもバッティングでも、シーズンを通して成績を残すことが大事。そこにリーグ優勝や日本一が付いてきてくれれば、一番理想なのかなと思います」
苦悩の日々を乗り越え、今シーズンに全てをぶつける。