ドーハの悲劇の教訓 森保一監督 「自分たちで勝って出場権をつかむ」

サッカー

2022.3.26

GettyImages-1387483591.jpg
森保一監督 Photo by Koji Watanabe/Getty Images

 サッカー日本代表が7大会連続7度目のワールドカップ(W杯)出場を決めた。

3月24日にシドニーで行われたアジア最終予選でオーストラリア代表と対戦し、交代出場したMF三笘薫選手(サンジロワーズ)の試合終盤の2得点で2-0と勝利。最終戦を待たずにB組2位以内を確保して無条件でカタール大会への出場権を得た。

勝てば突破が決まり、負ければオーストラリアと順位が逆転してプレーオフ経由となる3位に転落するという一戦で、日本は選手が個性を発揮してW杯への切符を勝ち獲った。

オーストラリアの動きが落ちてスペースもできてきた試合終盤に、MF三笘薫選手(サンジロワーズ)を投入したベンチの采配が当たった形だが、森保一監督は「おおまかなコンセプトに選手たちが従ってくれながら、試合の流れを読み取って、修正力対応力を発揮してプレーしてくれた」と、選手の対応力を称えた。

 昨年9月に始まった最終予選の初戦でオマーンにホームで黒星を喫してのスタートとなり、最初の3戦で2敗する、かつてない苦しい序盤戦だったが、昨年10月の第4戦でオーストラリアと対戦。

選手とシステムを入れ替えて現在の4-3-3を採用して勝利を掴むと、そこから今回のオーストラリア戦まで6連勝で予選突破を確定させた。

 早々に勝つしかない状況に追い込まれたが、森保監督は「自分たちで仕掛ける」「自分たちで勝って出場権をつかむ」という姿勢を一貫して説いてきた。そこには自身の選手時代の苦い経験があった。

 「手が届きそうなところで逃した。最善の準備をしてベストを尽くすことはできたが、最後に夢がかかったところで守りに入った」と、ドーハの悲劇として知られる1994年アメリカ大会の最終予選を振り返った。

最終戦でイラクに勝てば突破が決まった試合を終了間際に同点にされて引き分け、出場権を獲得目前で逃し、日本はその4年後の1998年フランス大会まで初出場を待たなければならなかった。

ボランチの選手として1994年大会予選に出場していた森保監督は、「自分の反省を活かした。自分たちからつかみ取りに行かないといけない」と語った。

今回日本が出場権を手にしたカタール大会は今年11月21日開幕。それまでに代表活動ができる期間は限られているだけに、今予選最終戦となる3月29日(火)の埼玉でのベトナム戦も、本大会を睨んで選手の組み合わせや戦い方など、いろいろと試すことができる貴重な機会になりそうだ。

森保監督は、「最終目標としてW杯でベスト8以上の結果をつかみ取ることを考えてチームづくりをしてきた」と述べて、「次の一戦も勝って次の目標につなげたい」と話す。

なお、MF遠藤航選手(シュツットガルト)とDF板倉滉選手はコンディション調整のため、オーストラリア戦後にチームを離脱した。

aflo_184219728.jpg
写真:JFA/アフロ


勝てば1位突破

日本がオーストラリアとの試合を終えた数時間後、B組で首位に立っていたサウジアラビアがUAEで行われた中国の"ホーム"試合を1-1で引き分け、6勝2分1敗の勝点20で2位へ後退。連勝を6に伸ばして7勝2敗の勝点21とした日本が首位に浮上した。

日本が最終戦で対戦するベトナムは24日にホームで4位のオマーンに敗れて1勝8敗で最下位。日本はベトナム戦に勝てば1位での突破が決まる。

 一方、日本に敗れたオーストラリアは4勝3分2敗で3位が確定し、A組3位とのプレーオフへ進出。そこで勝てば、残りの1枠をかけて6月に南米5位との大陸間プレーオフに臨むことになる。

ちなみに現在のA組3位はUAE。この日、アウェイで4位のイラクに敗れて両者は勝点1差。UAEはホームで迎える最終戦でこの日首位に立った韓国と対戦する。一方のイラクはアウェイで最下位のシリアと対戦する。

なお、すでに出場を決めていた韓国はホームでイランとの上位対決を2-0で制して7勝2分けとし、今予選初黒星を喫して7勝1分1敗のイランと順位が入れ替わった。

 W杯出場へ、最後まで気の抜けない戦いが続いている。


取材・文:木ノ原句望