羽生結弦 独占インタビュー「自分って必要とされていないのかな」プロ転向決断までの苦悩

その他

2022.9.2

MT書き起こしサムネ.jpg

7月19日、羽生結弦さんがプロスケーターへの転向を表明して約2時間後。

テレビ東京の独占インタビューに応じてくれました。 およそ20分間に及ぶ収録をほぼノーカット、全3回で配信。今回はその第2回。

これまで世界のトップで戦い続けた羽生さんの苦悩、その中で得たものとは。そして今後の夢についてもお聞きしました。

ープロ転向が視野にあった中で現役を続けた理由は?

やっぱり4回転アクセルを降りたいという気持ちが強くありました。

「競技会で4回転半を成功させて終わるんだ」と自分の中では思っていて、実際にそうしようとずっと思いながら「跳べなかったな。じゃあまた頑張ろう」みたいな感じでした。

逆に競技会で自分が努力してきたことの評価や過去の自分と比べてどれだけ上手くなったかとか、自分自身の評価とスコアとしての評価を並べながら色々考えていて。

正直、キスアンドクライで昔みたいに無邪気に「やったー」と喜べる機会がなくなっていました。色々苦しかったです。

そういう中で言葉は悪いですが「自分って必要とされていないのかな」、「『羽生結弦早く引退しろ』と言われているのかな」と思った時期もあって辛いなと思うことももちろんありました。

でも自分の中では「4回転半を降りてやめるんだ」と思っていましたし、現実を開いてみたら「引退じゃないじゃん」って思いました。

すごく考えたんです。現役って、引退って何だろうと。フィギュアスケートにおけるアマチュアとプロって何だろうと考えながら過ごす中で、「これは引退じゃないな」と思いました。

第一線から退くとかではなくて、これからさらに上手くなる為のスタートを切れたんだと自分の中では思えています。その中には4回転アクセルが存在していて、それをまた皆さんに見て頂きたい。そこに向かって夢がまだ続いているところを皆さんと共に追いかけていきたいなと思っています。

ーこれからは点数を超えた自分のスケートを追い求める?

そうですね。「点数でもらわなくてもいいや」って正直思いました。

今まで頑張ってきたことはいっぱいあって、僕自身このジャッジングシステムになってからPCS(演技構成点)で10点台をもらったこととか、例えば(2015年の)バルセロナでのグランプリファイナルのショートプログラムではこれ以上出せないほぼ満点のような点数(PCS満点50で49.14を記録し世界最高得点を更新)をもらったりした中で、自分がさらに努力して上手くなって次の試合に出た時に、点数が一向に上がらなくて「何でやっているんだろう」と思うことが正直ありました。「何で上手くなっているのに点数は下がるんだろう」と。

羽生笑顔 書き起こしサムネ.jpg

それでも、応援してくださる方々に「羽生くんは上手になったよね」とか、「ここが進化したね」と言われた時に、点数じゃなくてもいいのかなって。ちゃんと見てくださる方は見てくださっているし、ちゃんと自分が努力したことは目に見えて報われているんだなと思いました。だったらちゃんと目に見えるところで頑張りたいなと思いました。

ー現役生活で得られた一番大きなものは?

信じられないくらいたくさんの人に応援してもらえるということです。

自分で言うのもなんですが、かなり心も削って自分の意思も削って色々なことをやってきました。時には、レールを敷かれていてその上をただひたすら走らされている人形なんじゃないかと思う時もありました。「何でやっているんだろう」って、それくらい辛い気持ちになったことはありました。

でも、レールだったかもしれないけれどその上で一生懸命頑張ってきて、皆さんの気持ちに応えたいという気持ちを常に持ちながら努力した結果として、これだけたくさんの方に応援してもらえる存在になったんだな、というのが一番大きな得たものだと思います。

こんなに応援して頂ける人間。選手とかアスリート、スケーターとしてとかではなく、そもそもこんなにたくさんの方に注目して頂いてこんなに応援してもらえる人間は中々いないと思います。その応援や気持ちを自分の幸せとか生きる活力にして、これからもスケートを頑張っていきたいなと思います。