【華麗なる武一家】サイレンススズカ、ディープインパクト 武豊&幸四郎兄弟がタッグを組んだ名馬たち

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2022.5.6


記憶にも記録にも残る名馬がズラリ

 日本競馬界のレジェンドと称される武豊とその弟である武幸四郎。ともに数々との名馬とコンビを組み、記憶にも記録にも残る好成績を残してきた。

 その中でもテレビ東京スポーツYouTubeチャンネルで配信中の「競馬大好きママ のスナック美馬女 #1 華麗なる武一家」で紹介された4頭を詳しく紹介しよう。

■サイレンススズカ

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競馬大好きママのスナック美馬女|#1 華麗なる武一家 配信

かつて武豊が「自身が乗った中で一番強い馬」とインタビューで発言したことでも知られる1頭。

武豊は3歳時の香港国際C(1997年 G2 芝・1,800m)からコンビを組み始め、この時は5着と敗れたものの、明け4歳緒戦となったバレンタインSは純烈の酒井一圭が「あの走りにつながったレース」と評したようにスタート直後からサイレンススズカの持ち前のスピードを生かすために"大逃げ"を披露した。

このレースでは1000m通過タイムが57秒8というハイペースを自ら作って2着馬に4馬身差をつけて楽勝。

これで大逃げの素質が開花すると、続く中山記念(GII 芝・1,800m)で重賞初制覇。その勢いで小倉大賞典(GIII 芝・1,800m)も完勝と破竹の3連勝を飾り、次走に選んだのは金鯱賞(GII 芝・2,000m)だった。

このレースでもサイレンススズカはスタートから自身のスピードをフルに生かすべく先頭に立つと、後続をグングンと突き放して直線に入るころには2番手に付けていた馬たちに10馬身以上のリードをつけていた。

気が付けばサイレンススズカは2着ミッドナイトベッドに大差をつけて圧勝。

勝ち時計の1分57秒8はレコードタイムで、レースを見ていた観客は最後の直線で逃げるサイレンススズカに拍手を送ったという。これで完全に本格化したサイレンススズカはこの後の宝塚記念も制するなど、破竹の6連勝を記録している。

ちなみにサイレンススズカが香港国際Cへ遠征する際に武豊が鞍上となったが、当時トップジョッキーだった武豊が自ら「乗りたい」と志願したという。この時点では重賞未勝利だった一介の3歳馬をパートナーに指名し、のちの大成につなげたのだから、武豊の相馬眼には驚かされるばかりだ。


■ディープインパクト

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競馬大好きママのスナック美馬女|#1 華麗なる武一家 配信中

武豊の代表騎乗馬とも言うべき存在でもある"英雄"ディープインパクト。

日本競馬史上に残る名馬だけに語るところは数多くあるが、中でもスナック美馬女でママを務める田中道子が挙げたのはディープインパクトの初GI制覇となった皐月賞である。

武豊とのコンビでデビュー2戦目の若駒S(芝・2,000m)で破壊的な末脚を繰り出して快勝したことで、この年のクラシック戦線の主役となったディープインパクト。

クラシック第1冠目となる皐月賞(GI 芝・2,000m)でも単勝1.3倍というダントツの1番人気という支持を受けてレースに臨むも、スタートで躓いて最後方からのレースとなるアクシデントに見舞われた。

中山競馬場特有の小回りなコースレイアウトに加え、GIの大舞台でこれだけの出遅れを喫した馬はそう簡単には勝てないと誰もがディープインパクトの皐月賞制覇を絶望視する中、武豊は馬群を外に持ち出し、1頭、また1頭とゆっくりながらも確実に先頭との差を詰めていった。

そして迎えた直線。ディープインパクトは武豊が「初めて入れた」というムチに驚きつつも、スピードを上げて残り200mの時点で先頭に立つと、後続を一気に突き放して快勝。2着のシックスセンスには2馬身1/2もの差をつけて無敗でクラシック1冠目を制した。

道子ママが「特に注目してほしい」と語ったのがレース後のインタビュー、ここで武豊はのちのディープインパクトの代名詞とも言うべき名言を残した。

「走っているというより、飛んでる感じ」――

天才騎手に「空を飛ぶように走る馬」と言わしめたディープインパクトはこの後、無敗でのクラシック三冠制覇をはじめ、武豊とともに日本競馬史に残る偉大な走りをファンに見せることになるのは言うまでもない。


