【ヴィクトリアM みどころ】挑む女王スターズオンアースと護る女王ソダシの激突!女王たちの走りに目が離せない

挑むのか、護るのか...... 女王たちの走りに目が離せない
「絶対女王がただひたすらに輝きを放つ」「クラシックで涙を飲んだ実力馬が悲願を果たす」――過去17回のヴィクトリアマイルを振り返ると、こうしたテーマで語られることが多いように思う。
前者はウオッカやアーモンドアイ、グランアレグリアが突き抜けた姿が印象に浮かぶし、。後者ならばホエールキャプチャやヴィルシーナが該当するだろう。
だが、今年のヴィクトリアマイルはその2つのテーマに当てはまらない。もう1つのテーマである「挑む女王と護る女王の激突」が久しぶりに見られそうだ。
振り返れば12年前のヴィクトリアマイル。このレースまでにGⅠで5勝を挙げた絶対女王のブエナビスタと前年の牝馬三冠を制し、世代の女王となったアパパネとの初顔合わせとなった。
女王と女王の戦いが競馬ファンの注目を集めたこの一戦は2頭だけが単勝オッズ10倍を切るという文字通りの一騎打ちとなり、レースでも先に抜け出したアパパネがブエナビスタの猛追をクビ差凌ぐという激戦を制し、世代を超えた女王に君臨した。
女王が女王を力でねじ伏せたあの激戦から12年、今年もそうした「挑む女王」と「護る女王」の一騎打ちが見られることだろう。
そんな今年のヴィクトリアマイルで主役となるであろう1頭、「挑む女王」はスターズオンアースだ。
昨年の牝馬クラシック開幕前、それまで惜敗続きで伏兵の扱いを受けていた彼女は桜花賞で星に導かれたかのように馬群を捌いて勝利を収めると、叔母ソウルスターリング、祖母スタセリタが制するという具合に一族が愛したレースであるオークスでも末脚を伸ばして軽々と二冠を達成。
昨春の牝馬クラシックは彼女を中心に回っているようにさえ思えた。
ところがオークス直後に骨折。三冠最後の秋華賞はオークス以来のぶっつけで挑むことになり、結果的に3着に敗れて三冠はならなかったが、直線で猛然と追い込んでくる姿は桜花賞、オークスとも遜色のない走りで力のある所を見せてくれた。
それからおよそ半年後、明け4歳緒戦として彼女は大阪杯に出走。同世代の牝馬を制圧し、今度は年長馬たちに挑むことになったが、逃げるジャックドールを最後まで追い詰めてタイム差なし、ハナ差の2着に入った。
差し脚の威力はこのメンバー内でも最上位。古馬相手でも十分渡り合えることは前走でも証明した。惜敗続きの2戦を払しょくし、世代を超越した真の女王になる勝利をつかみ取ることはできるだろうか。
そんな「挑む女王」スターズオンアースに対して、「護る女王」となるのはソダシ。
純白の馬体でデビュー当時から注目を集めた彼女は2歳時から輝きを放ち続け、阪神JF、桜花賞と立て続けに勝利。純白のアイドルは女王としてその地位を築き上げた。
だが、その後に待っていたのは試練の連続。オークスでは距離に泣き、札幌記念を制して迎えた秋華賞はゲートにぶつかるアクシデントに見舞われ、環境を変えるべく臨んだチャンピオンズCは初ダートの洗礼を受け、純白の馬体は幾度となく土に塗れた。
このまま終わってしまってもおかしくなかったが、ソダシは違った。フェブラリーS3着から挑んだ昨年のこのレースでソダシは直線で先行する2頭の間を割って抜け出すという堂々たるレースぶりを見せて快勝。得意の芝マイル戦で復活し、女王の座に就いた。
3歳時はまだまだひ弱さが残るアイドルだった彼女は、今や管理する須貝尚介調教師に「立派な女優になった」と言わしめるほど逞しく成長した。1つ下の女王、スターズオンアースの挑戦を受け、愛する芝マイルの舞台で女王の座を護り抜くだろうか。
2頭の女王にばかり注目が集まりそうな今年のヴィクトリアマイルだが、そのほかの馬たちにだって当然チャンスはある。中でもナミュールは「惜敗続きだった実力馬の初戴冠」というこのレースならではのテーマにピッタリとハマる。
末脚の切れは抜群ながら、出遅れ癖が災いして2歳時の阪神JF、そして桜花賞はいずれも完敗し、1番人気に応えることはできなかった。気性面を考えるとマイルがベターな馬だけに、距離が延びるオークス以降は苦しくなるだろうと誰もがそう不安視した。
しかしナミュールはそこから奮起。オークスでは中団から動いて3着に食い込み巻き返すと、秋華賞は2着に入ってスターズオンアースに先着。古馬に交じって臨んだエリザベス女王杯は苦手な道悪に泣かされながらも5着と力のある所を見せた。
今度の舞台は2歳時に勝利している東京の芝マイル戦。本来の得意条件となる舞台で自慢の末脚が輝きを放てば、悲願のGⅠ制覇を果たすことだろう。ヴィクトリアマイルならではとも言えるドラマの主役となるだろうか。
東京の芝マイルが舞台となるレースならば、ソングラインだって黙っていないだろう。
その類稀なスピードを生かすためか、デビュー以来一貫してマイル以下の距離でしか走ったことがなかった彼女。昨年のこのレースでは3コーナーで不利に見舞われたために本領を発揮できなかったが、続く安田記念では持ち味の末脚が爆発して勝利をおさめ、牡馬相手に芝マイルGⅠの最高峰のタイトルを手中に収めた。
その後の2戦が振るわないが、得意の東京芝マイルでの一戦ならば、当然争覇圏内にある。成長を遂げた第3の女王が台頭する場面が見られるかもしれない。
「挑む女王」に「護る女王」、そして悲願を、復活を果たさんとする馬たち......今年のヴィクトリアマイルも激戦となることだろう。
■文/福嶌弘

第18回ヴィクトリアマイル(GI)枠順
5月14日(日) 2回東京8日 発走時刻:15時40分
枠順 馬名(性齢 騎手)
1-1 ロータスランド(牝6 横山典弘)
1-2 スターズオンアース(牝4 C.ルメール)
2-3 サウンドビバーチェ(牝4 松山弘平)
2-4 アンドヴァラナウト(牝5 吉田隼人)
3-5 スタニングローズ(牝4 坂井瑠星)
3-6 ソングライン(牝5 戸崎圭太)
4-7 イズジョーノキセキ(牝6 岩田康誠)
4-8 ララクリスティーヌ(牝5 菅原明良)
5-9 クリノプレミアム(牝6 松岡正海)
5-10 サブライムアンセム(牝4 三浦皇成)
6-11 ナミュール(牝4 横山武史)
6-12 ナムラクレア(牝4 浜中俊)
7-13 ディヴィーナ(牝5 M.デムーロ)
7-14 ステラリア(牝5 団野大成)
8-15 ルージュスティリア(牝4 川田将雅)
8-16 ソダシ(牝5 D.レーン)
※出馬表・成績・オッズ等は主催者発表のものと照合してください。