【日本ダービー】SNSでも話題 オニャンコポンの秘密「血統を見た時にはゾワッとした」

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2022.5.27

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日本ダービー2022 ~HEROになるために~

3歳馬7522頭の頂点であり、競馬界最高の栄誉である『日本ダービー(GI)』。

このタイトルを手にするために今年も人馬ともに熱い戦いを繰り広げる。

その熾烈な戦いを勝ち抜いて夢の舞台へエントリーしてきた各馬に秘められたエピソードや関係者たちの知られざる想いに迫った。

SNSでも話題になったオニャンコポンを大特集。愛らしい馬名に込められた意外な思いや彼を支えるホースマンたちの姿など、知られざるオニャンコポンの世界。

SNSを震撼させた、ほっこりさせる癒し系馬名

2022年1月、3歳の牡馬によって争われる重賞・京成杯をオニャンコポンが制した際、SNSを中心に大きな話題になったのはご存じだろうか?

「名前が可愛いなオニャンコポン」
「猫好きだからオニャンコポンの単複購入した」

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など、京成杯のレース前後からtwitterなどのSNSの話題はオニャンコポンに関することで独占。レースを勝利した際は一気にトレンド入りするほど、競馬ファン内にとどまらずに大きな話題になった。

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そんなオニャンコポンは京成杯後、宮城県にある社台ファーム・山元トレーニングセンターで英気を養うことに。

この時担当したのが吾田一也主任。彼にとってオニャンコポンは特別な存在だったという。

オニャンコポンの父は2010年のダービーを制したエイシンフラッシュ。そして母父は同じ年に皐月賞を勝ったヴィクトワールピサ。同じ年にクラシックを争った2頭に吾田は関わっていたという。

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両者の血を引くオニャンコポンに対し、「血統を見た時にはゾワッとして、楽しみになった」というように特別な思いを持つのは当然だろう。

父と祖父のことを知るからこそ、精一杯の思いを込めて吾田は管理先の小島茂之厩舎に送り出した。それだけに厩舎スタッフも慎重にオニャンコポンに接している。

「おとなしい馬ですよ。オニャンコポンだけに猫を被っているのかっていうくらいに(笑)」

そうおどけて見せたのが、オニャンコポンの担当厩務員である武田健作氏。

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普段の身の回りの世話をする彼のもとに、ファンからはオニャンコポンのオリジナルグッズや応援グッズが多くやって来るという。

厩舎の開業以来、19年間も従事してきた武田だったが、これまで重賞勝ち馬とは無縁のままだった。

そんな彼に待望の重賞をプレゼントしてくれた馬こそオニャンコポンだった。「クラシックはテレビの世界の出来事」と思っていた武田にとってはこれ以上ないプレゼントだったと言えるだろう。

そんなオニャンコポンにまたがり、調教をつけているのが調教師の小島茂之氏。自ら組んだメニューを自らの手でこなす彼から見たオニャンコポンは「とにかく人が好きな馬」だという。

「こんなに馬房から顔を出していることは普通あまりないし、いろいろな経験をして逞しい顔つきになってきた。この1本線が入っているのもいい。頑張ってほしい」と管理馬に期待を寄せている。

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偉大な者になるための進撃が間もなく始まる

オニャンコポン人気の最大の要因はそのかわいらしい語感の馬名にあるのは言うまでもない。

小島茂之氏も当初は「ふざけたのかな?と思った」というが、意味を知ると「すごい名前を付けてもらった」と思い直したという。

そんなオニャンコポンの名付け親は馬主である田原邦男氏。

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かつては秋華賞を制したブラックエンブレムなどを所有していたが、オニャンコポンという一風変わった名前には実はこんな意味が込められているという。

「私の世代がおニャン子クラブの流行ったころでもあり、私自身が『進撃の巨人』の大ファンだったので、そのストーリーの中に出てくる『オニャンコポン』というキャラクターから名付けた」

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この理由だけだと、単にマンガとアイドルが好きなオーナーという印象だが、実はオニャンコポンという言葉は西アフリカ・ガーナ地方に伝わる神様の名前。

現地で話されるアカン語では「偉大な者」というかわいらしい語感からは想像もつかないほどの意味があるという。

「そういう面から『偉大な者になってほしい』ということで名付けたんです。

元ネタを知らないと猫に関連する名前かなと思われそうですが、こういう意味があるところにも注目してもらえたら嬉しいですね」と、田原は語ってくれた。

かわいらしい語感だけでなく、しっかりとした意味まで込められていたのだから応援しないわけにはいかないだろう。

そんなオニャンコポンとタッグを組んでいるのはデビュー4年目の菅原明良騎手。

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これがダービー初騎乗となる若手のホープだが、「一番乗りたい、一番勝ちたいレースに乗せてもらえるのは本当にうれしい。悔いのない競馬ができるように頑張りたい」とその胸の内を語ってくれた。

調教をつける調教師に、日ごろのケアをする厩務員、名付け親の馬主、そしてレースを任される騎手... この馬に携わるすべてのホースマンが大きな期待を寄せるオニャンコポンの進撃が間もなく始まる。

■文/福嶌 弘