■オースミタイクーン

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競馬大好きママのスナック美馬女|#1 華麗なる武一家 配信中

今回紹介する馬の中では地味な存在だが、ジャングルポケットの斉藤慎二が猛プッシュした理由はこの馬の重賞初勝利をプレゼントしたのがデビューからわずか2日目の武幸四郎だったからである。

父はターフの魔術師と称された武邦彦、そして9歳年上の兄は当時からすでにトップジョッキーとして名を馳せていた武豊。

そんな競馬界屈指の超良血騎手なだけに武幸四郎はデビュー前から話題沸騰。騎手デビュー週となる3月1日~2日の2日間で異例とも言える14鞍の騎乗依頼が来るほどだった。

しかし、勝負の世界は甘くない。初騎乗のレースを6着で終えると、13鞍騎乗した時点での成績は[0・0・1・12]。掲示板にこそ5回載ってはいるものの、馬券圏内は3着が1度だけという具合に幸四郎はプロの洗礼を浴びた状態でこの日のメインレースであるマイラーズC(GII 芝・1,600m)に挑んだ。

ここで幸四郎とパートナーを組んだのは父・邦彦が管理するオースミタイクーン。

英ダービー馬ジェネラスの半弟という騎手に負けず劣らずの超良血馬ながら、重賞では結果が残せず、ここでは人気は14頭中8番人気という低評価に甘んじていた。

ところがオースミタイクーンは直線に入るとグングンと伸び、残り200mで先頭に立つと後続の追撃を振り切って見事に勝利。幸四郎は自身の初勝利を重賞で決めただけでなく、デビューからわずか2日で重賞制覇というJRA史上初の快挙まで成し遂げた。

レース後のインタビューで「これからも頑張りますので応援してください」と答えた弱冠18歳の幸四郎。

ちなみにこの年、彼はこのレースのほかに重賞を2つ勝利するが、いずれも8番人気以下でのもの。のちに「穴男」としてファンを沸かせる片りんをこの時から見せていたと言えるだろう。

■ブロードアピール

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競馬大好きママのスナック美馬女|#1 華麗なる武一家 配信中

カンニングの竹山が推薦したのがこの馬。GIこそ制していないものの、直線で繰り出した強烈な追い込みは今もなお語り継がれるほど。

キャリア36戦で13人の騎手が騎乗しているが、この馬を一躍有名にしたとも言える2000年の根岸S(GIII ダート・1,200m)で鞍上を務めていたのがデビュー4年目の武幸四郎だった。

ダートはこれが3回目の参戦ながら、栗東Sで見せた直線一気の末脚が評価されて根岸Sを1番人気で臨んだブロードアピール。

幸四郎もこの馬の末脚を信じてスタートから最後方に付けて最後の直線コースに向かうも、その時点で先頭を行くエイシンサンルイスとは楽に10馬身以上の差がついていた。これでは勝利は難しいと思われたが...... 幸四郎が追い出しを開始すると、ブロードアピールは文字通り、真一文字に伸びてきた。

脚の回転が速く、トップスピードに乗りやすいピッチ走法で走るブロードアピールは直線に入ると1頭、また1頭と交わし残り200mを通過した時点で5番手に浮上。

そして残り100mでは先頭を行くエイシンサンルイスに1歩、また1歩と迫り、最後の最後で交わすと、ゴールまでにエイシンサンルイスへ1馬身1/4の差をつけて勝利した。

この時のブロードアピールが記録した上がり3ハロンのタイムは34秒3。良馬馬開催のダート1200mでの上がり3ハロンの最速タイム(当時)を叩き出し、ブロードアピールは一躍、伝説の馬として語り継がれる存在となった。

ちなみにブロードアピールはキャリア通算で重賞を6勝しているが、日本人騎手で唯一2勝以上挙げたのは幸四郎だった。もしかするとブロードアピールとの相性が最もいい騎手だったのかもしれない。

......と、挙げればキリがないくらいに出てくる華麗なる武一家にまつわる名馬の数々。

今年の桜花賞でも弟・幸四郎が管理するウォーターナビレラに兄の武豊が騎乗して参戦したことでも話題になったのは記憶に新しい。これからも武一族の華麗なる伝説はまだまだ続いていくことだろう。


■文/福嶌弘