崖っぷち森保一監督「土俵際の戦い」侮れないベトナム戦 柔軟なシステムの変更に期待

森保一監督 Photo by Etsuo Hara/Getty Image
サッカー日本代表は11月11日、ワールドカップアジア最終予選の第5戦でベトナム代表とハノイで勝利が求められるアウェイ戦に臨む。
9月に始まった最終予選で、日本はここまで2勝2敗の勝点6でB組4位。森保一監督が「土俵際の戦い」と認める厳しい状況で、日本が無条件で出場権を獲得できる上位2位に食い込むためには、もう勝点は落とせない。
ベトナムはFIFAランクでも日本の28位に対して98位。過去3度の対戦ではいずれも日本に軍配が上がっている。一見すると組みしやすそうだが、前回の対戦となった2019年アジアカップ準々決勝では日本が堂安選手のPKで1-0の辛勝だった。
今回はベトナム初の最終予選進出で、成績はここまで4戦全敗でB組では最下位。だが、サウジアラビア、中国、オマーンからは得点を奪っている。
ホームで戦ったオーストラリア戦も敗れたものの、ハードな守備で1失点に抑える健闘を見せた。ちなみに、オーストラリアは現在2位。首位はサウジアラビアでオマーンが日本と同勝点ながら総得点で上回って3位、中国は5位だ。
DF吉田麻也選手は、「ベトナムはアジリティが高く、テクニカルな選手が多い。アウェイなので勢いに乗らせてはいけない」と警戒。「先制点を与えないことが非常に大事になる。リスクを軽減しながら試合を運びたい」と話す。
日本の4位と言う苦境は、9月と10月それぞれの初戦を落とした結果。特に9月初戦のオマーン戦ではメンタル面を含めたコンディションの見極めが響いた。
10月もアウェイで暑さの中で戦ったサウジアラビア戦を落としたが、第2戦のオーストラリア戦では勝利を手にし、勢いも戻りつつある。それだけに、今回の第2戦となるアウェイでのオマーン戦を前に、ベトナム戦で勝点3を積み上げて良い流れを作りたい。
ベトナムはホームでタフさと勢いを前面に出すと予想され、5バックでの固い守りから転じるカウンターは要注意だ。日本は素早い切り換えで対応し、主導権を握るためにもコンディションの良い選手を積極的に活かすことが重要になる。
森保監督は、主力を多く含んだ応手組の合流の遅れについて「リラックスしていい休養が獲れたと聞いている。練習ができずに残念だったが、体調は回復していると思っている。プレーできると考えていきたい」と話したが、オーストラリア戦で見せたような、柔軟なシステムの変更やタイミングの良い選手の入れ替えを今回も期待したい。
所属クラブでの好調を代表へ
幸い、今回多く招集したJリーグ組は欧州組に比べて移動の負担も少ない。Jリーグで得点ランクトップに立つFW前田大然選手(マリノス)や4位の上田綺世選手(鹿島)も加わっている。二人とも2019年コパアメリカ以来の代表復帰だ。
川崎のリーグ連覇にも貢献したDF旗手怜央選手の中盤での機動力も魅力的で、フル代表初招集となったMF三笘薫選手(サンジロワーズ)と10月のオーストラリア戦で活躍したMF田中碧選手(デュッセルドルフ)という川崎出身のコンビネーションを活かすことも、調整時間の少ない中では効果的だろう。いずれの選手も今夏の東京オリンピックで活躍した顔ぶれだ。
三笘選手は「サイドからえぐって行けば引いた相手でも関係ない」とイメージを膨らませている。
前田選手も「チームでしっかり結果を出してきたので、いい感じ。五輪で僕を含めた攻撃陣が点を獲れなかったので、チームに帰ってゴールの意識が強くなった」と言う。
ベトナムに対しては「毎回、固い試合になる印象があるが、そういう試合は先に点を獲れればどんどん入る。早い時間帯に先に獲れればいい。単純なスピードの部分やそれを何回も繰り返すことができるのが自分の武器。それを選手全員でうまく使っていければと思っている」と話している。
攻撃陣は所属クラブでは好調を維持しており、それを代表チームに還元したい。
FW古橋亨梧選手(セルティック)は、7日のダンディーFCとのリーグ戦で2得点をマークして勝利に貢献。FW大迫勇也選手(神戸)も、10月のオーストラリア戦の負傷交代から復帰して、直帰のJリーグ徳島戦で1-0勝利を呼び込む決勝ゴールを決めた。
「僕らはこの2試合で勝点6をしっかり獲らなくてはいけない」という大迫選手は、「いろんな特長のある選手が多い。日本代表が勝てるように、各々が特長を出していければいい」と語っている。
取材・文:木ノ原句望